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卒業パーティの会場に、レオナルドは一人で入場した。

辺りを見渡しながら、何人かと軽く挨拶をする。



目線の先にリンカとオスカーがいた。

オスカーと目があった瞬間、オスカーが眼力を飛ばしてきた。








(え? 何? 今の・・・。 アイコンタクト? 何かのメッセージ?


でも、俺は騎士じゃないから、暗号は知らないよ???)




レオナルドは大いに悩んだ。

しかしすぐに思い直す。




(待て待て、惑わされるな。 あいつは”脳筋”オスカーだ。


さっきのには意味はない。


あったとしても「俺、ちゃんと見張ってるっす!」ぐらいだ)




レオナルドはオスカーの眼力飛ばす行動に意味は無いという判断をした。






ここで解説をしておこう。

さっきのオスカーの行動に意味はない。

レオナルドの読み通り、「俺、ちゃんと見張ってるっす!」と伝えたかっただけである。

これが伏線で、レオナルドが読み違えたせいでレティシアに魔の手が伸びる!なんて事態には起こらない。


”脳筋”オスカーのせいで伏線回収を期待されるところであった・・・。









学園長のあいさつでパーティは始まった。



そこでヒロインターンであった、あのセリフである。










「———————— だから、私の手を取って!!!」
































・・・はぁ?














レオナルドは混乱中だった。






え?



何? この子、頭悪いの・・・?



何か陰謀企んでいるのかと思ったのに。



え? めっちゃ頭悪くない?



え? 何で自分が愛し子になれるって思ってるの?



おーい! リンゲンでは愛し子は生まれないんだよー?






レオナルドが頭の中で突っ込みを入れている時 ———————。





「・・・ふ。 ふふふ」





楽しそうに笑ったのは、エリアスだった。



エリアスの笑みにあてられて、周りの女子学生が倒れてしまった。

その事で、会場中の人間がそちらに目を向ける。




「ねぇ、君。誰にいじめられてるって? そのいじめた人間、ここにいる?」



エリアスに微笑まれて、リンカは真っ赤になってもじもじした。




「レティシア・オルティース。 あなたの横にいる白銀色の髪の人よ。」






(おい! 俺に色目使っておいて、エリアスがちょっと微笑んだだけでもじもじしてんじゃねーよ!)




「この子?」



エリアスはアビゲイルを指して再度聞いた。



「そうよ。 さっきあなたがエスコートしてたじゃない。

ねぇ、あなたのお名前、教えてくださらない?」




リンカの発言にエリアスは冷めた目を返した。

美人の無表情程恐ろしいものはない。

周りの人間が恐怖に震え始めた頃、エリアスはアビゲイルに向けて、飛びっきりの笑顔で話しかけた。



「アビー! 君、いつからレティになったの!?」

「なってない。 あいつ不敬罪で処刑していい?」




エリアスは、また恐ろしい事を無表情で言うアビゲイルの頭を優しく撫でた。




それを見てまた周りの女子が(一部男子も)倒れた。






(エーリーアース~。 何人気絶させるの!?

これ以上証人が減るのは困るんだけど!!??)





「この子はアビゲイル・アンハルト。 

私の可愛い従妹であり、アンハルト王国の王女だ」






エリアスの一言で場がざわつく。






「君、さっきアビゲイルにいじめられたって言ってたでしょ?

アビゲイルが君をいじめる理由って、なに?」



エリアスがじわじわとリンカを追い詰めていく。




「え?・・・え?・・・」




リンカは状況が把握できないのか、周りを見渡して、そして言葉を無くしてしまった。









「ハ~、つまんない。 ただの小物だったな」



小さく呟いたエリアスの言葉は、アビゲイルにしか届かなかった。














そこに現れたのが。












いきなり舞台に出てきた人外の美貌を持つ少女。








公爵家の財力で作り上げた最上級のドレスに、それを完璧に着こなす、女神。





























「あれ? わたくしここから出てくるの、正解でした?」









次回で1部完です!

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― 新着の感想 ―
[一言] さあ、自称ヒロインよ、本物の愛し子の圧倒的美貌にひれ伏すがよい!
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