二つのスーパー戦隊
「お待たせ、堀ちゃん」
そう言いながら巨乳戦隊キョニュレンジャーの残り4人が駆けつけた。
「ごめんごめん、イエロー! ティラミスに手間取っちゃって」
「食べ物はちゃんと美味しく最後まで頂かないとバチが当たるっていうもんね」
「あれっ? そちらのスーパー戦隊さんは……?」
駅前には人だかりが出来ていた。
その中心で、今まさに貧乳戦隊おっぱいナインジャーZと超セクハラジョージとの戦いが始まろうとしているところであった!
「ちょっと待って! あなた達じゃムリムリ!」
キョニューレッドが手を振って制止させようとする。
「もーっ! その怪人はあたし達のエモノなんだからね! 邪魔しないで!」
キョニューピンクがぷんぷんとほっぺたを膨らませながら前へ出た。
「……」
キョニューブルーはまだ紹介が済んでいないので何も喋らなかった。
「あなた達、怪我するわよ? 下がってなさい」
キョニューグリーンが縁の赤いメガネをくいっと指で押し上げながら、叱るように言った。
コケにされて黙っている貧乳戦隊では、もちろんなかった。
「邪魔しないで! この戦いは私達のものよ!」
ヒンニューレッドが勇ましくポーズを決めながら、言う。
「あなた方こそ座って見物してらっしゃいな。ホホホ……」
ヒンニューグリーンが見下した微笑みを浮かべる。
「おまえらなんかに引けを取る我らではないっ!」
ヒンニューイエローがガンを飛ばしながら、ない胸を張る。
「……」
ヒンニューブルーが何か言ったが、誰にも聞こえなかった。
「それじゃ、いっくぞー! 喰らえ、怪人! ダンガン・ピンク!」
そう叫ぶなりヒンニューピンクが小さな身体を回転させ、パチンコ玉のように怪人めがけて飛んで行く。
がしっ!
「ククク……。どちらでもいいからかかって来い」
怪人超セクハラジョージはヒンニューピンクをバスケットボールのように受け止めていた。
貧乳戦士達がたじろぐ。
「ああっ……!」
「ピンクが捕まった!」
キョニューピンクが歯ぎしりして悔しがる。
「怪人に捕まるのはあたしの役なのに!」
「なんなら二組同時でもいいぜ? 相手してやる」
怪人セクハラジョージは挑発しながら、捕まえたヒンニューピンクに早速セクハラ行為を始めていた。しかし……!
「うわっ……。なんだコイツ。揉む胸がまったくねーじゃねーか! つまらん!」
そう言うとあっさりヒンニューピンクを、捨てるように、解放したのであった。
14歳のお年頃ヒンニューピンクこと鬱布瑛華は激しく傷ついた。
「やっぱり巨乳のほうとヤりてぇ。ぺったんこどもは相手してもつまんねーから、引っ込んでな」
怪人にそう言われ、残り4人の貧乳戦士達も傷ついた。
「しかしっ……!」
ヒンニューレッドこと千々梨優美が顔を上げる。
「これしきでへこたれる私達じゃないっ!」




