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異世界転移は簡単でした!  作者: 魔竜之介
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間話 山﨑徳美の異世界帰り

評価や感想・レビューよかったらお願いします。

 目覚めると見知らぬ家で寝ていた。


「ここは?」


「あ!目覚めました?ここは私の家ですよ」


「え?どなたですか?」


「私はめぐって言ってあなたが家の前に倒れていたからここに寝させていたの」


「倒れていた!」


「そうよ」


 どうやらこの人は私を助けてくれたようだ。


 何だか記憶が朧げだ。


「どのくらい寝ていました?」


「見つけてから1時間ぐらいね、それほど経ってないかな」


「そうですか、荷物とか落ちていませんでしたか?」


「あそこに置いているわよ」


 自分のかばんの中を確認すると中身はちゃんとあった。


 これなら家に帰れる。


「めぐさん、ありがとうございました。いつかお礼に来ます」


「気にしなくてもいいよ」


 どうやら本当に優しい人に助けて貰えたようだ。


◆◇◆◇


 家に帰ると誰もいなかった。

 それもそのはず夫が亡くなってから1人で住んでいる。


 誰もいない家に帰ると憂鬱になる。

 しかし、それよりも私には辛いことがあった。


 教師をやっていた頃に、私はある女の子を助けてあげられませんでした。

 なので、私にはもう幸せになる資格はない。


 私はもう教師に戻らず、反省して生きていかなければいけないのです。



 山﨑徳美は異世界転移の影響でエルシアンと約束したことを全て忘れてしまっていた。


◆◇◆◇


 倒れてから2週間が経った頃、その時来ていた洋服を着ようと思いクローゼットから取り出した。


 すると一枚の紙が落ちてきたのだ。


 紙はすごく粗い材質で、現代の日本では見かけない。


 その紙を開くと日本語で手紙のようなことが書かれていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 山﨑さんへ


 あなたの教師時代に起きた事件を聞いた者です。


 しかし、俺のことを覚えていないと思います。


 山﨑さんがこれから何をするのかあなた次第なので、俺は何も言うつもりはありません。


 だけどこれだけは最後にもう一度言います。


「同じ失敗を繰り返すな」


 あなたが一歩踏み出せるように神に祈っておきます。


                                エルシアンより


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 この手紙を読んでいると頭が痛くなってくる。


 何だか思い出せそうなのに記憶が無理矢理押さえ込まれている感じがする。


 エルシアンという名前も思い出せない。


 日本人ならありえない名前なので忘れることはないのに。


「同じ失敗を繰り返すなですか...」


 しかし、この一言はなぜか思い出すことができる。

 何だか最近聞いた言葉に感じる。


「今のままではダメなのかしら...」


 このエルシアンという人が私に伝えたいことは理解できる。


 よく考えてみたら私がやっていることは逃げている事と同じだ。

 これから同じ事件がどこかで起きると思うと背筋がゾッとする。


「あなたならどうしますか?」


 不安になり夫の遺影に私は話しかけてしまった。


◆◇◆◇


 私は今学校で相談室をやっています。


 もう教師という立場ではありませんが、心の先生として働いています。


 あの謎の手紙を読んでから5年が経ちました。

 今ではたくさんの学校で私の体験談を話し、精神面で子供たちを助けることができるように教えて回っています。


 そういえば、あの時助けてくれためぐさんは教師だったようです。

 あの子には私のように後悔して欲しくないので他の人よりも厳しく教えてしまいました。


 あまり特別扱いは良くないのですけどね。


 私が学校に戻ってからあの時のような事件が起きたとは聞きません。

 しかし、ここで慢心してしまっては二の舞になってしまうので、そこに1番気をつけている。


 そして、私の背中を押してくれた謎の人物のエルシアンさんに感謝を。


 私がこの人に何を話したのかはわからないが、こんな仕事をしているからわかるが、こんなに的確なアドバイスは簡単にはできないと知っている。


 なので、エルシアンさんは教師に向いていると私は思います。



 ちなみに山﨑徳美がエルシアンの言葉を思い出せたのは、少しだけ異世界に滞在していた期間が7日間を過ぎていたからだった。

 だが、これに気づけた人は誰1人いない。


Twitter始めました。よかったらフォローしてください!

@doragon_narou8で検索したら出ると思います。名前はドラゴン之介です。

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