第六試合 出階堂小心 vs 鬱布瑛華
「フフフ……」
「アハハ……」
「ようやく来たね、この時が」
「当たっちゃったね、ボクたち」
おおーっと! 第六試合、まだ始まってないというのに、解説の私たちを差し置いて、既に闘技場中央にて出場選手二名が会話をしております!
出遅れましたね。
第六試合は赤コーナー、出階堂小心選手、そして青コーナー、鬱布瑛華選手の対戦となります!
二人ともちっちゃくて可愛いですね。
二人とも小学生でしょうか? ええと……。手元の資料によりますと、出階堂選手は高校一年生、鬱布選手は中学二年生とのことです。
見えませんね。
見えませんねえ……。資料が間違っているんでしょうか?
いえ、よく見てくださいよ新館さん。鬱布選手は確かにどう見ても小学生ですが、出階堂選手のあの胸は、どう見てもIカップはありますよ。
あ、あれ、おっぱいなんですか? 私、遮光器土偶のコスプレをしているのかと思いました。
おっぱいです。おっぱい評論家のこの私が言うんだから間違いありません。
「相変わらず土偶みたいな体型してるよね」
おーっと! 私の発言が聞こえたのでしょうか? 鬱布選手が出階堂選手を土偶のようだと挑発します!
「あんた、そんなちっちゃな体にそんな胸ばっかでっかくして、恥ずかしくないの?」
「あんたこそ何よ。そんなピンク色のセーラー服なんて着ちゃって、あざとい」
出階堂選手も挑発返しだ!
「ちび○さのつもり? そっくりなんだけど」
「あ……、ありがとう」
「ほ、褒めてないわよ!」
「え。だって、ち○うさって、可愛いじゃん」
「ちびう○の出来損ないみたいって言いたかったんだから!」
「出来損ないでも可愛いじゃん。少なくとも土偶よりは、よっぽど」
「ブスが○びうさの真似してあざといって言ってんのよ! 恥ずかしい!」
「え。でも、そっくりだって言ったじゃん」
「あうーっ!」
「あ、ごめん。土偶だって可愛いよね、よく見れば」
「な、何よ! あんたなんか小4ぐらいで成長止まってるくせに!」
あーっと!? 今の出階堂選手の発言に、鬱布選手の顔色が変わったーっ!?
ダメージを食らったようですね。
「と……、止まってなんか……ないもん!」
「やーい、幼児体型」
「土偶体型よりはよっぽどましだもん!」
「どぐ……! 次それ言ったら許さないからね!?」
「どぐう! どぐう! どぐう!」
「よーじ! よーじ! よーじ!」
おおっと! 両選手、相手に罵声を浴びせながら激しく涙を流しはじめました!
これ、試合前に二人とも再起不能になるんじゃないですかね。
「どぐう! あぐう……っ! ど……どぐうぅぅぅぅ〜〜!!!」
「よーじ! よーじ! よ、よよよよーーーじいぃぃ〜〜〜っ……!」
泣き崩れました! 両選手、同時にグラウンドの地面に手をついてしまいました! 地面に手をついたら敗北というルールです!
いや試合まだ始まってないんじゃないですか?
おーっと! レフェリーストップだ! レフェリーの歌池さん、試合を止めました! 両選手とも敗退だーっ!
こんなことあるんですかね。




