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【完結済み】愛し子のトリセツ  作者: 西九条沙羅
第一章

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18/50



「お兄様!!!」






人外の美貌を持つその人がやってきただけで、景色が色付いたような錯覚を起こした。








4人掛けの丸テーブルに彼が近づいてきたため、


セラがいそいそともう一人分の茶器セットを用意しだし、

アントンがいそいそと自分の席を彼に差し出した。




「ありがとう」




(ポッ)










(アントン、お前あの日、何かの扉が開いてしまったんじゃないか? 


俺は心配だ・・・。)








そんなレオナルドをよそに、エリアスは前に座る妹に話し掛ける。




「父上とも話した。

殿下の卒業パーティの日、お前を「愛し子」として披露する事にした。

来年、学園には「愛し子」として通うんだ」


「わかりましたわ、お兄様」




人外な美貌を持つ兄妹が微笑み合うのを、人内の容姿の人間が頬を染めて見つめる・・・。








「殿下としては、妹を「愛し子」として自分のいない学園に通わせるのは心配でしょうが、この国の国民の洗脳具合をみると、公表した方が安全だろうという事になりました」








(言っちゃった。 もう洗脳ってどうどうと言っちゃった・・・。)







誤魔化す様に微笑んだエリアスに、レオナルドは少し頬を染めて咳ばらいをした。




「コホン。

その件は承知した。

以前より陛下からも、その方が良いのではないかと打診され、調査していたのだ。


問題は、あの男爵令嬢なのだが・・・」




「その件は大丈夫ですよ。

あの子はこれ以上何もできません。




卒業パーティで自爆するでしょう」





エリアスは、全てを魅了するような微笑みを見せて、優雅に紅茶を飲む。




誰もが魅せられる姿だったが、「さすがお兄様・・・」というレティシアの一言で、レオナルドは一早く現実に戻ったのだった。


















「もう冬も終わりね。庭園のモクレンはいつ頃咲くかしら?」



手をつないで温室を歩くレティシアとレオナルド。



「私達が初めて会ったのは、初夏の日差しが暖かい時だったのに」



レティシアは一歩後ろを歩いていたレオナルドに振り返った。






「何を考えていたの?」




あの子の事???






レティシアは少し不安だった。



レオナルドを信じているが、リンカに会ったことが無いレティシアには、見えない敵が大きく見えたのだ。


それを聞いたら全員が、「あなたに比べたら路傍の石です。心置きなく蹴飛ばしてください!」と、心から言ったであろうが。






「どうやったら、エリアス殿に勝てるのかなって、・・・考えてた」




まさかの発言に、レティシアは口がニヨニヨした。






(何でこんなに可愛い事言うの? この人は)








「お兄様はお兄様で、あなたは私の愛する人よ。


アビーの時にも言ったけど、比べないで?」




「うん・・・」





(うん、って!!!


心臓が鷲掴まれる!!!!)








レティシアは立ち止まって、両方の手をレオナルドと繋いだ。




レオナルドは前に立つレティシアの瞳をのぞき込む。




自分を囚えた虹色の瞳を。






「やっと目が合った」






レティシアは前に立つレオナルドの瞳をのぞき込む。










自分を囚えた紫色の瞳を。










レティシアは背伸びをしてレオナルドにキスをした。








頬を染めて、トロンとした瞳でレティシアを見つめ返す紫の双眸。








(可愛い人)








妖精姫に囚われたレオナルドは、優しく微笑むレティシアに背中を押された気がして、今度は自分から唇を重ねた。






何度も何度も角度を変えて。








俺のものだよ・・・。






そう、レティシアの中に刻み込む様に・・・。



















レティシア小悪魔説浮上!

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