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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第八章 正義の炎を燃やせ! 赤く! 赤く!
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篠宮マサシ登場

 ヒンニューレッドこと千々梨優美(ちちなしゆみ)は19歳Aカップ。

 いつでも正義に燃える目をした、スレンダービューティーである。


 彼女がテレビ局へ行くため、姉と並んで歩いていると、電信柱の陰から声を掛けてくる男がいた。


「おいっ、優美ちゃん」


 振り返り、男の顔を認めた優美の口が「あっ」と動く。


「なあ、優美ちゃん。こっち来いって」


 男は帽子とサングラスとマスクで顔を隠していたが、優美には一目でそれが誰だかわかり、わかった瞬間に「げっ」と口を動かして逃げはじめた。


「おいおい」

 男は猿のように電信柱から次の電信柱まで一瞬で飛び移ると、しつこく声を掛けてくる。

「話があるんだって。ヒンニューレッドちゃん」


「一生もう話しかけないでって言ったよね?」

 正義に燃える目でキッ!と睨みつけると、優美はそれだけ言い、先へ歩いて行く。



 追うのを諦めたかのように動きを止めた男に、姉のマリアが声をかけた。


「まあまあ、そんな変装をされて……。篠宮マサシさんですわよね?」


「お久しぶりです、マリアさん」

 マサシは帽子だけ取って挨拶した。


「残念ながらあなた、優美ちゃんに嫌われてしまっていますわ。いえ、毛嫌いされてしまっています」

「そのようです」

「そんなにひどいことをしたんですの?」

「したようです」

「じゃ、自業自得なのではなくって? ウフフ」

「でも、僕は本気だったんです。本気で優美ちゃんのことを……」

「とりあえず……どうして変装なさってるのかしら?」


 篠宮マサシがサングラスを取って、その涼しげなイケメンの目を見せた。


「僕は2年前、沈没した豪華客船の上で死んだことになってますからね」

「爆発に巻き込まれたんでしたわよね?」

「ええ。でも、僕の正体はスーパーヒーローだから、死ななかった」

「素敵」

「でも、あの爆発でふつうの人間が生きているのはおかしい。だから僕は正体がバレないように、こうして隠遁生活を送っているんです」

「でも、それじゃ、人助けが出来ないでしょう? スーパーヒーローなのに……」

「だから優美ちゃんにお願いをしに来たのです」

「どういうことかしら?」


 篠宮マサシはマスクも外すと、マリアの前に手をついて、言った。


「お願いです! 僕を貧乳戦隊のメンバーに入れてください!」


 マリアは困ったような表情で、唇に人差し指を当てた。


「あの……。あなた、男性ですわよね? 貧乳戦隊には女性しか……」


「幸い僕はこの通り細身の体格です! スーツを着れば、やたら腰がくびれてない以外は、女に見えるはずです!」


「でも、お声が……」


「ニャー!」

 マサシは甲高い声を作って出した。

「あたし、女の子ナノー!」


「お上手」

 マリアが微笑みながら拍手をする。

「でも、リーダーの優美ちゃんが許さないと入れないですわ」


「だから僕は優美ちゃんにお願いに来たんです」

 マサシは変装を戻すと、真面目な声で、言った。

「もう優美ちゃんに変態行為はしないと誓います! 恋人同士に戻れなくてもいい! ただ、彼女を近くで見ていられれば、それだけで!」


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― 新着の感想 ―
変態行為って、アンタ、一体何をしたっ!? というか、女装してヒンニュー戦隊入りしたいってだけでも十分変態だけど。
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