お揃い
手を繋ぎまず最初に向かったのは喫茶店だった。もうお昼を過ぎている。
なので昼食ではなく間食だ。
「なに食べようかなー」
喫茶店の中へと入り二人は対面で席を座りメニューを見ていた。この喫茶店はそまりと会ったとき一回来ていた場所だ。
「私はパンケーキとコーヒー……」
メニューを見ていたさやが言う。
「そっか、じゃあわたしも決まったし注文するね」
そう言ってつむぎは店員を呼んだ。
メニューを注文ししばらくして持ってこられたのは、さやの方は言った通りコーヒーとパンケーキ。つむぎの方にはショートケーキとミルクティーが置かれた。
「美味しいね」
それぞれ自分達が注文したデザートを食べる。
ショートケーキはつむぎの好物。だがリアルで食べるのは久しぶりだ。
Unreallyではよく食べている。理由はどんなに食べても大丈夫だから。ダイエットとしてはぴったりだ。
「うん……あったかくてふわふわ」
さやはナイフとフォークを使い小さく一口サイズに切って食べる。さやが食べ物を食べている姿はやはり小動物のようでかわいい。
「そっちも美味しそうだね」
「つむぎも食べる?」
「いいの?」
なんとなく言ったことから分けてもらえることに。するとさやはパンケーキをフォークで取りつむぎの方へ向けて意外な行動をとってきた。
「はい、あーん」
まさかのあーんをしてくれることになったのだ。
「あーんって言われるのはちょっと恥ずかしいなっ//」
「親友ならこれくらいするんじゃないの?」
きょとんとした顔で言うさや。
それに反し顔を赤く染めるつむぎ。
たしかにひなたたちとおかずを交換するのに食べあいっこすることはあった。
しかしあーんと言うことは滅多にせず、してもおふざけでひなたが言ってるだけだった。
だがさやは真面目にこれをやろうとしていて彼女の友人関係の疎さを実感する。
真面目にやるさやにどうしてかつむぎは照れてしまう。
「そ、そうだね……あーん」
つむぎは一口サイズのパンケーキを口に入れる。温かくふわふわなのは伝わる。だが羞恥が入ったせいで味はよくわからなかった。
そこでつむぎはお返しをしようと考えた。
ショートケーキをフォークで一口サイズにしてさやに向けた。
「わたしもしたんだし次はさやちゃんの番だよ。ほらあー……」
ん。と言い終わる前にぱくっとさやは差し出したショートケーキを食べてしまった。
「うん、美味しい」
さやはそう言って顔をつむぎに見られないようにそらす。
「どうしてそっぽむくの?」
「それは……暑い……から?」
「ならコートとマフラーを脱げばいいんじゃないかなっ!?」
思わずつっこんでしまったつむぎ。
さやは厚着したままだった。
本当はさやも照れているのかもしれないがそれは気にしないであげることにする。
◇
食事が終わり喫茶店を後にしつむぎたちは寒い街中を手を繋ぎ歩く。
空は曇り空だ。雪が降ってもおかしくないと天気予報でいっていた。
もしそうなら今年はまだ雪が降ってないので初雪だ。
そんなことを思っているとひとつの場所に目が行った。
「あ、さやちゃんここ寄ってこ!」
つむぎはさやの手を引っ張るように一つの店に入った。
中に入りつむぎは見渡す。髪飾りや腕輪と行ったアクセサリからコップや砂時計などの小物をメインに売っている店だ。
「実はこのお店わたしのお気に入りなんだ。髪留めとかもここでよく買ってて」
「そう」
えへへ、と紹介するつむぎ。この店はつむぎの行きつけだった。
ここで売ってあるアクセや小物はとてもお気に入りで月一のように通うこともあり、数ヵ月に一回は自分へのご褒美になにかを買っていたりする。
さやは店内のアクセサリをなんとなく見ていた。
そこでつむぎは閃く。
「そうだ、なにかお揃いのもの買ってかない?」
「お揃いのもの?」
「うん、友情の印みたいなもの。さやちゃんが好きなの選んでよ」
せっかくだからそう言ったものが欲しいなとつむぎは思った。
ここの店のものは女子高生にも優しいお手頃価格なものが揃っているのでどれでも大丈夫なはずだ。
さやはそう言われると真剣にアクセサリーを見ることにした。そして店の中を一周し一つのものをつむぎに見せた。
「これ」
それは白と黒の紐で結ばれたミサンガだった。
星のチャームがあり片方は黒、もう片方は白い色をした星だ。
つむぎは白い星の方を貰う。
「ミサンガだね、身に付けると願い事が叶うって言うしいいかも」
「願い事……大事にする……」
「うん、わたしもそうするよ、いつか願い事が叶うといいね!」
ミサンガをそっと握ったさやに対してつむぎは笑顔で言った。
ミサンガを購入した後つむぎたちは店の外に出た。すると……
「ああ、今年はじめての初雪だよ! 綺麗」
つむぎは嬉しそうに空を見る。
雪の勢いはそこまで強くないがパラパラと降っていた。
「でも、寒い……」
さやはコートを抱くように震えていた。
やはりさやは寒がりなようだ。
「そうだね、わたしの家近いから家来る?」
「そうする……」
さやはすぐに即答した。
つむぎの家はここからそう遠くなかった。
なので二人はつむぎの家に行くことにした。




