表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/105

秘密兵器

「だめかもしれない……」

 珍しく獏羽生ばくにゅう玲子れいこが弱音を吐いた。

「あんな巨大なものに……。しかもわたくしたちを育ててくれた恩あるひとに……勝てはしないわ」


「テラ・爆乳波で吹き飛ばしてやればいいじゃないか!」

 堀スタインが拳を握りしめて玲子を鼓舞する。

「恩あるプロデューサーだろうと、目の前にいるあいつは敵だ! やってやれ!」


「でも……田良子坂さんはあたしにいつも……よしよししてくれたよ?」

 出階堂でかいどう真心こころがうつむく。

「優しいPだったよ、田良子坂さんは……。あたし好きだった」


「憎しみや義憤がウチらの力を増幅させるものなら……」

 青野ヶ原虚無子が天井を仰いだ。

「恩あるプロデューサーが相手だと、玲子はんの力をろくにブーストでけへんわ……」


 巨乳戦士たちが絶望にうなだれる。


 その横から、明るく勇ましい声をかける女子がいた。


「諦めたらそこで戦闘終了だよっ」


 巨乳戦士たちが目を見瞠き、彼女のほうを振り返った。恥ずかしげもなく、有名な漫画作品の有名な台詞を少し変えてパクったその少女を。


 元貧乳戦士随一のボケキャラ平野ぺたが言ったものだと誰もが思った。しかしそこに立っていたのは元貧乳レッド、燃える正義の女の子、ヒンニューレッドこと千々梨優美(ちちなしゆみ)その人であった。


 平野ぺたが言ったのなら誰もが期待せず、無視するところであった。

 しかし新生美乳戦隊の双頭のリーダーのうち一人、ヒンニューレッドこと千々梨優美(ちちなしゆみ)の言うことだったので、みんなが反応した。


「優美さんっ!」

「な……、何か秘策でもあるのか?」

「勝算があるの?」

「ま……、まさかそれって……」


「そう」

 優美は得意げな笑顔で、うなずいた。

「うちら貧乳戦隊にはアレがあるの!」


「そうだったわね、優美ちゃん」

 姉のマリアが微笑んだ。

「あったわね、巨乳戦士と違って合体技のないわたしたちにも、合体技に匹敵するアレが」


「今まで一度も使ったことなかったけど……」

 元貧乳ピンク鬱布瑛華うっぷいえかが興奮に飛び跳ねた。

「訓練はしたから大丈夫だよねっ! やろう!」


「遂に……あれを……」

 元貧乳ブルーこと微風そよかぜユレンが自信なさげにうつむき、

「や……やりましょう!」

 すぐに顔をあげると、彼女にしてはおおきな声を振り絞った。


 元貧乳イエローこと平野ぺたは己が信用されないボケキャラとして見られていたことを初めて知り、床に膝をついていた。



「優美さん……っ!」

「アレとは……まさか……!」

「まさか……! まさか……っ!?」



「どうした、貴様ら」

 窓の外から巨大なビルゲ将軍が声を響かせる。

「かかって来ないのなら、こっちから行くぞ?」



「まさか……! スーパー戦隊で『アレ』といえば……!?」

 興奮で声を大にして聞く堀スタインに──


「そう」

 優美はうなずき、答えた。

「……巨大ロボ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あるのか、巨大ロボーっ!? マジンガーZに出て来た女性型ロボみたいなヤツを想像したが、貧乳だとおっぱいミサイルが撃てないな…………。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ