表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/105

絶望と希望と

 巨大ロボが完全に再起不能となったことを最終確認すると、優美は立ち上がった。


「みんな! ここでこうしてたって仕方がない! 外へ出て、闘うよっ!」


「闘う……って」

 ユレンが気弱な声を出す。

「あの巨乳レッドさんのテラ・爆乳波が効かなかった相手に……? 勝てるの? わたしたち……」


「無理だよう……」

 瑛華も弱々しく言った。

「ボクのダンガン・ピンクじゃ体に穴を開けるどころか、鼻の穴に穴を開けるのが関の山だよう……」


 平野ぺたは後ろをむいて黙ってしまっていた。


「優美ちゃん」

 マリアが聞く。

「何か……勝算が?」


「ないっ」

 優美はきっぱりと言った。

「ないけど闘わなきゃいけないんだっ! 私たちは正義の戦士! 社会悪がそこにある限り、勝てる見込みはなくても闘わなきゃいけない!」


「負けるとわかってる闘いに挑むのはバカじゃないかしら?」


「バカでいいんだよ、お姉ちゃん」

 優美は目の中に炎を灯した。

「それにあの巨人、私たちを試したがってるように見える。まるで我が子を千尋の崖から突き落とす獅子の親のように。それに応えてやろうよ」


「ゲーム……」

 平野ぺたが、ようやく口を開いたかと思うと、勢いよく振り返った。

「ゲームの攻略みたいなもんだよね、これ? 難しいゲームほどやり甲斐があるってもんだよね!?」


「残念ながらゲームじゃなくて命を賭けた闘いだけど……」

 優美はぺたのことばを否定しながら、うなずいた。

「でもゲーム気分ぐらいのほうがリラックスできる! そうだね、ぺったん! これは難しいゲームだと思って、闘おう! クリアーできないゲームなどない!」


「おー!」

 ぺたが拳を突き上げる。

「あたしらスーパー戦隊、貧乳戦隊おっぱいナインジャー! 今まで強い敵どもを蹴散らしてきた! 今回も勝とうぜ、みんな!」


 仕方がなさそうにユレンが立ち上がる。それを見てしょうがなさそうに瑛華も立ち上がった。


「確かに……。わたしたちはスーパー戦隊だもの。闘わなくてはいけないわ」

 マリアの目に希望の光が灯った。

「勝てる見込みが0.000001%でもあるなら!」


「それに……」

 優美が強く言った。

「私たちは5人じゃない」

 ビルの上を見つめ、目の中の炎を強くする。

「私たちは10人の美乳戦隊、ビニュレンジャーなんだから!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
老師の嫁たちがいたら普通に勝てそうだけどな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ