第七十話 仲直り
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意を決して師匠に告白すると、初心なのか気絶してしまった。
そもそも初心でも告白されるだけで気絶してしまうものなのか?
いいや、そんなこと聞いたことが無い。
こんなこと言いたくないのだが、長い間恋愛をしていなかったらこういうことになってしまうのかもしれない。
もしかしたら俺が生まれる前に誰かと結婚しており、死別した後かもしれないと考えていたのだが、そんなことはなさそうだ。
少しホッとする。
意外にも俺は嫉妬深いのかもな。
「ちょっと、いつまで気絶しているんだ?」
師匠の肩を揺らしながら声をかける。
しかし、返事が無い。ただの屍になったのかもしれない。
いくら揺らしても起きないため、一旦ベッドに寝かせることにした。
ゆっくり寝させる気もないので窓は開けっぱなしだ。寒くてそのうち起きるだろう。
俺は自分の部屋を出ると、そのまま茉莉奈の部屋に向かった。
◇◆◇◆
コンコン
「茉莉奈、俺だ。話があるんだ。入ってもいいか?」
茉莉奈の部屋のドアをノックした後、部屋に入っても良いのか許可を取る。
一応夫婦喧嘩中なので必要なのだ。
「どうぞ…」
部屋の中からは茉莉奈の声が聞こえてくる。
しかし、ギリギリ聞き取ることができる小さな声だった。
「入るよ」
茉莉奈の部屋は白を基調にしており、無駄なものがほとんどない部屋となっているのだが、それでも久しぶりに入ってみると物が増えていることが分かる。
意外にも化粧台の上は化粧品であふれかえっていた。
茉莉奈はと言うと、大きなテーブルを囲んでいる椅子の中の1つに座っていた。
茉莉奈のベッドにはキシリカが寝ているため、椅子に移ったのかもしれない。
俺はそんな茉莉奈の向かい側に座った。
「あの件はどうなりましたか?」
「そのことなんだけど、一応どうにかなったよ。それでもあと1人だけ娶らなくてはいけなくなった。でも相手は師匠に決まったんだ。だから俺たちの日常は変わらない」
「え?本当なんですか?モモさんは了承するのでしょか...」
「あ…まぁ、どうにか頑張るよ」
「もしかして、モモさんにはこのことをまだ話していないのですか?それだと私はまだ信じられません」
「話したんだよ。茉莉奈の前でこんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、告白まで終わったんだ」
「そうなんですか?それで返事はなんと?」
「...まだ返事は貰っていない。だって、告白したら気絶したんだもん。そんなこと予想できるわけないじゃん」
「..........」
茉莉奈がジト目で俺を見てくる。
信じられないかもしれないけど本当なんだよ。
「そんな目で見ないでくれよ。証拠ならあるから。寝室で今気絶していると思うから一生に見に行こうよ」
「寝室でですか?もしかしてすでに手を出したわけじゃないですよね」
「違うって、本当に告白しただけで気絶したんだよ!それに寝ているところを襲うほど俺は飢えてない」
「そうですね。旦那様に嘘をつかれたことはないので信じましょう。それにしても旦那様とモモさんはあまり仲がよろしくないと思っていたのですが、普通に告白するのですね」
へ~、茉莉奈からはそう見えていたのか。だが、今も昔も俺たちの仲が悪くなったことはない。
逆に仲が良すぎて俺は冷たく接しているまである。
「あれぐらい距離を取らないとあの人はベッドにも風呂にも遠慮なく入って来るんだよ。わかるだろう?意外にドキドキするからそれが恥ずかしくて少し冷たくしているんだ」
「そうなんですね...確かに一度一緒にお風呂に入ったのですが、すごくきれいな体をしていましたね」
師匠は年を取らないとしたら体の変化もほぼないと考えてもいい。もし最後に師匠の裸を見た10年前と同じなら相当すごい体をしていると思う。
身長の割に出ているところは出ているので緊張してきた。
「ねぇ、なんだか緊張してきたんだけどどうしよう。俺もう2人も妻がいるのになんでだろうな」
「私に聞かれても困りますよ。私にはそう言った経験が無いのでアドバイスのようなものはできないですね。それよりもわかっているかもしれませんが年齢などは深く聞いたらダメですよ。恋人として気になるかもしれませんがモモさんでも絶対に怒ると思いますよ」
「やっぱそう思う?俺も怖くて聞けないから聞くつもりはないんだけど、実は気になるんだよね」
「それでもだめですよ」
「わかった」
茉莉奈に念を押される。
いつの間にか茉莉奈と師匠は仲良くなっていたようで、茉莉奈は師匠が傷つくことを一番に恐れているようだ。
俺はそんな経験ないのだが、思わぬことで傷つくことがあると聞いたことがあるので、俺も気を付けようと思う。
「それにしてもよく1人で済みましたね。キシリカ様は少なくとも5人は来ると言っていたので。もしかして他にも条件があるとか?」
「ぐっ、本当によく気付くよね茉莉奈は」
「やはりあるんですね」
「でも、そこまで気にしなくても大丈夫だよ。茉莉奈は安心して出産について考えればいいから」
「そんなわけありますか!いいから教えてください。ちゃんと教えてくれないとここから出ていきますよ」
「わかったから!それだけはやめてくれ!」
いつにも増して圧が強い茉莉奈に負けて、またダンジョンに潜らなければいけないことを説明した。
「...そうですか。キシリカ様も行くのですか?」
「いや、次は絶対に連れて行かない。そもそも、前のは勅命だったから連れて行っただけで本当は連れて行きたくなかったんだ」
それでもキシリカは行きたいと言いそうなので、どうにかあきらめさせるよう後で考えなくてはいけない。
「まぁ、次はロメオの他にも魔導士が参加すると思うから俺は後方支援になると思うからそこまで心配しなくても大丈夫だよ。そもそも、ダンジョン攻略は王家の資金源だからね」
「私が何を言っても行ってしまうのでしょう?なら私から言うことはこれ以上ないです。無事に帰ってきてください」
「ああ、わかったよ」
茉莉奈が俺にやさしく微笑む。
これを見たらダンジョンなんかに行きたくなくなるが、茉莉奈とキシリカのために頑張ろうとも思うのが不思議だ。
そして、これからはこの中に師匠も加わるのか。
自分でも驚くが意外と楽しみだ。
それから一時2人の間で静かな時間が流れた。
説明が終わったので茉莉奈が前に作ったというクッキーを俺は食べた。
「もしかしてクッキーを食べたらモモさんの所に行くのですか?」
「え?別に決まってはいないけど、もう少し一緒にいようか?」
「はい、今だけは私に旦那様の時間をください」
そう言って、茉莉奈は俺の膝に向かい合った形で座ってきた。
そして、一度軽いキスをすると服を脱ぎ、上半身裸になった後、俺の服も脱がせ始める。
「え?するのか?妊娠中はしない方がいいと思うけど」
「一度くらい大丈夫ですよ。それにもう私は我慢できません...」
「...わかった」
俺は茉莉奈をお姫様抱っこして、茉莉奈のベッドに降ろす。
久しぶりの茉莉奈は甘々だった。
ちなみに前世を含めて、初めての仲直りセ〇クスはすごく興奮しました。
あと、謎に隣に寝ていたキシリカはめちゃくちゃ邪魔でした。
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