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文化祭開始!

 そうして迎えた文化祭当日。

 学校はいつもの姿とは違いリアルなのに非現実的な雰囲気に漂っていた。


 さまざまな場所にかわいらしい飾り付けがなされている。


 それはつむぎたちのクラスも変わりはない。

 机を何個かくっつけて大きなテーブルクロスをかけ教室にあるものを次第に喫茶店のように形付けていた。まわりには風船などをつけ黒板にはかわいいイラストを付け二年A組にようこそと描いてある。



「えっとパンケーキひとつですねかしこまりました!」



 つむぎは制服にエプロンをつけ学校外の人相手に接客をしていた。注文品を確認しそれを調理担当の人間に伝える。



「さやちゃん、パンケーキ一つお願い」


「うん」



 調理担当のさやがホットプレートの前でつむぎの指示を聞いていた。



「つむ、接客上手くこなしてるね」



 同じく調理担当だったことねが言ってきた。



「えへへ、この日のために特訓してたからね」



 つむぎは照れるように言う。

 つむぎは噛まずに慌てずに落ち着いて上手く接客が出来ている。エレオノーラの店で練習してた成果は十分に発揮されているようだった。



「おーいつむぎたちそろそろ休憩時間だよ。他のところ行って楽しんできたら?」


 

 先ほどまで休憩時間だったひなたが声を掛けてきた。



「もうそんな時間? それじゃあ後はよろしくねひなたちゃん!」



 つむぎとさや、ことねはひなたと他の子達と交代の時間だった。後は他の子達にまかせつむぎたちは別のクラスの模擬店を楽しむことにした。



 ◇



 休憩時間となった三人は文化祭を三人で歩き楽しむことにする。休憩時間はことねたちがライブをやる時間までもらっておりつむぎもことねたちのライブを見る余裕があった。



「この三人の組み合わせってはじめてだよね」



 つむぎはそれぞれ模擬店で買ったクレープを片手に言う。



「そだね。さやとはつむ以外と話してる姿見てなかったし軽音部がきっかけでいろいろ距離が縮まって嬉しいよ」



 ことねは微笑みながら応える。

 


「さやちゃんはここ数週間軽音部での活動どうだった? 練習は楽しい?」


「まぁ私はそれなりに……他の人と音楽を一緒にやるのははじめてだから意外と楽しめてる」



 つむぎの質問にさやはクレープを頬張りながら応える。その仕草は小動物のようでかわいい。



「そういえばかな達C組はお化け屋敷をやってるみたいだよ。行ってみない?」


「お化け屋敷かぁ。いいね、行ってみよ!」


「うん……」



 つむぎたちはことねの提案に乗りC組にへと行くととなった。



 クレープを食べ終えお化け屋敷となったC組の中へと入ったつむぎたち。



「うぅ……ちょっと緊張してきた……あんまり怖くありませんように」



 教室に入ると中は薄暗く迷路のようになっていた。学校のお化け屋敷だからUnreallyの心霊スポットよりも怖くはないだろうが少し不安だ。


 するとぎゅっとつむぎの左手を握る感触がした。



「私がいるから大丈夫……」


「さやちゃん……」



 さやは無表情のままつむぎを見つめてきた。

 無表情だがその顔はつむぎを安心させてくれる優しい顔のように見えた。



「ほんと二人は仲が良いんだね」



 ことねは微笑ましそうにつむぎたちを見ていた。



 迷路のようになっているお化け屋敷は入り口から出口の扉に着けば終了である。

 教室内は不気味なBGMが鳴っており不穏な雰囲気を漂わせている。



 さやと手を繋ぎながら進んでいくつむぎ。その後ろを歩くことね。


 なにもなく半分くらいを行ったとき、最初のびっくりポイントがあった。



「うがぁー!」


「うわっ!」


 

 目の前にはいきなり白いシーツを被り、顔がついているお化けが驚かしてきた。

 急なことにびくっとなるつむぎ。



「あはは……びっくりしたねさやちゃ……さやちゃん!?」



 つむぎはさやの方を向くと驚く。

 さやはつむぎの左腕をぎゅっと抱き締めるようにしていた。思いがけない反応につむぎは戸惑う。



「リアルだと怖いの……無理そう……」


 

 さやにしては弱々しく呟いた。

 Unreallyだとお化け相手に銃を持って果敢に立ち向かっていくあの姿はどこに行ったのか。同一人物だとは思えなかった。



「あ、ことっちたちじゃん。よっすっすー」



 シーツのお化けはシーツを脱ぎ姿を現した。

 それは軽音部のメンバー、ベース担当のかなでだった。



「あぁかなだったんだね」


「うん、脅かし役を担当しててさー。でも意外だねぇさやっちが怖いの苦手だなんて」



 にやにやとかなでは笑う。



「別にそんなに怖がってない……」



 強がりを言うさや。しかしつむぎの腕を握ったままであまり説得力がなかった。



「ちょっとかなで今仕事してるんだから無駄話してんじゃないわよ!」


「わあぁ!?」



 すると血だらけの包丁を持ったナース姿の少女が現れそれと同時に悲鳴が聞こえた。



「あら?ことね達じゃない。っていうかさっきの悲鳴って……」



 ナース姿の殺人鬼っぽい少女は軽音部のドラム担当ひびきだった。

 ひびきはもちろんつむぎたちは悲鳴をあげた本人を見る。



「さやちゃ……」


「私はなにも言ってない……なにも言ってない」


「う、うん……なにも言ってないね」



 さやらしからぬその仕草や声はUnreallyや普段のさやを知ってるつむぎからするととてもギャップがあってハマりそうだった。録画できるならこの姿を映像として残しておきたいと心の中で思う。



 するとちょうどよくアナウンスが聞こえてきた。



『まもなく体育館でのステージイベントがはじまります。参加者は体育館に来てください』



「そろそろみたいね。私たちもすぐ交代してもらうから先に行っててよ」


 

 今回のメインでもあるライブがはじまろうとしていた。ことねたち軽音部は中盤からの出番のためまだ余裕がある。



「うん、じゃあここを出たらすぐ体育館に向かおうか」


 

 ことねが言いつむぎたちは先を進むことにする。


 その途中なんどかさやが悲鳴を言ったような気がするが多分気のせいだった。たぶん。


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