戦い終わって
πTVの巨乳戦隊プロデューサー田良子坂は、決着のついたモニター画面を見ながら、嬉しそうに呟いた。
「フッ……。松岡さん、やったな。怪人の嫌いな気持ちも大事、ということか……。学ばされたよ。この戦い、勝利を導いたのはあなただ、千津子さん」
その頃、HTVの貧乳戦隊プロデューサー熱原も、同じ画を見ながら、呟いていた。
「あのおばちゃんのお蔭で助かったな。しかし、あくまで補助。とどめを刺したのはウチのヒンニューレッドだ」
「やりましたわね」
決着のついた戦場で、キョニューレッドがヒンニューレッドと拳を合わせて笑う。
「今回は貴女方のお蔭で勝つことが出来ましたわ」
「ありがとう。キョニューゴールドが来てくれてなかったら勝てていなかった」
ヒンニューレッドも清々しく笑い返した。
「勝てたのはみんなの力です」
他の戦士達もフラフラと立ち上がる。ヒンニューブルーが両戦隊のレッドを見ながら、嬉しそうに小さく微笑んだ。
「アンタ達っ、頑張ったわねっ!」
松岡さんがみんなをニコニコ眺めて、太い声で労いの言葉をかける。
巨乳戦士達が口々に言った。
「松岡さんっ」
「ムチャだよ。何の戦闘力もないのに」
「でも来てくれてありがとう」
「いいのよ。アンタ達のピンチに居ても立っても居られなくなっただけだから」
松岡さんは巨乳戦士達にそう言うと、貧乳戦士達のほうへ顔を向けて、言った。
「アンタ達も頑張ったわね。カッコよかったわよ」
「いえいえそんなことは!」
「やっぱり巨乳なほうがカッコいいなあって思います」
「こうやって目の前にズラッと並ばれると、圧倒されてしまいますわ」
「……」
「これからセクハラジョージ以上に強力な敵が増えることだろうと思います」
ヒンニューレッドがみんなに言った。
「両戦隊ともレベルアップしなければ。……提案なのですが、これから合同で訓練するようにしませんか?」
「互いに互いを高め合うということね?」
キョニューレッドがにっこりと笑う。
「いいわ。ライバル同士、今後は切磋琢磨いたしましょう」
ガッチリと握手を交わす両戦隊のリーダー二人。
「いや……。ちょっと待ってくれ」
そこへキョニューイエローこと堀スタインが突っ込みを入れる。
「それ……、ウチの戦隊にどんなメリットがあるんだ? わからない」
「「「「はあっ!?」」」」
カチンときた貧乳戦士達が思わず声を上げた。
巨乳戦士達が口々に不満を口にしはじめる。
「そうよね。それって貧乳さん達にはメリットがあるけど、あたし達にはどんなメリットがあるの?」
「ちゃっかり自分達だけ得をしようったってダメよ」
巨乳戦隊プロデューサー田良子坂の声が空から降ってきた。
「そうだぞ、おまえら! 貧乳どもの口車に乗せられるな!」
貧乳プロデューサー熱原の声も同時に降ってきた。
「おまえらっ! 何巨乳どもと仲良くなろうとしてんだよ? そいつらは我々の敵だっ!」




