サンキューエトワールフェス
ついにサンキューエトワールフェスが開催される当日となった。
つむぎたちはライブ会場前に来ている。
ここにはワープゲートが繋がっているはずだが大人数がここにいるせいでワープゲートが使えず、1キロほど離れた場所から歩いてきた。
ライブ会場はUフェスで使った場所だった。約3万人が入れる施設となっており大勢のファンが押し寄せていた。
その規模はUフェスと変わらずティンクルスターだけでも大人気だと言うことを知らしめされる。
ねねこと合流しライブ会場の中へと入ったつむぎたちは観客席に座った。
「ティンクルスターの単独ライブ生で見るのはじめてだから楽しみだよ~」
「それならきっと楽しめるわよ。エトフェスはUフェスとは違った臨場感と一体感が集まってるから」
ライブがはじまるまであと少し、ステージは暗くサイリムだけが光っていた。ねねこはブランを自分の家でお留守番させていた。
大きな音を出すライブにはアンリアルの生物とはいえびっくりすると思ったねねこの配慮だ。
つむぎたちはそれぞれ推しのカラーのサイリウムを持っている。
つむぎは青色のサイリウムを両手に一本ずつ。
ねねこはピンクのサイリウムを両手に二本ずつ手にしていた。
もちろんカペラ推しの緑色のサイリウムを持ったファンも大勢いる。
期待を胸にしたエトワールフェス。それはステージへのスポットライトの光によって幕が開けた。
ティンクルスターの三人が現れた。
三人は普段の衣装とは違いよりアイドルらしい特別な衣装を着ていた。
「キラッとハッピー! みんなー今日は来てくれてありがとー!」
リーダーのイルミナがはじまりの挨拶を言う。
そこから一気にイルミー! と呼ぶ歓声が上がる。
「ふわわっ、こんなにたくさんの人が見ていらっしゃるんですねぇ! お姉ちゃん頑張っちゃいますう」
「今宵の時間はボクたちのもの……みんな楽しんでいってね」
頑張るぞーといったポーズをカペラは取りミラはお決まりのいつもの手を差し伸べるポーズを取る。
それぞれ衣装こそ変われどデザインは三人共通のもので色はそれぞれのイメージカラーになっていた。
「今日はエトワールのみんなにありがとうを伝える大切なライブ! はりきっていくわ!」
そう言ってそれぞれがステージ位置に付きライブが始まった。
曲はキュートなアイドルソング。ティンクルスターらしい曲だ。
可愛らしい振り付けと歌声にこちらも胸が踊る。
ファンは全員サイリムを振りタイミングに合わせて掛け声を出す。
するとサビに差し掛かるに連れてクルスタの三人には翼の形をした骨組みのサイリウムが現れた。そして彼女達は宙を羽ばたく。
アンリアルだからこそでき、単独ライブだからこそできる仕込みだろう。
そこから彼女達はそれぞれファンの目の前までやっていき流れ星を落としていく。流れ星はキラキラと残像を生み出しハートや☆の形を作っていく。
ティンクルスター、輝きの星
彼女達は誰よりも輝いていた。
◇
「いやーすごかったねぇライブ」
「でしょう? エトフェスの時はいつも演出が派手で見てて飽きないのよ」
「うん、やっぱり生で見ると別物なんだねっ」
つむぎとねねこは握手会がはじまるまでライブの余韻に浸っていた。あれから何曲もライブを披露してそれぞれ違った演出が用意されており見てて満足した。
なによりUnreallyでみるのは接近してくれることによるファンサービスが受けられて最高だった。
「はーいそれでは握手会のはじまりよっ! みんなキラッとハッピーな時間を過ごしてね!」
握手会がはじまりつむぎたちはそれぞれの推しの列に並んだ。
列にはどれも一列150人以上いる。おおまかに平均的に人数がバラけたようだ。
ねねこは前の方、つむぎは中盤の方に並んでいた。
握手会に参加し終わった女の子たちはイルミナたちとお話をしたあと、とても嬉しそうな顔をしていた。握手からお話まで、できる時間は45秒だ。
ねねこが先にイルミナの方へ握手する出番に入った。
「あ、あのみ、みな、水無月ねねこですっ」
ねねこは顔を赤くして緊張していた。今のねねこはねねこというよりもそまりの時に近くなっていた。
「ねねこちゃんって言うのね! 今日はイルミーに会いに来てくれてありがとー」
イルミナはねねこの手を両手で持ち笑顔で迎える。
「はぅわぁ!? あの、いつもイルミーちゃんのことかわいくて憧れてますっ// だ、大好きですっ」
ねねこは普段以上に素直にものを言えていた。
好きを素直に伝えるねねこははじめてだ。
好きとは分かるけどちょっとひねくれた素直じゃない言い方を普段するのにイルミナに対しては完全にそまりに染まりきっていた。
「緊張してるの? せっかく会いに来てくれたんだからもっとハッピーな時間にしましょ。ほら、ラブリーキュートスマーイル!!」
イルミナはねねこに向けてウインクをした。
ズキューンとねねこのハートを撃ち抜く音がする。
「ラブリーキュートスマーイルうぅ~」
ねねこは目をハートにさせてイルミナにメロメロになっていた。これをねねこのファンが見たらどう思うだろうか。
そんな感じでねねこは握手会を堪能した。
しばらくて、つむぎがミラと握手する時間となった。
つむぎは心の中で緊張していた。
ティンクルスターは全員好きだがその中でもミラはつむぎの推しだ。ジト目でクールな物静かな感じがとても魅力的だった。
「こんにちは……」
「こ、こんにちはっつむぎっていいます」
つむぎはミラと顔を合わせ硬直する。
いざこういう場で面と話すとなると緊張して仕方がなかった。
相手はトップアンリアルドリーマーだ。
しかし、今日この日のために伝えたかった思いをつむぎは伝える。
「ミラちゃんのクールでミステリアスな雰囲気大好きです。ミラちゃんの貴重な時間を独占できて幸せっ」
ジト目でつむぎを見るミラ。ミラはつむぎの言葉を聞いたあと小さく微笑んで手を握ってきた。
そして顔を近づけつむぎの耳元で囁く。
「えっとつむぎ……今だけはボクの時間はキミのもの……だよ?」
「っ!?」
つむぎはいきなりのことに顔を赤くして意識を失いそうになった。その魅力とその魅せ方があまりにも上手く、囁いてくるのは卑怯だ。
「おしまい……また今度のライブも……来てね」
「は、はい! いきまふっ!」
顔を離したミラにつむぎは答えた。
推しに言われたら行くしかない。
つむぎは来てよかったと幸せな気分に浸っていた。
◇
一方その頃咲夜は
「ミィ!? ミーがなにをしたというのだ!?」
「なにもしてないよミーちゃんは悪くない。でも今日はこうしてないといても立ってもいられないんだ」
今ごろつむぎはクルスタライブでなにしてるのだろうと思いながら、ストレス発散に射撃の的としてミーシェルを相手に撃っていた。
ミーシェルは咲夜が銃をしまうまで銃弾をかわしながらずっと逃げ続けていた。




