エピローグ、一話?
自分が恵まれていなかったとか、家が裕福じゃなかったとか、そういう言い訳をしたい訳じゃない。ただ、生きることに疲れてしまった、そういう気分だった。自殺するやつはバカと世間は言っているが。僕はそうだとは思わない、結局人生とは、どこかで、終わりが来る。その終わりを自分で
決める。これのどこが悪いことなのか僕にはわからない。
正当化をするわけではないが、非難されるべき行為でも
ないと思う。もし、このまま生きたら、楽になるのかもしれない。そういう考えもわかる。ただ、本当に疲れただけ
なんだ。
帰り道
私は、多分、幽霊なんだと思う。自分で確証が持てないのはおそらく、生前の記憶がないからだと思う。けれど、全てを覚えていない訳ではない。単語や一般常識的なものは何故か覚えている。不思議だ。これがボケなのだろうか、生前はボケるってどんな感じなんだろうと思っていったが、こんな感じなのか、言葉に表せない。だか、反対に自分が何故ここにいるか、何故こうなったのか。これは完全に思い出せない。最初は幽霊すごい!楽しい!と思ったが、1、2時間もしたら、飽きてしまった。物も動かせないし、誰に何しても反応しないし、てか触れないし。かれこれ、昼ぐらいからここにいるのだが。もう日も暮れた、誰も気づいてくれない、さっきから通りかかる全ての人に話しかけているが、誰も反応してくれない。陽気な私も流石にそろそろ泣く。まあ自分が陽気だったかは、覚えていないんだけどね。しまいには、こんな独り言までする始末、よし、次通りかかった人で最後にしよう、それで気づいてもらえなかったら、神社に行って、お坊さんにお祓いしてもらう。どうせ何もできないし。ここにいても。そんなことを考えていると、一人の男が来た、身長は結構ある、何センチだろ。180ぐらい?顔も割とイケメン、私好みってやつかな、黒いスーツに白いシャツそれに青いネクタイそして革靴ごく一般的なサラーリーマン的な格好。どうしてだろう、なぜかこの人にはすごい心を惹かれる。これが一目惚れというやつだろうか。けど、一つ気になることがある、この人負のオーラ半端ないんですけど!びっくりするよ!こんな人普通に歩いてたら、私より幽霊してる、幽霊より幽霊してる!思わず声に出てた。そした、その男がその負のオーラからは考えられないような顔をして、こっちを見た。豆鉄砲を撃たれた鳩見たいな?すごい目をまんまるにしてこっちを見てる。それで思わず聞いちゃった。「見えてるんですか?」なんで幽霊ってあんな当たり前な質問みんなするのかと思ってたけど。これは聞くはそう聞いちゃう、しょうがない。しばらく男は口を開けて、そのあと瞬きして。こう答えた「見えてるかもしれません」いやなんだそれと思って思わず「見えてるでいいだろそこは」と言ったら男は「信じられなくて、僕が疲れすぎて見てる幻視かと思って、、」まあ、確かに初め見たらそう思うかもしれない。幽霊なんて非科学だしね。それでもそんな驚く?私はこの状況なら幽霊だと思うよ?そう思ってたら男が聞いてきた「君は幽霊なんですか?」逆にそれ以外何に思うんだよ。だから私はこう聞いた「逆になんだと思う?」男はしばらく顎に手を当てて、しばらく考える素振りをしてこう答え「悪魔?」いやなんでだよ!!そんな悪くどい見た目してないでしょ!!!「なんで考えた挙句その結果なんだよ!、その仕草はなんだったんだよ!」そういうと男は一瞬悲しそうな顔をして、俯いて、泣き始めた。えーー泣く??成人してるであろう男性がこれでなく??やべーやつに声かけてしまったのかもしれない。私は少し怯えながら話す「ご、ごめんね?、ちょっと言い方が強かったかもしれない、、別に泣かす気はなかったんだ、、本当にごめんね??」背丈の高い男性を女性が慰める側から見たらおかしな図だ、まあ、側から私はみれないけど、しばらくすると男は泣き止んだ「すいません、、貴女の言い方が強かったのではなく、ただ個人的な涙です、すみません。」なんだよ個人的涙って、大衆的な涙もあるのかよ。という思いをグッと飲み込んで。私は彼が女性に何かされたのかと思い、彼に聞く「なんか、女性関係であったの?」男性は少し寂しそうな顔をしたあと「いえ、何もありませんよ。」いや見るからにウソー絶対あったでしょこれ。けど、私はできる女こういうのは知らないふりする「まあ、そういうならそうなんだろうね」男はそれを聞いて少し驚いて、笑った「貴女は優しいんですね」なんかこいつ少しずれてるよな、笑うとこあった?「なんでその発言で笑うん?」思わず聞いてしまった、男はそれを聞いて少し慌てて「ああ、すみません、貴女を馬鹿にした訳ではなく、個人的な笑いです。」だからなんだよ!個人的な笑いって。笑いは全部個人のものだろ!!我慢できず行ってしまった「なんだよ個人的って!大衆的な笑いがあるのかよ!」男はさらに笑う「ふふっ、それは確かにそうですね」なんだこいつきもちわりーな、笑いのツボがわからん。怪しい人物を見るように、私が訝しむような目で、男を見ると
男は「すみません、気分を害するつもりはなかったんです、お詫びにご飯でも奢りましょうか?」
こいつチャラ男だ、私を狙う気だ。じゃなきゃご飯なんて奢らないもんね、襲われるかも知れない貞操の危機!!…いやよーく考えたら私襲われねぇし、飯食えないじゃん、幽霊だし。こいつわかってんのか?「私幽霊だからご飯食べれないと思うんだけど」男はハッとして「確かにそれもそうですね。」こいつやっぱり変だ「それに私、他の人に見えないと思うから店に行ったら君が変な人だと思われるよ」男は確かにと言ったあと、何かを思いついたような顔をしてしゃべる「でも、仏壇に備えてあるものなら、死者でも食べれるんじゃないですか?」確かにその考えはなかったそれならワンチャン食べれるかもしれない。「確かに、それなら食べれるかもしれないけど、仏壇あるの?」男は「大丈夫、私の家にあります」と少し誇らしげに言った。なんでドヤ顔やねん。わたしは少し変なこの男に対してため息をついた。
あと「幽霊、家に連れ込もうとするって変わってるね?あんた」男は「そうですかね、あまり自分はそうは思いませんけど。」変な方向にポジディブだな、こいつ。まあでも他にできることもないし。「本当にいいならお邪魔するよ?」一応の確認「もちろん、ただその代わり」「そ、その代わり?」わたしは少し不安になった。「僕の話相手になってください」身構えたわたしが馬鹿だった
事実馬鹿だろう。わたしに触れられないのに何を身構えることがあるのだろうか。けど少し安堵して「なら、お邪魔させてもらうよ」不思議とそこまでの抵抗感がない。男の家に行くのなんてそうそうない事なのに。ん、そうそうない事なのか?
わからんな、記憶ないから。まあ、いいや「家はどこ?」わたしはそう聞く「この道をまっすぐ行ってすぐですよ」「そっかなら早く行こう」気まずい沈黙が続く、男は突然立ち止まって、口を開く「もう少し警戒したほうがいいのでは?」なにを馬鹿なことを申すのかね君は「いや、触れないから警戒する意味ないでしょ」男はああ、そういえばそうだと言う。
こいつやっぱり馬鹿で変だ。
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