貧乳グリーンの微笑み
インドの山奥へやってきた貧乳戦隊一行は無事、漉王老師と再会することができていた。
「ヒーッヒッヒ。また会えたな、熱原くん」
白いヒゲに覆われた老人、漉王老師は、スケベな表情を隠そうともせずに笑う。
「コレはまた見事にぺったんこビューティーを集めたものじゃ。腕が鳴るぞい。ヒョーッヒョッヒョ!」
漉王老師と初めて対面するブルー、グリーン、イエロー、ピンク。
グリーンを除く3人は同じことを思っていた。
『変態だ』
『変態だ』
『変態ジジイだ、コレ』
「お久しぶりです、漉王老師」
熱原が先頭で頭を下げる。
「今回、また、我々に力を授けていただきたく、参りました」
貧乳レッド千々梨優美は思った。
『前回来た時、特に何もしてもらってないけどなあ……』
その通りであった。前回は熱原とレッドの2人でここへ来て、パワーを授けてもらおうとしたのだが、頼んだことはすべて「無理」と言われ、結局自分達の力で新たなテレビ局も立ち上げたのだった。詳しいことは短編『貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ』をご覧いただきたい。
しかし、この老人が凄まじいパワーを持っていることは、確かであった。
漉王老師は片手を上げ、みんなに言った。
「おっぱい大きくしてもらいたい人〜?」
イエローが条件反射のように手を挙げた。
それを見てブルーが、ピンクも、グリーンもニコニコしながら手を挙げる。
レッドは思わず挙げそうになった手を、慌てて下ろした。そしてみんなを叱る。
「何、豊胸してもらおうとしてるのよ!? 貧乳は私達のアイデンティティーであり、誇りであり、武器でしょ!?」
「お前も前回、お願いしかけたくせに」
熱原はそうツッコむと、本題に入る。
「じつは……ウチのブルーがけしからんのです。巨乳も貧乳もなく、悪を倒す目的は同じなんだから仲良くすればいいとか言い出して……。」
貧乳ブルーこと微風ユレンがしょんぼりとうつむく。
「彼女の根性を叩き直してやっていただきたいのです」
一風部長が言葉を引き継いだ。
「我々は一枚岩にならなければ、あの巨乳戦隊の迫力には勝てません。どうか……」
「あら? わたくしはユレンちゃんの言うことに賛成でしてよ?」
ニコニコと微笑みながら、グリーンがいきなり言い出した。
「だってそうでしょ? 戦う必要なんてないですわ。みんな仲良くすればいいんですもの」
「君もか……! マリア!」
熱原が驚きの声を上げる。
「いい美乳じゃ」
漉王老師はそう言うと、すらりと背の高いグリーンの全身を舐め回すように眺め、聞いた。
「君の名は」
「貧乳グリーンこと千々梨マリアと申します。最年長の22歳。お胸も最大の、Cカップですのよ」
ブルーを除く他のメンバーが歯ぎしりをしながらグリーンのCカップを睨む。
漉王老師が聞く。
「千々梨……ということは……」
「ええ」
グリーンこと千々梨はにっこり微笑むと、うなずいた。
「貧乳レッドこと千々梨優美の、お姉ちゃんですのよ」
漉緒さま、あの、その、なんといいますか……
です!m(_ _)m