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異世界転移は簡単でした!  作者: 魔竜之介
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第三十七話 わがまま姫2

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 ヒゼン街から2時間馬車を走らせ次の街に入る。しかし、この街なんか...


「物騒な街ですね」


「本当だよ...キシリカは本当にこの街にきたかったのか?」


 俺は周りに少し警戒する。女性が多い旅行客は狙われやすいと聞いた。茉莉奈も俺の服の裾を掴んでいる。


「そうよ。ここは冒険者の街、名前すらないのよ。街の中心にダンジョンがあるらしいから今から行くわよ」


 マジか、久しぶりにキシリカのとんでもないわがままが出た。このままではやばいことになる。


「さすがにダンジョンに行くなら事前に教えて欲しかった。それに俺とキシリカなら簡単だが、今は茉莉奈もいる。この街に茉莉奈1人を置いて行きたくないし、ダンジョンには行かせたくない」


 俺は少し怒りながら答える。


「それでも行きたいと言うのか?」


「ごめんなさい。でも夢だったから...」


「はぁ...次にしような。わかったか?」


 ダンジョンはこの国に3つほどあるのだが、王都の近くにも初級のダンジョンがあるのでそっちの方がいいだろう。

 今回はさすがにキシリカには我慢してもらおう。その代わり何か他の事をしてあげようかな。


「待ってください。ダンジョンってあの魔物がひしめくところですよね?私も行ってみたいです!」


 ここで茉莉奈の爆弾発言だ。


「何言っているんだ?茉莉奈はわかってないと思うが本当に危険なんだぞ。俺も昔に死にかけたんだからな」


 13歳くらいの頃に魔導士だけで初級ダンジョンに潜ったことがあり、最後のダンジョンマスターの奥義をもろに喰らって死にかけた。ちなみにその時に助けてくれたのは今の王宮筆頭魔導士であるロメオだ。


「だけどそんなに深く潜らなかったら大丈夫だと思いますよ。それに旦那様は私を守ってくれると信じているので」


「そうだな...10階層のボスは何か聞いているか?それ次第だな」


 ダンジョンは大体100層まである。そして、10階層ごとにボスがいてそのボスを倒すことが冒険者の目標だ。


「ミノタウロスって聞いているわ」


「なら10階層まで行こうか」


「いいの?」


「ミノタウロスならパワータイプで行動が遅いから茉莉奈でも普通に避けられる。その前に茉莉奈に近づいたら俺が瞬殺するけど」


 基本的にキシリカに戦ってもらうが、一回でも攻撃が当たりそうになったら俺が援護しよう。


「なら行くわよ!」


「今から行くのか?まさかダンジョンで野営する気じゃないよな」


「するに決まっているわよ!早くしないと魔物が取られてしまうわ」


 今日のキシリカは暴走列車だ。俺に決闘で負ける前に戻っている。本当に昔からダンジョンに行きたかったのだろう。

 でも一日中観光しているので、馬車で寝ていたキシリカと違って俺と茉莉奈はクタクタだ。


「さすがにそれはダメだ。宿も予約しているし、ダンジョンが初めてなのに泊まるのは流石に危なすぎる」


「そうですね。私も野営は遠慮したいです」


「そうなのね...なら今日は早く寝て、朝一で行くわよ」


 はぁー、流石にここで折れておくか...


「わかった。まずは宿に行くぞ」


「はい」


 それから宿に行くが、こんな街なので今まで行った宿よりも何段か質が下がる。夕飯も期待できないだろう。


「この部屋お風呂ないわよ。ベッドも硬いし」


「そりゃあそうだよ、ここは観光する街ではないからね。それにしてもこれで銀貨5枚は高いね」


 昨日泊まった旅館と同じ値段だ。


「夕飯どうしますか?外に食べに行かないといけないらしいですよ。今から行きますか?」


「いや、やめておこう。こう言う街は腹に溜まればいいって感じの店が多いからクソまずいぞ。今日は茉莉奈が作り置きしておいた物を温めて食べよう」


「わかりました。準備しますね」


「お願い」


 それにしてもさっきからキシリカが静かだ。流石に怒りすぎたかな?でもここで甘やかすと昔のキシリカに戻りそうなので今日は厳しくいった。


 それから茉莉奈が鍋を準備してくれた。食材は切ってあったのだろう。それに少し落ち込んだキシリカのためにクレープも焼いていた。


「ほらキシリカも食べよう。茉莉奈がキシリカの好きなクレープも焼いてくれたぞ」


「うん...ごめんね。私がもっとしっかり調べていたら2人はもっといい宿に泊まれただろうし、ダンジョンは危ない所だってお父様に何度も言われていたのに」


 突然キシリカが謝り始めた。興奮が落ち着いたらしい。


「反省したのか?次からは気を付けてくれたらいいからな。キシリカとダンジョンに行くこと自体は俺も嬉しいんだ。だけど今日は茉莉奈もいたからちょっと怒りすぎたよ」


「私も明日楽しみですよ。あまり落ち込みすぎないでくださいね」


「うん、次からは我儘は言わないわ」


 相当反省しているようだ。我儘を言わない宣言までしていた。


「別に俺たちに我儘は言っていいんだよ。でも今回は命がかかるかもしれないから」


「そうなのね。今度から我儘はちゃんと伝えるわ」


 なんか違うが言いたいことはわかるので俺はキシリカの頭を撫でた。


「じゃあ、夜は俺の我儘を聞いて貰おうかな、イテッ」


『今は真面目な話をしているんでしょ!』っと目で訴えてくる茉莉奈に足を踏まれた。少し怒っているようだ。


「明日は早いので、今日は普通に寝ましょうね」


「えっ、1回はできるんじゃない」


「ダメです。体に負担が残るかもしれないので」


「そんなぁ...」


 あの性欲が強い茉莉奈からこんなに提案をされるなんて、これが倦怠期か。


 俺は今でもたまにドキドキしているのに...

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@doragon_narou8で検索したら出ると思います。名前は魔竜之介です。

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