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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第八章 正義の炎を燃やせ! 赤く! 赤く!
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貧乳戦隊の新メンバー

「突然だが新メンバーを紹介する」

 熱原プロデューサーが言った。

「ヒンニューブラック&ホワイトこと黒木メイコちゃんだ」


「黒木メイコでぇ〜す」


 やたらくびれのない、ぺったんこというよりは胸筋のある胸をした、黒いストッキングをかぶった美少女……なのかどうかよくわからないものが、ぺこりと愛想よく挨拶をした。


 マリアが意味ありげにくすっと笑う。


 優美が気になるものを見るようにメイコをしげしげと見る。


 熱原が紹介を続ける。

「彼女は見ての通り、なんだか男らしいキャラだ。バラエティーに富んでいるほうがいいとの判断で合格させた」


 てへっ☆ と、メイコが照れたポーズを作って笑う。


「メイコちゃん、自分で自己紹介を……」


「よろしくお願いしまぁす! あたし、強くなりたくて、この戦隊に入隊しましたぁ。先輩方のない胸をお借りしていいですかぁ?」


 イエローがそう言われてAカップの胸を傷ついたような表情で、隠した。





「メイコちゃん」

 優美が控室で話しかけた。

「メイコちゃんって……、もしかして、私が知ってるひと?」


「なんでですかぁ?」

 メイコがぶりぶりと気持ち悪い動きをしながら聞く。

千々梨(ちちなし)先輩のことはもちろん知ってますけどぉ……、でも初対面ですよぉ〜。あたし、ただのファンだったんだから」


「あのさ……。なんか男みたいな匂いするよね?」

「気のせいですぅ〜。ってゆうか、ひどいぃ〜」

「その喋り方気持ち悪いからやめて」

「ひどいですぅ〜」

「もしかして篠宮マサシじゃないよね?」

「なんのことですかぁ〜?」

「私を追いかけて、変装して女性戦隊に入隊してまで……ストーカー?」

「そうじゃないっ」

 黒木メイコは男の声を出した。


 優美がゴキブリを見たように、壁際まで一瞬で後退した。


 黒木メイコは黒いストッキングを顔から脱ぐと、篠宮マサシの顔を現した。


「僕は君の胸が好きなんだ」

 マサシは言った。

「僕が好きなのは世界でただひとつ。君の胸だけが好きなんだ」


 篠宮マサシは貧乳フェチであった。

 豪華客船でキョニューレッドこと獏羽生ばくにゅう玲子れいこを助けた時に、その見事な巨乳には目もくれず、玲子から誠実な男性だと思われたのも、巨乳には興味がないからであった。


「最低……っ。熱原さんに男なのバラして即刻クビにしてもらうっ!」


 がしっ!


 篠宮マサシが後ろから優美を羽交い締めにして引き止めた。


「ぎゃああああ!」

 優美が狂ったように叫ぶ。


「忘れたのか? おまえのCカップだった美乳をAカップの貧乳にしてやったのは僕だ」


「放せ変態!」


「僕はおまえの胸を自分が作った最高の作品だと思っている」


 優美は変身すると、必殺の正義エルボーを篠宮マサシのみぞおちに食らわせた。


「おぼうっ!?」


 倒れるマサシ。これが並みの怪人なら一撃で爆発しているほどの威力であった。しかし彼は倒れない。


 ヒンニューブラック&ホワイトこと篠宮マサシ。彼の能力は猿のような素早さと、何よりもその打たれ強さであった。


「優美ちゃあ〜ん。仲良くしてくださあ〜い」


 この男と優美は一年前までは恋人同士だった。誠実な人だと思っていたら変態だった。


 彼が好きなのは、優美の『胸だけ』だったのである。


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― 新着の感想 ―
変態というか、ただの痴漢になってる…………!? ……変態も痴漢も同類項かな?
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