決勝戦 巨乳レッド vs 貧乳レッド(決着)
どーん! と、重たいワ○ピースのル○ィが鳴らすような音がグラウンドに響き渡ったー!
ただのアッパーの音じゃないですね、これ。
チッパイ選手の強烈なアッパー! 巨乳レッド選手、咄嗟にガードしましたが……!
足が地面から浮いてしまいましたね。
その見事なプロポーションが宙を舞うーっ!
まるで優雅なアゲハ蝶が舞うようです。
しかし! その羽根はもがれ! 苦痛に顔を歪めて大地へと落ちて行く!
胸もたゆんたゆんと揺れてますね。
巨乳レッド選手、地面に倒れ伏した! そして同時に手をついてしまいましたーっ!
地面に手をついたら負けのルールです。
この瞬間! 優勝者が決定しましたーっ!
はい。
貧乳レッド選手! 堂々の優勝だー!
おめでとう! 巨乳さんもいいファイトでしたよ?
「玲子さん」
倒れた巨乳レッド選手に、貧乳レッド選手が手を差し伸べます。
「いい勝負だった。ありがとう」
「……負けましたわ」
巨乳レッド選手、その手を取ります。
麗しい光景ですね。
「貧乳の素晴らしさ、身をもって知らしめてくれましたわね、優美さん」
「巨乳イエローさんが言ってました。戦うのに大きな乳房は邪魔なだけだって。競走馬でいえば特別重たいハンデをつけて戦ってるようなものだって」
「フッ……。そうかもしれないわね」
「でも、玲子さんは凄い。そのハンデともいえる重たいものを、かえって武器として使ってしまうんだから」
「フフ……。持ってしまったものはプラスに使おうと思っただけよ」
「次に戦ったらどっちが勝つか、わからない」
「ええ……。わたくしも連敗はするつもりはありませんわ。でも……」
「フフ……」
「クスッ」
「あははは」
「ウフフフ」
巨乳レッド選手、貧乳レッド選手の手を借りて立ち上がりました。
がっちりと繋いだ手が眩しいですね。
「ところで優美さん……」
巨乳レッド選手がうつむき、何かを問いかけるようです。
「篠宮マサシ様は……あなたのことが……好きなのね?」
「そうみたいですね」
貧乳レッド選手、これに答えます。
「ほぼストーカーみたいなもんです」
「え?」
巨乳レッド選手、驚いたような顔を上げました!
「二人は付き合っては……ないの? 貴女は、彼のことは……」
「大っっ嫌いですよ。クソムシ以下の存在だと思ってます」
「ハハハハ!」
おーっと! 私どもの後ろで篠宮マサシさん、これを聞いて気丈にも笑ったーっ!
「優美ちゃんは素直じゃないからなあ〜」
「じゃ……じゃあ……!」
巨乳レッド選手、その美しい顔を赤らめました!
「わっ……わたくしが……、貰っちゃってもいい?」
「貴様に玲子お嬢様はもったいなすぎる」
おーっと! キハ仮面さんが電車の上に飛び乗ったーっ!
「今すぐ、死ね。殺しておいてやる」
「ハハハハハ! モテる男は辛いなあーっ!」
篠宮マサシ選手、走って逃げ出しました!
「待てーーっ!」
キハ仮面選手、これを轢き殺そうと追って行ったーーっ!
「あげてもいいですけど、玲子さんには本当、あれはもったいないですよ?」
「いいの! 優美さんが見ているあの人と、わたくしが見ているあの人は、きっと別人だから」
困惑するチッパイ選手の手を、キラキラと恋の光をまき散らしながら爆乳選手が両手で握りました。
ラブコメですね。
「玲子さん!」
「優美!」
控え室に退去させられていた両戦隊のメンバーたちが出てきました。二人に駆け寄ります。
貧乳戦隊は皆笑顔、巨乳戦隊は敗北したリーダーを慮るような表情ですね。
「やーい、やーい! 巨乳ども、見たか! そんな重たそうなものぶら下げてるお前らより、やっぱりあたしたちのほうが強かったろ?」
貧乳イエロー、猿のように歯を剝いて相手の戦士たちを威嚇します!
ちょっとみっともないですね。
「うるさい! 団結力ならオレらのほうが上なんだ! 確かにこんなもの……邪魔だけどな!」
巨乳イエローがこれに自分の胸を揉みながら答えます!
こちらもみっともないですね。
「みんな、喧嘩しないのっ!」
貧乳レッドがメンバーを叱ります。
「そうよ。優美さんの言う通り。……みんな、聞いて?」
おっと? 巨乳レッド選手がみんなに言いたいことがあるようですよ?
なんでしょうね。
「今回の武闘会でわたくし、確信したことがあるのです」
「確信したこと?」
「それは何どす?」
「わたくしたちは互いに高め合って行くための、ライバル同士。敵ではないはずよ」
「うー……?」
「うーっ……」
両戦隊のピンク同士がそれを聞いて、何やら反論ありそうな顔をしておりますが、巨乳レッド選手、話を続けます!
「本当の敵は……他にいる!」
巨乳レッド選手のこの言葉に、メンバー全員『何を当たり前のことを?』みたいな顔をしております。
まぁ、敵は悪の秘密組織で間違いないでしょう。
「違う……」
貧乳レッド選手がライバルの言葉を引き継ぎます。
「わたしたちを戦わせているもの……それは」
「上司?」
貧乳イエロー選手がはっと気づいたように声を上げました。
「そうだ! あたしたち、『打倒巨乳!』の言葉に踊らされていたんだ! ほんとうは、巨乳戦士のみんなも、仲間なのに!」
巨乳ブルー選手と貧乳ブルー選手が、嬉しそうに互いの顔を見つめ合い、笑顔を見せました。
戦い終わって友情が芽生えたようですね。
「大体、わたしこの武闘会で優勝したとは思ってない」
おっと? 貧乳レッド選手の口から意外な言葉が飛び出しましたよ?
「だって……、本当の優勝者は……どう考えてもあの二人だもん」
そう言ってチラリと横目で見たその視線の先には……あーーっ!?
インドの破壊神、ナーナミ・イート選手とげん・ラー選手が仲良くサンドイッチを食べてますね。




