第四十三話 帰宅
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今日遂に帰らなければいけない日になった。
その性なのか珍しく茉莉奈よりも早く起きてしまう。いつも起きたらキシリカと違い茉莉奈はいないので温かい。背中しか見えないけど。
俺は抱き枕がないと眠れないタイプなので、誰かに抱きついて寝たいのだが、以外にも2人はくっついて寝るのが嫌らしい。
しかし、むちゃくちゃお願いすると茉莉奈は背中からなら抱きついていい許可が出る。キシリカは何がなんでも嫌らしいけど。
鍛えているキシリカと違い茉莉奈は体がふわふわしているので、抱き心地はものすごくいい。本人に言うと怒るので言わないのだが、全く太っていないのにこんなにふわふわなのは不思議で仕方がない。
女体の神秘だろう。
それから少しもぞもぞしていると茉莉奈が起きてしまった。
「起こしちゃった?」
「何しているんですか?もしかして眠れないのですか?」
「...そんな感じ」
茉莉奈は俺のことを疑わずに心配してくれる。まさか、匂いを嗅いでいたとは言えずに茉莉奈の言うことを肯定してしまった。
ちょっと罪悪感がある。
「しょうがないですね。今日は旅行最終日なので特別に抱きしめてあげますよ」
そう言って茉莉奈は俺の頭を抱きしめてくれる。
ここ数日毎日していたので触りまくっていたが、何度触っても飽きることはない。それになんだか大きくなっている気もするし。
ここでふと思った。本当に大きくなっていると。
「ねぇ、胸大きくなってないか?やっぱ20歳超えても大きくなるものなのかな?」
「やっぱ不思議ですよね。私も最近下着のサイズが合わなくなってきたと思っていたんですよ」
「そんなに変わったの?すごいね!」
やはり茉莉奈も自覚はあったようだ。それもなかなかの変化だ。
「毎日旦那様に可愛がってもらっているからかもしれませんね。明日からはキシリカ様と交代交代なので頻度は少なくなりますが、今は独占しますね」
「ああ、もっと抱きしめていいよ」
それからまた一眠りする。次に起きた時は茉莉奈がいなかったので二度寝はしなかったのかもしれない。
キシリカをいつものように起こしてから今日もベランダに行く。3日もここを使っているので少し愛着が出てきたが今日でお別れだ。
だからと孤児院にドーム型のテントを立てようとは思わないけど。
ここだからこのテントは魅力的なのだろうからな。
「2人は帰る準備済んでいるのか?済んでいないなら手伝うけど」
「私は終わりましたよ。あとは旦那様の魔法に入れるだけです」
「わかった。俺がしておくよ」
「お願いしますね。それと帰るときは馬車で真っ直ぐ帰るんですか?」
「いや、さすがにもう時間がないから転移魔法で帰るよ。どこか寄りたいところがあるのか?」
「いえ、私も早く帰りたくなったのでどのくらいかかるのかなって思って。魔法で帰るなら問題ないです」
「そうなんだ。俺もなんだかんだ言って子供たちに会いたくなってきたんだよ。家って結構大事だね」
「そうですね」
異世界人を返す仕事を始めるまで俺は冒険者のような生活をしていたので、家に帰らず宿に泊まっていた。
なので、自分の帰る家があることのありがたさに今頃気づいた。
「キシリカはどうなんだ?」
朝食を食べているキシリカに話しかける。朝なのにものすごく食べるが、いつものことなので特に何も言わない。
「私はそもそも荷物をあまり持ってきてないからね。あとでここのお土産コーナにいきましょうよ」
「いいけどもう全員分のお土産は買ったぞ。自分の分を買うのか?」
「それもあるけど、お土産をたくさん貰って困る人はいないわ。シルトクレーテ家にいっぱい買っておいた方がいいわ」
確かに俺の家族はお土産を貰ったらものすごく喜んでくれるだろう。特に父上はプレゼント類が大好きだ。
絶対に喜んでくれると思うが、キシリカが1番にシルトクレーテのためにお土産を買ったことが陛下にバレると、なんだかめんどくさいことになりそうなので少し心配だ。
陛下のためのお土産は全部俺が選んだと言うことも関係している。
「まぁ、いいか。ぱぱっと選んじゃおう」
「わかったわ」
キシリカのお土産選びに付き合っているといつの間にか昼になっていた。帰宅時間は昼と決めていたので、いい時間だ。
そのまま受付に行って、チェックインをしたあと馬車を空間魔法に入れて荷物は全て片付けた。
「よし!2人とも帰ろうか。転移魔法使うから近づいてくれ」
「あれ、これってこんなに近づかなきゃいけなかったっけ?」
キシリカの言う通り半径1m以内なら触れなくても転移することができる。今はただ俺がしたいだけで2人に抱きついているだけだ。
「まぁ、別に誰も見ていないからいいじゃないか」
「もう、しょうがないわね」
「本当ですよ。ここ最近ボディタッチが多いですね。これも今日までですよ」
「了解で〜す」
俺はまるで反省してないように答える。本当に反省はしていないんだけど。
「まったく」
「じゃあ、行くぞ!」
「ええ」
「お願いしますね」
2人の返事を聞いてからようやく転移魔法をかける。するとあっという間に景色が変わり見慣れた建物が見える。
それは王都の孤児院こと我が家だ。
そして帰宅時間は事前に伝えていたのでそこには使用人と師匠が待っていた。
「ただいま師匠」
「お帰りなさい。楽しかった?」
「ええ、色々ありましたが最終的には楽しかったの一言ですね。夕飯の時間に話しますよ」
「そうなのね。楽しみにしているわ」
「学校の方は変わりはなかったですか?」
「それほどないわ。それにあなたの分身はずっといたから別に久しぶりの気もしないし」
パムからの連絡は毎日来ていたので何が起きたのかは大体わかっている。それにしても俺の分身がいたのを忘れていた。
早く情報の整理をしないといけない。
「まぁ、何事もなくてよかったよ。明日から頑張るとするか」
「何言っているの。明日は日曜日だから休みよ。早く荷物戻してきなさい。夕食の準備をするわよ」
連休を取ると今日が何曜日か狂ってしまう。それについてはこの世界でも同じか。
それにしても夕飯の準備ってまだ昼だぞ。
師匠の方が狂っているじゃないか。
でも無事に仲良く3人で帰って来れたのでよかった。
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