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冬のアンリアルライブフェス

「てことで冬のアンリアルライブフェスの告知でした」



 一つの動画が終了する。場所は喫茶雪月花。つむぎはこころの動画冬のアンリアルライブフェスの告知動画を見ていた。

 

 アンリアライブフェスは年に二回あり冬と夏に開催される。それぞれの集大成のお祭りだ。



「冬のアンリアルライブフェスかぁ。今回も出てみようかなぁ」



 つむぎは動画を見て悩んでいた。前回夏のUフェスは参加したが今回はどうしよう。



「ホットココアでありんす」


「ありがとうノーラちゃん」



 そんなつむぎの気持ちを和らげるかのようにエレオノーラが優しい笑みを浮かべ注文品のココアを差し出してくる。



「わたくしはいつも出してるメニューを出品する予定でありんすよ」


「そっかノーラちゃんははじめてのフェス参加なんだね」


「ええ、おかげさまで最近は雪月花の知名度も上がって繁盛してるでありんすがもっとたくさんの人に知られるために頑張るでありんす」



 エレオノーラは言う。確かに客足は最近、よりいっそう増えた気がする。これももふあにTVに出たおかげだろう。

 もふあにTVに出てからつむぎとエレオノーラのチャンネル登録者数の上昇は異常であった。



「あたしも出るわ。せっかくオリジナルソングがあるからライブ参加でね」


「そっか、咲夜ちゃんもライブでるって言ってたし頑張ってね」



 一緒にお茶をしていたねねこがテーブルに寝ているブランを撫でて言った。

 ねねこは咲夜に作ってもらったオリジナル曲がある。披露するにはとてもいいステージだろう。 



「つむぎちゃんはまた服を作るの?」


「うーん、どうしようかな。作りたい気持ちはあるけど他の事もしてみたいな」



 つむぎはすぐに首を縦に振らなかった。

 服作りは楽しい。もっといろいろしてみたい。

 だがせっかくだから別のことをやってみたい気持ちもあった。



「あっ、咲夜ちゃんから電話だ」



 すると咲夜からビテオ通話の通知が届いた。

 つむぎはすぐさま通話を許可する。



「つむぎ、今どこにいるの?」


「ねねこちゃんと一緒に雪月花にいるよ」


「そう、時間が空いたらうちに来て、話したいことがあるんだ」


「うん、わかった」



 そう言うと咲夜は通話を終了させた。なにか用事があるらしい。とりあえず喫茶店を出たら咲夜のところへ向かうことにしよう。



 ◇



 ねねこと別れた後つむぎは咲夜の家へといき玄関のチャイムを鳴らした。



「つむぎ、入っていいよ」


「お邪魔するね」



 ガチャとドアが開きつむぎは咲夜の家の中へと入る。


 リビングに招かれたつむぎはソファーへと座った。



「それで話ってなに咲夜ちゃん?」


「今度のUフェスなんだけどつむぎライブ出てみない?」


「えぇぇ!? ライブ!?」



 つむぎはいきなりの提案に度肝を抜いた。



「むりむり! いきなりなんでそんなことに!?」


「あ、いやなんて言うかつむぎと一緒にあの曲を歌いたいなって思って」


「あの曲って?」


「モノクロームだよつむぎに曲の名前と歌詞考えてもらったやつ」


「あー、はじめてさやちゃんが作った曲かぁ」



 つむぎは納得する。その曲はもともとさやの家に行ったときはじめてきいたピアノの曲だった。

 その時は歌詞も曲名もなくそれをつむぎに考えて欲しいと言われずっと考えていた曲だ。

 

 なかなか作詞に行き詰まっていたが、さやが雪が降りつむぎの家にお泊まりになった日その曲の名前と歌詞のイメージがだいたいパッと浮かんでモノクロームという曲名と歌詞ができた。



「そ、そんな急に言われても無理だよ、わたし咲夜ちゃんみたいに歌上手くないし……わたし足を引っ張るだけだって」



 つむぎは咲夜との自分の歌唱力を比べて自信がなかった。



「上手さなんて関係ない、私はつむぎと歌いたい。ただそれだけなんだ」


「そ、それならわざわざライブで披露しなくて動画でもいいんじゃ……」


「かもね、でもせっかくだからライブで披露したい。つむぎにも舞台に立つ楽しさを知ってほしい」


「…………」



 つむぎは考え込み黙り込んでしまう。

 つむぎは決して咲夜と歌が歌いたくないわけじゃない。しかし自信がなく尚且つUフェスという大きな舞台で歌を披露しなくてはいけないというプレッシャーがつむぎの脳内をよぎった。


 そこでつむぎは一つの答えを出す。



「ちょっと考えさせてほしいかな? 今のわたしじゃ簡単に答えは出せないよ……」


「わかった……。じゃあ考えておいて」



 咲夜は納得してくれる。

 これはただの一時しのぎでしかない。時間内に答えを出さなくてはいけなかった。


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