表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第八章 正義の炎を燃やせ! 赤く! 赤く!
50/105

怪人が珍しいとこに出現

 田良子坂たらこざかがマイクに向かって叫ぶ。

「巨乳戦隊キョニュレンジャー出動!」


 熱原もマイクに向かって叫んだ。

「貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ、出動だっ!」


「「場所は◯◯ゆうえんち内にある『おばけダンジョン』」」


「キャーッ」と、両戦隊のメンバー達をが嬉しそうな声を上げた。


「駅前じゃないのね」

「初めてじゃない?」

「しかも遊園地の中だなんて」

「倒したら帰りにみんなで遊んで帰ろう」




 民衆に不安を与えないため、戦隊ヒーローショーの出演者として入場すると、両戦隊は足並みを揃えて『おばけダンジョン』をめざす。


 ゾロゾロと列を組んで歩く戦隊ヒーローを発見して子供達が声を上げた。


「キョニュレンジャーだ!」

「キョニュレンジャーだ!」

「もうひとつの見慣れない戦隊はなに?」


「クッ……!」

 貧乳戦士達はこの日の悔しさを噛みしめた。




「あった」

「あれだわ」


 入口には怖いおばけの絵がびっしりと描かれてあった。

 おどろおどろしい装飾に両ピンクが抱き合ってビビる。


「新人さんの初仕事だね」 

 キョニューイエローがヒンニューブラック&ホワイトこと黒木メイコを見て、言う。

「頑張れよ、後輩!」

 ヒンニューイエローが先輩風を吹かせて言った。

「はいっ☆ 先輩!♡」

 ピンク色の声を出す黒木メイコをちらりとだけ、興味なさそうに見ると、キョニューレッドこと獏羽生ばくにゅう玲子が音頭を取る。

「さあ……」

「入りましょう!」

 ヒンニューレッドこと千々梨優美(ちちなしゆみ)が音頭を奪った。


 受付でお姉さんに言われた。

「な、なぜ戦隊ヒーローショーの方々が、おばけダンジョンに?」


「気にしないで」

「ダンジョンの平和を守りに来たのよ」

「それにしても怪人出たってのに入場禁止にしてないのかよ」

「危機管理がなってないわ」


 強引に入場禁止の札を立てると、両戦隊は仲良く11人全員で入って行った。





「ケンジ〜、怖いよう」


 一般客のカップルがイチャイチャしている。


「大丈夫だよ、マリ。僕が守るから」


「ああっ。雰囲気だけで怖いっ! 抱きついちゃお。えいっ!」

「フフ……。マリは怖がりだなあ。そして意外に巨乳だなあ」

「怖いよぉ〜、ケンジぃ〜」

「マシュマロみたいだよぉ、マリぃ〜」


 暗いダンジョンを歩く二人の前で、突然、女の声がした。


「きいいっ!」


 声というよりは歯ぎしりだった。


「だ、誰っ!? 守って、ケンジ!」

「うわあっ! おっ、おばけ!?」

 振り返ってひとりで逃げ出そうとしたケンジの背中をマリが掴む。

「まっ……! 待ってよぉ! ……ケンジ!」


「あたしの眼の前でイチャイチャしないでよ!」

 姿の見えない声の主は、激しく歯ぎしりを鳴らし続けながら、言った。

「あたしは怪人ジェラス・レディー! 羨ましいやつは皆、あたしより不幸にしてやる! Shit! Shit! 嫉妬ォ〜〜〜!!!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
変態さんが普通にいた! 何か、受け入れられてる?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ