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巨乳戦隊キョニュレンジャー VS 貧乳戦隊おっぱいナインジャーZ  作者: しいな ここみ
第二章 ヒンニューブルー 微風ユレンの恋
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怪人ざんぎょう法師と人身悟空

 チョコパフェに刺さっていた金属製の長いスプーンがカランと音を立てた。


「緋色くん……?」

 ユレンは怖いものを見る表情で彼を見た。

「わたし……ナインジャーのメンバーなんだよ? 行かなきゃいけないの、わかって……」


「この手は離さないよ」

 緋色は彼女の手を掴む力をぎゅっと強めた。

「ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃないか」


「緋色くん……。戦隊モノ好きなんでしょ? だったら……」


「それ以上に君のことが好きなんだ」


「まだ……わたし達……出会って4日しか……」

 ユレンは緋色に不自然なものを感じて怖くなる。


「君は僕の運命のひとなんだっ!」


 思わず力を使ってしまった。

 ヒンニューブルーの『水の流れ』で彼の手をふりほどくと、ユレンは急いで駆け出した。


「ユレンちゃんっ!」


 緋色の声が引き止めようと懸命に後ろから聞こえていたが、ユレンは走り続けた。


 走りながら変身すると、乗り物を呼ぶ。


「ブルー……ドラゴン!」


 空の上から水龍がうねりながら降りてくる。

 その背に乗ると、ユレンは駅前へ急いだ。





「ああっ!」

「クッ……!」


 駅前では仲間達が苦戦していた。


 怪人ざんぎょう法師はタイムカードを胸に装着していた。

 そのタイムカードを押さない限り、戦いから退社することが出来ないのだ!


「あ……あれを押さないと……」

「永遠に就業させられてしまう……っ!」

「過労で死んでしまうわ! わたくし達!」


「ここはボクに任せろーっ!」

 ピンクが小さい体を丸め、ざんぎょう法師の胸元へ突っ込んで行く。

「ダンガン・ピンク! 弾丸のように飛んで、あのタイムカードを破壊するっ!」


「ウキキーーッ!」


 猿がざんぎょう法師の前に立ち塞がる!


「こらーーっ! どけーーっ!」


 ズギューン!


 ピンクは猿に命中すると、地面に転がった。


 ざんぎょう法師が編笠の中で笑う。

「その猿の名は人身悟空ひとみごくう。己の身を犠牲にすることを厭わぬ社畜よ。そして、それゆえに、打たれ強さが半端ない」


「ウキーッ!」

 猿が元気に立ち上がった。


 イエローが歯ぎしりをして悔しがる。

「クッ……! 全体攻撃が使えれば……!」


「全体攻撃は5人全員揃ってないと使えないわ」

 レッドが説明口調の台詞を言った。

「ブルーが来てくれないと……!」


「みんなー! お待たせー!」


 そこへヒンニューブルーこと微風ユレンが空から水龍に乗って降りてきた。

 しかし水龍は音もなく舞い降りて、ユレンの声も小さかったので、まだ誰も気づいていない!


「では、貴様ら、永遠に従事せいッ!」

 ざんぎょう法師が必殺の錫杖を振るい、永遠の残業奉仕を貧乳戦士達に強要した。


「クッ……! これまでか」

「ブルーさえいれば……!」


「お待たせー! ここにいるよー!」

 地上に降りると、ブルーはありったけの声でアピールしたが、やはり誰にも届いていなかった。


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声がか細い!? みんな、気づいてあげて! ほら、ドラゴンだよ!!
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