第六話 初仕事
評価や感想・レビューよかったらお願いします。
「それで今その人はどこにいるんだ?」
キシリカが異世界人を忘れていた為、俺は急いでどこに今いるのか問い出す。
ある理由があるため急いで異世界人と会わないといけない。
「異世界人はね近くにいると思うわよ。なんて言っいるのか分からないから外には行かないの。誰か呼んできてちょうだい」
「かしこまりました」
キシリカは執事に異世界人をここに呼ぶように指示を出す。キシリカは俺以外にはいつもの様に対応するようだ。
キシリカも立場があるので突然友達のように接したら使用人が逆に驚いてしまう。そこら辺はしっかりとしいるようだ。
それにしても異世界人か...もし異世界人がめんどくさい人だったらどうしようかな。
しかも異世界人は皆が羨む才能を持ってくると言っていたので、もしかしたら俺でも対抗できない才能の人がくるかもしれない。
その場合を想定して才能のことは出来るだけ教えない方がいいだろう。才能は鑑定されない限り気付くのは難しいからな。
あ!でも俺の才能を言わないと異世界の言葉を話せることの説明ができない。
まぁ、なるようにしかならないか。その時その場で考えよう。
そう考えるているとドアの向こうで執事の声がした。どうやら言い争っている。
「お入りください」
『だから!なんて言ってるかわからないって』
「?」
ドアの奥から会話になっていない話し声が聞こえてくる。俺の才能である超読解は強制的に自分の知っている言語に翻訳される。なので、意識しなくても聞き取ることができる。
このままでは会話が進まないと思ったので俺が日本語で話しかける。
『入ってくれ』
ドアが乱暴に開く。たくさんのお金をかけられて作られたキシリカの執務室なので、このくらいでは壊れない。
『あれ?日本語?あんたは俺と同じ異世界人か?』
『違うよ、才能という能力があってそれで話せるという感じかな』
『よくわからんが、俺はこれからどうなるのか?』
『それを今から聞こうと思っていたんだよ』
男の頭の上にはたくさんの?が飛んでいる。
この男見た感じ大丈夫そうだが、内心不安なのだろう。よくみると顔色も悪くあまり眠れていなそうだ。
まぁ、突然異世界に連れてこられてきた者の気持ちは分かるので不安なのも理解できる。しかも、俺と違って言葉を理解できないから。
俺がこの世界に来たのは生まれてすぐだったので、時間をかけて少しずつ教えて貰えたから不思議を困ったことはない。
「本当に異世界人と話せるのね」
「そうだね、俺もびっくり」
ここで俺の横で静かに座っていたキシリカが話しかけてきた。まさか俺の才能を信じていなかったとはな。
そもそもこの人は日本語を話しているので才能が使えなくても話せるけど。
キシリカは安心したのかまたクッキーを食べ始める。
『それで名前とかどこから来たのとか教えてくれるかな?』
『その前にここはどこなのか教えてくれ!』
そうか、話せないからそう言うこともわからないのか。これは失念していた。異世界と言って取り乱さないよな。
『そうだね、ここは君がいた世界と違う世界。すなわち異世界ってとこだね』
『そ、そんなこと本当に実現するのか!そうなのか...』
誰でもそう言う反応なるよな、でも人生終わったような顔しないでほしい。
『俺はもう家族に会うことはできないのか...』
『何言っているんだ?この世界には魔法というものがある、それを使えば異世界転移など簡単だよ』
『え?なら戻ることができるのか?』
『ああ、だから元気を出してくれ。それにどこに転移させたらいいのかわからないからあなたのこと教えてくれるかな』
『わかった!』
男の表情がころころ変わる。ようやく安心したのだろう。
やっと話すことができるようだ。
『まず何て呼べばいいかな?』
『松山凛太郎だ、松山でも凛太郎でもどっちでもいい』
久しぶり聞いた日本風の名前に懐かしそを感じるな。この国にはドイツ風の名前の人しかいない。
そう思いながらもキシリカ様たちがいるから顔には出さない。
『では松山さんはいつ、そして何て世界から来たのか?』
『俺は3日前に日本って所から来た、理解できないかもしれないが地球ていう惑星があって、日本はそれの国の1つだ』
『何となくだが理解した』
どうやら俺と同郷らしい。日本語を話している時点でわかっていたけど。
これなら確実に問題ないだろう。日本に行った実績もあるしね。
『本当に大丈夫だろか?』
『ああ、問題ない。これからすぐ帰るか?それともあと4日余裕からこれを機に観光でもしていくか?』
『え?4日だと』
『ああ、7日以降だと戻れ無くなるから』
これは嘘だ。8日経っても戻ることができる。
実は魔力がないものが異世界転移をすると濃い魔力によって7日以前の記憶がなくなる。これは古代文明時代の本に書いてあった。
別にこの世界の事を覚えて返ってもいいのだができるだけ異世界にいた時の記憶はない方がいいだろう。どんなことが起きるのかわからないからな。
『そうなのか...わがままだと思うが1日だけ案内してくれないか?俺は今まで働き詰めだったから旅行なんて何十年ぶりだろうか』
『わかった、俺が案内しよう』
記憶がなくなることは黙った方がいいだろう。
記憶がなくなるから転移を拒否されると面倒なことになるだろうから。
『何から何まですまないな』
明日は王都案内か、これで給料が出るから最高だな。
Twitter始めました。よかったらフォローしてください!
@doragon_narou8で検索したら出ると思います。名前はドラゴン之介です。