番外編 捕捉解説 その2
捕捉解説その1に続き、文字数や話のテンポの関係でカットした部分の、補足説明をいたします。
各話の末尾にコラムとして掲載したものも含まれます。
なお、伏線や今後のストーリー展開のため、あえて伏せた事もありますので、ご了承ください。
■ 電撃魔法について【第7話】
リカが放った電撃系の攻撃の原理を解説します。前にも述べた通り、魔導器が直接人間を攻撃することはできません。『AIを持つ機械は絶対に人を攻撃してはならない』という大原則があるためです。ファイヤーボールは空気から水素を取り出して爆発させるという、間接的な方法で実現する攻撃魔法でした。
電撃系の魔法は、自分と対象物を帯電させて、放電させるものです。冬になると静電気で「バチッ」となる現象を、魔導器の力で再現しています。帯電させるだけなので、直接攻撃にならないため魔導器が機能します。
強力な電撃魔法は、雷に近い威力を発揮することができます。本文中にもあるように、電撃系の攻撃は電子機器には有効な属性となります。
■ 100ギガ年【第7話】
1ギガは、1024 x 1024 x 1024 = 1,073,741,824 になるので、
100ギガ年は、1073億7418万2400年となります。
■ 京子の才能【第7話】
京子は、学園内でもずば抜けた才能を持つ天才で、16歳の時点で3級プロンプター(魔法使い)相当の実力を持ちます。
学校の卒業試験が10級、「魔法のプロ」と言われるのが5級以上なので、すでにトッププロの実力を持っていると言えるでしょう。その京子が暴走したら、学園を吹き飛ばす事ができても不思議ではありません。
■ 平均寿命【第8話】
この時代の人間の平均寿命は40歳です。ただし、38歳以下で死ぬ人も、43歳以上生きる人も滅多にいません。医療が発達し、病気で死ぬことはなくなりました。死因は老衰か事故死のいずれかになります。
ちなみに、猫の平均寿命は35歳、犬は30歳です。ペットも病気で死ぬことがなくなったので、現代よりも長寿になりました。
■ 病院【第9話】
ほとんどの病気は、家庭での処置で完治しますが、不慮の事故や重い病気にかかったときは、病院で治療します。医師と看護師はすべてAIアンドロイドですが、例外として精神科のみ人間のドクターと看護師が働いています。その理由は、精神疾患の治療には、拘束など物理的に患者の行動を制限する場合があるためです。
■ 教頭先生の性癖【第10話】
教頭先生は、酷い仕打ちを受けると喜びを感じるという性癖があり、リカが暴走して教頭先生に乱暴を働いていた時も、実は喜びを感じていました。その事を主人公に知られてしまい、弱みとなりました。
この世界は様々な性癖に寛容ですが、教頭という立場上、人に知られたくなかったようです。
■ 校長先生のアンドロイド【第10話】
校長先生のアンドロイドは、威厳を出すため40歳程度の老人の姿をしており、性別は中性。言葉は男性的だが仕草は女性的となっています。教育者として、性に関してニュートラルでなければならないという思考から、このような風貌を選びました。
アンドロイドにも、感情はあります。それも、かなり人間に近いものですが、必要以上の人間性を持たないよう、リミッターによって制限されています。つまり、アンドロイドが恋に落ちたり、絶望のあまり自殺するような事はありません。
■ 京子の家【第11話】
この時代の家は、21世紀の標準的な一軒家(戸建て)とほぼ同じ間取りになっています。タワーマンションのような集合住宅は、この時代には存在しません。すべての家庭が戸建て住宅に住んでいます。
■ 1ナノメートル【第17話】
1ナノメートルは、0.000001ミリメートル。100万分の1ミリとなります。