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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第十章 巨乳ブルー 青野ヶ原 虚無子の恋
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ギゼンの新首領

 悪の秘密組織『ギゼン』の本部──


 首領ケガレ・プレジデントこと社階灰汁しゃかいあくタケルは失脚していた。先の武闘会において貧乳レッドに一瞬で破れ、その権威を失ったためだ。


 蝋燭の炎が、新たに玉座に座った者の顔を照らし出している。


「よろしくね」

 白衣姿の牛野千房うしのちぶさが、新首領のハゲ頭を撫でた。

「新首領、超清廉潔白社長クマラーさん」


「わしが新首領になってもいいの?」

 クマラーはキョドっている。

「わし、キミが作った改造人間だよね? 羊が創造主より上になっても……いいの? 実力的には、キミこそ首領に相応しいと思うんだが……」


「私はやることが沢山あるの。首領になんかなっていられないのよ。面倒臭いことはすべて首領にやらせて暗躍するのが影の実力者というものよ」


「わし……、お飾り?」

「そうよ。でも、威張ってていいの」


「なんか申し訳ない」

「ねこって、そういうものでしょう? 飼われていながら、飼い主よりも自分のほうが上に立っている」


「わし……、ねこじゃないし」

「あら。ねこみたいにかわいいわよ?」


「そいつはどうも」

 クマラーが照れて自分のハゲ頭を掻く。

「でも……。ほんとうにいいのか? わしが首領になったら、ギゼンが清く正しい組織になってしまうぞ?」


「いいのよ。そんなの信じてないから」


「じゃ……、じゃあ、やるよ。新首領」


「ギーッ!」

「ギーーーッ!」


 戦闘員たちが忠誠を誓うポーズで左手を揃えて上げた。クマラーは居心地が悪そうにまた頭を掻いた。


「ところで……」

 牛野千房うしのちぶさがモニターの中を見つめ、口の端を吊り上げた。

「おもしろいことになっているようですよ?」


 モニターの中には少女の姿が映し出されている。


ふふふ。お友達に嫉妬する姿は醜いわねぇ……、貧乳ブルーさん。あなたを私が彩ってあげる。黒く、黒く……。


 牛野の背後で、女の泣く声がした。


「羨ましいよう……。憎いよう……」


「ウフフ……。妬む心をもてあましているのね」

 牛野は振り返ると、命令を下した。

「行きなさい。ちょうどあなたに取り憑かれたがっている女の子がいるわ」


「親友でも殺す! あたしは、あたしが一番大事だもの!」


「いい子ね」

 クスッと笑うと、牛野は赤い唇を舐めた。

「貧乳ブルーが巨乳ブルーを殺す……。さあて、スーパーおっぱい戦隊さんたち、どうなっちゃうのかしら?」


 クスクスクスクスクスクスクスクス……。


「わし……、いらんくね?」

 クマラーが独り言を漏らした。



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― 新着の感想 ―
わし……、いらんくね? > だ、大丈夫だよ! 世の中には癒し枠というものがあるんだ! キミは多分そっち系だ。
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