表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏の夜のつれづれ

作者: のらら

夏は、夜がいい。


窓の外の空気に涼しさが感じられるくらいの時間、おけらだかこおろぎだかがジージーと絶え間なく外を満たして、いつのまにか耳も満たしていることにふと気がついて、十秒くらい聴きふけって、またワープロソフトに意識をむける。


何がいつもそんなに忙しいの、と旦那は言う。


気がつくと、昼間は誰かの話し相手になっている。

そうでないときも、つい自分の思いつきを語りかけにいってしまう。


孤独が必要なパソコン作業は、昼間の家ではできないのだ、と、やっと得心がいったのは、つい最近のこと。でも、だからと昼間を寝てやり過ごす訳にもいかず。つい寝不足にむけてまっしぐら。


ああ、だからカフェでノートパソコンを広げたいのか。コロナで遠慮している場合ではないのかも。今まで罹患しなかったし、食べ物に気をつけてるから免疫には自信があるし、マスクは飲み物をすする瞬間しか取らないし。作業が捗らないで寝不足になる方が何倍も不味い。


といいながらも、今週もほとんどノマドには成功しなくて。そもそも、何のためかさっぱり思考停止している無闇な自粛で17時閉店が増えてしまって、どこにも寄れないでとぼとぼ帰ることも多く。昼間に作業できれば、この灯りは要らないんだよな、エコじゃない私。と、思ってみても、実際、はかどらないまま、今日も夜。


そろそろ、仕事の神様が降りてこないかな。またの名を集中力。


どうして今までやらなかったんだろう、できなかったんだろうって、思ってしまうくらい、急にはかどる時間というものが、存在する。


だいたい、夜に。


未明とかいうころまで降りてこないこともあるけれど、結局朝まで降りてこないこともあるけれど。締め切りまでにはだいたい降りてくる、人が変わったように、サクサクすんなりはかどる時間。そのための溜めが必要なんですよ、と言われたこともある。ダラダラぐずぐず現実逃避しているだけのようだけど、頭の隅はそれはもう色々なことを考えて、繰り返しシミュレーションして、準備してて、その集大成に過ぎないのだとか。


画面に意識をむける。

今したいのは、この原稿。脱線しないように目的を心の中で反すう。


ぱち。カタカタ。タタタタ、、、リズムがノってきて、そのうち、なにも聞こえなくなる。外の虫の声も、冷蔵庫の低いモーター音も、遠くの高速を走る車の風も、かすかに甲高く配線を電気が流れる音も。視界は、文字だけ。


・・・・・・文字だけ。終了、保存。


これでいいかな、あとはまた起きてから読み返そう。

もう充分!


はー、まだ未明と呼ぶには早い時間。

よかった、、、、寝られる。

ちょっとしか寝られなくても。

仕上がってホッとした気持ちが、しっかりした睡眠を誘うから大丈夫。Let's call it a day.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ