第二十二話 ピクニック
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今日は週に2日ある休みの日だ。
久しぶりにしっかりとした休みなのでキシリカと茉莉奈に内緒でちょっとした計画を立てていた。
みんなで朝食を食べているときに提案してみる。
「今日みんな用事ある?」
「ないわよ」
「私もです」
まぁ、知っていたけど。
「ならさ、ピクニックに行こうよ!郊外にいいところがあるんだよね。ちょっと魔物が出るけど俺が何とかするからさ」
「あらいいじゃない!私ピクニックなんて行ったことないわ!」
「私も孤児院の周辺しか行ったことないので楽しみです。お弁当作らないといけないですね」
「いや、今回は俺に任せてくれ。茉莉奈の弁当はまた今度の楽しみにしておくよ」
今日は魔法の鍛錬をサボって昼食の準備をしていた。
「そうですか、次は私に任せてくださいね」
「わかったよ」
「それにしても準備万端ね!」
「まぁね、結構楽しみにしていたんだ」
「そうなのね、じゃあ行来ましょう!」
「ああ」
「そうですね」
2人とも急な提案にも関わらず準備はできているようだ。もう一緒にいる時間は長いからな。
「ちょっと待って、私もいく!」
ここである人物が会話に入ってきた。
もちろんイベントに敏感な師匠のモモである。
「師匠、別に休みの日くらいここに来なくてもいいですよ」
「別にいいでしょう。休みの日は暇なのよ」
師匠はいつも孤児院ではなく学校の近くの一軒家に住んでいる。
一軒家と言っても一人暮らし用の家なので小さい家だ。
そして、師匠が自炊できるわけもなく食事の時間になったら飯をねだりに来るようになった。
「そんなことよりも聞いたわよ。ピクニックに行くなら私も行く」
「え〜、今日は家族水入らずで行こうと思っていたのに」
まだ家族にも夫婦にもなっていないが否定する者はいない。
「なら私も参加する資格はあるわね。だって私はあなたの姉みたいなものだもん」
「そうだけど...」
「いいじゃない。4人で行きましょう」
「そうですよ。モモさんにはお世話になっているので一緒にいきましょう」
「わかったよ...」
こうして4人でピクニックに行くのであった。
◆◇◆◇
「それでどうやって行くの?」
「馬で行こうと思う」
「馬いないわよ」
「召喚するから大丈夫」
「ええ!召喚ですか?」
ここで茉莉奈がものすごく驚いていた。
召喚魔法見せたことなかったっけ?
「ニトロバイコーンって言うでっかくて足が速い馬の魔物を飼っているからそれに乗ろう」
「えー!あなたニトロバイコーン持っていたの!」
「凄いだろう!」
ニトロバイコーンとは馬形の魔物の中でも1番強く。昔の英雄級の魔術師が乗っていた有名な馬である。
ダンジョンの奥深くに住んでいてお目に掛かるだけでも難しい。
「これなら3人まで乗れるぞ」
「3人ですか?1人余りますね」
「師匠が乗れないね」
「何でよ!」
3人で行く予定だったので用意していなかった。
「だって急に来ることになったから歩いて来てくれよ。それが嫌なら1人で遊べばいい」
俺は師匠にちょっと意地悪く答える。
家族水入らずを邪魔にしたことへの鬱憤ばらしだ。
「わかったわよ!」
流石に歩きでは日が暮れてしまうので、魔法で飛ぶようだ。
空を飛びながらも器用に話しかけてくるので鬱陶しかった。
「あの塔は何ですか?」
「あの塔は防護結界魔法の装置になっていて、ドラゴンとかが襲ってきた時に発動するんだよ」
「この門ものすごく大きいですね」
「王都の有名な観光地でもあるね」
「あのお店はものすごく人が並んでいますね?」
「最近できたアイスクリーム屋だね。もうちょっと暖かくなってから食べに行こう」
「そうですね」
茉莉奈にとっては初めての場所ばかりだったので何でも質問してくる。
珍しくテンションの高い茉莉奈はとても可愛かった。
それから王都から1時間ほど離れた場所にやって来た。
そこには1本の大きな木が立っており、その周りには芝生だけが生えている。
「ここだったのね!昔に来たことあるけど、その時は魔物がうじゃうじゃいたわよ」
「へ〜、知らなかった」
「それにしては人が結構いるわね」
王都の外は魔物などによって危険なので滅多に人に会うことはない。
しかし、ここには数組のグループがそこら辺にいる。それも多分家族やカップルだと思う。
ここへ来るための馬車があるのだろう。
「それは昔にここら辺の魔物が掃討されたからね、今では滅多に魔物は寄り付かないわ」
「師匠って意外に物知りだよね」
「意外にって失礼ね」
ここら辺の魔物が討伐されたのは結構昔のことだとうっすら聞いたことがある。
だがここで師匠の年齢を聞いてはいけない。
昔それで痛い目に俺はあったのだ。
「それでもうお昼の時間ですけど、どうしますか?」
「それはね、これを持って来たんだ!」
俺は満を持してバーベキューセットを出した。
「バーベキューをするのね。実家にいた頃は料理人が作った料理しか食べちゃいけなかったからこういうのはやったことないのよ」
「まぁ、王族ならそうだよね」
キシリカは王族だったのでそこら辺が厳しかったのだろう。
今のキシリカはほとんど俺の妻として扱われるので、キシリカが何をしようが俺の責任になる。
逆にいうと、王家はキシリカが何をしようともう何も言ってこないのでキシリカは好きなことができるようになった。
「シルトクレーテ家ではよくやっていたよね」
「父上はバーベキューが好きだからね。これも父上から借りて来たんだ」
父上は生まれも育ちも貴族だが何故かバーベキューが好きだった。
なんでも肉を焼いて振る舞うのが好きらしい。
「何を焼きますか?」
「やっぱ肉かな、エビとか貝もあるよ」
「へ〜、珍しいわね」
「前にタコを捕まえに海に行ったんだ。その時に捕まえたやつの残りだけどね」
「懐かしいわね」
「別にそんな前でも無いけど、ここ最近忙しくて昔のように感じるね」
恭介はあれから元気にしているだろうか?
日本に行こうと思えば行けるのだが、ピンポイントで人を探すことができないので会うことは難しいだろう。
「ここら辺のお肉はもう焼けましたよ」
「ほら、最初はあなたが食べなさいよ」
「いただこうかな」
それほど良い肉ではないが、ものすごく美味しい。
これも美少女達と一緒に食べているからだろうか。
やや一名美少女と言ってもいいかわからない人がいるが。
「エル、なんか変なこと考えてない?」
「別に、それにしてもこのエビは美味しいな」
師匠が俺に睨みを掛けてきたが誤魔化した。
それにしてもこの世界にも伊勢海老みたいなエビがいるんだな。
こうして俺たち4人はバーベキューを楽しんだ。
◆◇◆◇
「もうお腹いっぱい」
「久しぶりのバーベキュだったから食べ過ぎちゃった」
「私もです」
キシリカ、師匠、茉莉奈はバーベキューを楽しんでくれたようだ。
「これからすぐに帰るのですか?」
「いや、あと2時間くらいゆっくりできるかな」
「そうなのね、ではゆっくりしましょう」
キシリカもすぐには帰りたく無いようだ。
「俺は昼寝でもしようかな」
「なら私が膝枕してあげようか?」
ここでキシリカから意外な提案があった。
こういう時キシリカは迷わず俺を抱き枕にして寝転ぶことを選ぶ。
「いいのか?」
「まぁ、今日ぐらいは」
「じゃあ、遠慮なく膝枕してもらおうかな」
そう言って俺は膝に飛び込んだ。
「ちょっと!なんでうつぶせなのよ。ちょ、動かないわ!」
キシリカが俺を仰向けにしようとする。
だが、俺の魔法で身体強化された体を動かすことができない。
「フフフ、今日ぐらいは我儘を聞いてあげたらどうですか?別にキシリカ様も嫌では無いのでしょ?」
「そうだけど...」
こうして俺は世界で1番気持ちい枕で寝るのであった。
明日から仕事だし今日くらいはいいよね?
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