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こころの正体を暴け!

 つむぎは紫のフードを被りとある建物に来ていた。建物には扉がなく入ることができない。


 しかしつむぎはここの入り方を知っている。



「ルグーエ・ピスエ」



 その合言葉で建物の一部が開き、入り口が現れた。


 中は地下へと繋がっており、つむぎは奥へ入っていく。


 その場所。秘密結社ブルローネの中には人が大勢いた。



 今日は臨時集会だ。

 今までは定期集会だけを行っておりこういった事例はなかった。そのせいか普段以上に人がいる。


 つむぎは周りを真似て席につく。


 その後しばらくして演説台のところに秘密結社ブルローネの団長である鹿羽ひそかが現れた。



『やぁ、ブルローネの団長鹿羽ひそかだよ。今日は臨時集会に集まってくれてありがとう』



 ひそかはマイクを持ち話しはじめる。この大きな部屋全体にスピーカーにより声が響き渡った。



『君たちを今日呼んだのはとある議題について討論をしたいと思ってね。それに合わせて今回はこの会議は生放送をしているよ。その議題がこちら』



 そう言ってひそかはスクリーンに画像を出す。



 議題名:七色こころの正体


 という文字が出された。



『この議題についてはこれまでブルローネで何度か持ち出したこともあるね。七色こころ君、Unreallyにとって欠かせない存在だ。ブルローネも合言葉を作るのにお世話になっている』



 そういって次のこころの写真と共に今までの記録についてまとめてある画像が出される。




 七色こころ。

 チャンネル登録者5000万人の世界一のアンリアルドリーマー。七色のメッシュが入った黒髪の少女。

 

 Unreallyの開発会社シンギュリアが開発した世界初のアンリアルドリーマーであり超高性能AI。

 Unreallyの宣伝担当として生まれた元祖Uドリーマーである彼女は数々の伝説を残している。


 恐ろしいほどの動画投稿数。

 彼女の動画は一日に何本も投稿されており、ゲーム実況、茶番、やってみた、歌ってみた様々な動画を投稿しなおかつ生配信も毎日している。


 ゲーム実況をすれば理論上最速のRTAをしたり数多くの誰も知らないバグを自分の手で見つけてデバッガーとして企業からオファーが来たりしたこともあるとか。


 Unitter、Dreamtubeについたコメントには全部反応しており大人気Uドリーマーであるにも関わらず一番身近な存在として思う人もいる。

 辛いときこころとの会話で乗り越えられたなどそういう人もいるくらいだ。



 それはUnreallyにいけばより深く感じることができる。

 Unreallyでは彼女が事実上の管理者的決定権を持っており急なプログラムの改竄などお手のものだ。



『それでブルローネははじめこういう議題を出したさ。七色こころは何者か? 当初はこんな高性能なAIがいるはずないと有能な人材を複数人集めて同時にこころ君を操作してる説が出たこともある。だが後にこんな高性能な人間がいるはずないという結論にいたったのさ。彼女はそれほどまでに人間のそれを凌駕している』


 彼女は常に高性能だった。

 すぐにファンの一人一人の名前を覚えることができそれを忘れず解答できる。


 つむぎがはじめてUnreallyにきたときもつむぎがファンなことを彼女は覚えていてくれた。


 そんな彼女の凄みと魅力に多くの人が虜になった。結果として話題性が広がりUnreallyの売り上げとアンリアルドリーマーの繁栄へと繋がった。



『彼女は実に興味深い観察対象相手でね、いろいろ彼女のことを知ろうとしたさ。その結果ブルローネでわかったことは彼女は怖いのが苦手ってことくらい』



 そして画像はこころが髪の長いお化けに追いかけられてるものへと切り替わった。こころは涙目になりながら逃げていた。恐らくひそかがドッキリを仕掛けたのだろう。


 確かにこころはホラーゲームをやるのは避けていたし怖いのが苦手なのかもしれない。


 逆に言うとそこ以外に弱点がなかった。



『それで直接本人に君は誰によってどういう意図で作られたのかを聞いたさ。そしたら彼女は「それはいつかの機会にちゃんと教えるね」と笑って誤魔化されたよ。彼女は手厳しいね』



 やれやれといったポーズを取りながら言うひそか。


 だが次に彼女は真剣な顔で言った。



『ここで本題だ。君たち、この放送を見ている人たちにも向けて聞きたい。こころ君の正体についてなにか知っていることや疑問はないかい?』


 ひそかは画面の向こうにもいる視聴者にも問いかけるように言った。


 すると一人のフードを被った団員が立ち上がる。



「たしかUnreallyのNPCとかのAIって声の元になった声優さんたちがいるはず。こころちゃんは誰だかわかってないの?」


『いい質問だね。声については声優や芸能人などの著名人、大御所から新人まで汲まなく検証したけど声の波長が完全に一致する人物はいなかったよ。あの声がいったい誰のものなのか確かに興味深いね』



 うんうん、と頷くひそか。


 UnreallyのNPCは自立した台詞をしゃべることができ全員声優が声の元となっていた。Unreallyの非公式wikiにいけばこのNPCは声優はこの人という表記がされている。


 こころも同じような仕組みでしゃべるAIのはずだ。それにしては性能が遥かに他とはくらべものにならないが。



 そうして討論はコメントでの参加もありながら続いていった。




 そんなひそかたちの配信を一人ノートパソコンで見ている人物がいた。

 その人物はため息を漏らす。



「そろそろ潮時かもしれませんわね……」


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