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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第十章 巨乳ブルー 青野ヶ原 虚無子の恋
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平野ぺた、詩人になる

「やったー!」


 ヒンニュー・イエローこと平野ぺたが休憩室で騒いでいる。

 何かの雑誌を両手で振り上げて、いきなり一人ではしゃぎ出した。

 ヒンニューグリーンこと千々梨(ちちなし)マリアは仕方なく聞いてみた。


「どうしたの、ぺったん?」


 いつも『ぺったん』と呼ばれると怒り出す平野ぺただが、今日はそう呼ばれても上機嫌のままだった。


「マリアさん! あたし、詩人になっちゃいました!」


「え。もしかして、四経新聞の『朝の詩』に掲載されたとか?」


「それどころじゃないですよっ!」

 ぺたが手に持った雑誌のページを開いて、マリアにどーん!と見せつけた。

「あたし、初潮社の現代詩ノート賞で、大賞に選ばれちゃったんです!」


「……凄いの、それ?」


「凄いですよっ! 小説で言ったら芥川賞みたいなものですっ!」


 正確にはそこまでは行かず、『新潮新人賞』みたいなもので、じゅうぶん凄いとは言えたが、大袈裟だった。マリアは真に受けた。


「凄いじゃない、ぺたちゃん! これからは貧乳戦隊兼貧乳詩人ね!」


「エヘヘ」


「で、どんな詩を書いたの?」


「恥ずかしいけど……見ます?」


 平野ぺたが雑誌の開いていたページを見せると、『乳なきかなしみに』という詩が掲載されていた。作者名は『平野G杯(ひらのじーかっぷ)』とある。


 マリアは名前には敢えて突っ込まず、冒頭二行を読んだ。



  この小さな胸に詰まってる


  大きな母性をわかってよ



 マリアは思わず、ぶわっと泣いてしまった。

 マリアに詩のことはわからない。しかし素直なぺったんの悲しみがダイレクトに伝わってきて、泣いてしまったのだ。



 少し離れたところに座り、ヨンガリアのクリームソーダの缶に入れたストローを唇で玩びながら、微風そよかぜユレンはつまらなそうにそれを見ていた。


 今頃、虚無子はあの男の子と、遊園地にでも行っているのだろうか。


 そう考えると、胸の奥に母性とはまったく違う何かが、蠢くのを感じる。

 この小さな胸の奥にある、これは何だろう?


 ここにいてそんなことを考えていると、なんだか自分がどんどん黒く、黒くなっていきそうだった。


「……わたし! ちょっと外に行って春風でも浴びてくる!」


 そう言って部屋を出ていったが、イエローとグリーンには聞こえていなかった。


 平野ぺたは得意顔で詩人らしいことばを並べていた。

「アンフィニ フィナンシェ シニフィエ シニフィアン」


「わーさすがに難しいことばっかり言う! 宇宙人語聞いてるみたい!」

 千々梨マリアは詩人平野G杯のファン第一号になっていた。



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― 新着の感想 ―
ペンネームがG杯なのに、「小さな胸~」って言っちゃってる!? いかに言い繕っても、もうペタが心身ともに身についちゃってるじゃん!
[良い点] 「四経新聞」でクスっと来て、「初潮社」で噴きますた♪wwwwww 「ヨンガリア」とか、ベタはネタってイイでつぬ♪www ぺたちゃんとアリアちゃんの遣り取りもよきですた〜♪ あと、ユ…
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