第一二話 たこ焼き
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今月も異世界人がやってきた。
どうやら1ヶ月に1人のペースでこの世界ににやってくるらしい。意外にも来る頻度が高いので忙しい。
今回は17歳の男が来た。名前は田中恭介と言うらしい。日本人にしては身長が高く高圧的な見た目だが、話していると人懐っこく楽しい。
それから、いつものように元の世界に帰ることができると説明した後、何かしたいことがあるか聞いてみる。
ここでしたい事がないならすぐに返すが、大体の人は旅費がこっち持ちだと言うと迷いなく願望を言ってくるので面倒だ。
でも仕事なので全て説明しないといけない。
『なんかここでしたいことはないか?』
『異世界無双ってやつですよね!』
『間違ってないけど、そこまでしないでね』
『わかりました。僕異世界漫画で商人系の話が好きなんです。なので出店みたいなのがやりたい!』
商売か、商人ギルドに申請すれば出店ぐらい簡単に出せるだろう。
平民の子供がよく親の手伝いで出店をして、少しでも家計のために働いているのを見た事がある。
毎回出店に出ている子供が違うので商人ギルドから借りているのだろう。
そう考えると今回は簡単かもしれない。だがただ売るだけでなく、儲からないと満足してくれないだろう。少なくとも俺はそうだ。
なので大切なのは何を売るかだ。
『何か作れるのか?』
『僕の大好きなたこ焼きです。毎週日曜日に作っているんで得意なんです。僕がいたところでは出店だと定番だけど、ここだと珍しいから売れると思う』
どうやら自信があるらしい。俺も久しぶりにたこ焼きが食べたいから賛成だ。
俺にとっては売り上げなんて関係ないからな。
『そうなんだね、じゃあ今日と明日準備して3日間販売しよう』
『はい』
「キシリカ、今回は出店でたこ焼きを売るぞ」
「お店をやるのね!私もやってみたかったの。けどたこ焼きって何?」
いつものようにキシリカは賛成してくれる。
しかし、異世界の食べ物なのでたこ焼きを知らないようだ。そもそも王都が海から遠いからタコが珍しい。
「たこ焼きとは私がいた世界の料理でタコという生き物を小さく切り、それを水で解いた小麦粉を専用の鉄板で焼いたものです。ソースや青のりをかけて食べます」
「ふ〜ん、異世界の食べ物なのね、茉莉奈が作ってくれる異世界の料理は全部美味しいから楽しみ」
俺も知っているのだが、異世界の食べ物なので俺が知っていると逆におかしいことになるから説明できない。
さらに俺もキシリカもここ最近茉莉奈が作った飯しか食べていない。なぜなら美味しいのもあるが和食を孤児院で作れるのは茉莉奈しかいないので、和食ブームの俺たちにとっては仕方がない事なのだ。
茉莉奈の存在の有り難さがここ最近目に見えてきたな。
「専用の鉄板がいるのか」
「そうですね、あれがないとたこ焼きはできません。どうするのですか?」
「魔法でどうにかなるだろう」
孤児院のキッチンにあった鉄でできた鍋に錬金術をかける。
錬金術とは魔法の一種で俺は物の形を変えることができる。シンプルだが意外に魔力操作が必要で、習得するのに時間がかかる魔法だ。
俺は恭介と茉莉奈の説明を聞きながらたこ焼き用の鉄板を作っていく。
『すごい、本当に魔法があるんだね』
『これはこう見えて難しい魔法なんだよ』
『そうなんだ』
同時に50個ぐらいたこ焼きが焼ける鉄板を作った。十数年たこ焼き機を見ていない割には上手にできたと思う。
『他に作るものはあるか?』
『僕はソースとマヨネーズを作るので、タコを買ってきてください』
『ソースとマヨネーズっていうのは作ることはできるのか?』
『当たり前です。この2つはたこ焼きにとって命なので作り方は覚えました』
俺はソースとマヨネーズが1番心配していたがどうやら作れるらしい。チャランポランに見えてできるやつなのかもしれない。
『そうなんだ。茉莉奈は恭平の手伝いをしてくれ、俺は海に行ってくるよ』
『わかりました。しかし、別に海に行かなくても買えば良いのでは?』
『王都にはどこには売っていないだろう。自分で捕まえた方が早い』
『そうなのですね。わかりました。いってらっしゃいませ』
俺は別れを告げ、転移魔法で昔に行ったことのある海に出かけた。
◆◇◆◇
「やっぱ海は大きいわね!」
「なんでいるんだよ」
当たり前のように隣にキシリカがいて話しかけてくる。
俺の転移魔法に入ってきたのだろう。半径1m以内にいれば誰でも転移魔法に入れるからな。でも危ないのでこれからは気をつけないと。
「あんまり遠くに行くなよ」
「わかった!」
キシリカが俺の近くから離れたのを確認してから。海に手を付け魔力を流し一気に海を持ち上げる。
その中にいる生物を篩にかけるように砂浜に落としていく。
大量の魚に紛れて何十匹ものタコが出てくる。こそ世界のタコは大きいのが多い。ここら辺でタコを捕まえる人がいないので時間をかけて大きくなったのだろう。
「あなたはこういうこともできるのね。漁師が泣いちゃうんじゃないの」
「今日だけだから多分大丈夫だよ」
「魚はどうするの?」
「何匹か夕飯用に獲って他はリリースしよう」
「わかったわ」
それから1時間ぐらい砂浜でキシリカとイチャイチャしてから帰った。夢だった美女との砂浜追いかけっこができたが、足が早くてなかなか追いつけない。
もうしたくないと思ったので、次は水着を着せて海に入ろう。
他意はないが次は茉莉奈も連れてこようと思う。
◆◇◆◇
『すごい、4時間ぐらいでこんなにも獲れのか!』
『魔法があるからね』
本当は2時間ぐらいだけど
2人は真面目に研究していたので、口が裂けても遊んでいたとは言えない。
隣に座っているキシリカは遊び疲れたのか寝ていた。出店を頑張ると意気込んでいたが、今日は遊んで、寝ただけなのでキシリカはなんの役にも立っていない。
『それでソースとかは完成したのか?』
『はい、手伝ってくれた茉莉奈さんが日本人だったから思っていたよりも早くできたよ』
『じゃあ、明日他の材料を切るだけかな?』
『そうだね、でも大量に準備しないといけないから大変だと思う』
こうして初めての出店準備ができた。
前世で小学校の頃祭で出店をした時以来だから楽しみだ。何でこんなにワクワクするんだろう。
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