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ミーちゃんと二人三脚

 翌日つむぎはUnreallyでひなたと咲夜を運動場に呼んだ。



「なんなのだ。ミーを呼び出すとは……」



 ミーシェルとなったひなたは片目を閉じながら腕を組み言う。その態度はリアルのひなたとは別人のようだ。



「えっとね、二人には仲良くなってもらいたいからこっちの世界で二人三脚の練習をしてもらおうと思ったんだ。こっちの方がなにかとやりやすいでしょ二人とも?」


「ふむ、まぁ一理あるかもな……のだ」


「私も……構わないよ」



 二人は納得してくれる。ひなたには事前に言っていたため言い方こそあれだがスムーズにいってくれてよかった。


 さやは人付き合いが苦手だ。しかし咲夜としての彼女は一通り誰とでもコミュニケーションができる。

 二人の距離を縮めるならUnreallyで練習するのが一番だろう。



「じゃあ足を固定させるね」


 

 つむぎは二人の片足を機械で出来たもので固定させる。この日のために用意したものだ。

 その機械には歩数が計れる機能が用意されており、0000歩と表示されてある。

 右側がミーシェル、左側が咲夜だ。



「それじゃあ練習しようかミーちゃん」


「うむ、よろしく頼むぞ咲……ってミーちゃんってなんだミーちゃんとは!?」



 咲夜の発言にツッコミをいれるミーシェル。



「ミーちゃん……かわいいあだ名! わたしもミーちゃんって呼んでいい?」



 ミーちゃんという咲夜がつけたあだ名につむぎは胸をときめかせる。マスコットみたいな名前で可愛いとつむぎは思った。



「つむぎまで……まぁ仕方ない! 特別に許してやる……のだ」


「じゃあこれからよろしくミーちゃん」


「だから! 貴様には認めてないぞ咲夜!」



 茶番のようなやりとする二人。

 この二人は案外相性がいいのかもしれないUnreallyだけなら。



「だいたい貴様はいつもいつもつむぎと配信でいちゃいちゃしやがって! 本来その立ち位置はミーの場所だぞ!」


「だったらミーちゃんもUドリーマーになればいいよ。恥ずかしいからって逃げてばかりじゃなくてさ」


「逃げてなんかないぞ!?」



 相性がいい……のだろうか?



「ふん、もういいやめだ。今日は帰る……のだ」 



 ミーシェルは気に触ったのか固定された足を解除しようとする。



「これどうやって外す……のだ?」



 解除しようとした足はがっちりと固定されていて外れなかった。



「これはねしきちゃんに特注で作ってもらったやつで二人で息を合わせて100歩進まないと外せなくなってるよ」


「なんてもの作らした……のだ」



 呆れるように言うミーシェル。

 昨日しきに互いの距離が縮まる二人三脚の紐を作ってもらおうとしてこれができたのだ。しきはすぐ了承してくれて昨日のうちに完成した。



「どうやらちゃんとやらないといけないみたいだね」


「不本意だがそうだな……やってやる……のだ」



 二人は互いの肩と腰に手を当て二人三脚をし始めた。ぎこちなくたどたどしい足で二人は進む。



「じゃあわたしは動画を見て待ってるね」



 二人の様子を見つつつむぎは見るのをためてた動画を見ることにした。





「ぐぬぬ、もっと早く走れんのか貴様は」


「そっちほど運動は得意じゃないんだよ私は」


 

 つむぎが動画を見ている最中、二人はぎこちなく二人三脚をしていた。

 息が合えば数分もしないで100歩達成できるはずだがなかなか上手くカウントされず手間取っている。


 そして少し経ち──



「よしカウントが100になった……のだ! これで解除される!」



 固定していた装置はピコンと音がなり100歩を表示していた。

 これで外せる。そう思ったが──

 


『おめでとうございます。解除まであと900歩です。頑張っていきましょう!』



 機械からはそんなアナウンスが聞こえた。

 つむぎから聞いてた話だと100歩のはずだったのにおかしい。



「あと900歩だと……もーなんなのだまったく……」



 ガクリと落ち込むミーシェル。



「ログアウトすれば多分消えると思うけど」


「せっかくつむぎがここまでやってくれてるのだ。やはりそれを無下にはできん……」



 ミーシェルは咲夜の提案に反対した。

 つむぎが専用の機械を用意して二人の距離を縮めようとしているのだ。その思いを裏切ることはミーシェルにはできなかった。



「つむぎとは幼馴染みなんだよね? つむぎって私と会う前からあんなだったの?」


「いや、つむぎは変わったぞUnreallyで。でなければ貴様と友達になってないはず……なのだ」



 それからミーシェルは語り出す。



「あやつは引っ込み思案でなにをするにしてもミーの後ろをついてきてばかりだった。そのつむぎが積極的に自分を出してアンリアルドリーマーとして活躍している。友としてこれほど嬉しいことはない」



 ミーシェルはそして咲夜の顔を見つめた。



「そうさせたのも貴様のおかげかもな……」


「そっか……ならあと900歩頑張らなくちゃねミーちゃん」


「だからミーちゃん言うでない!」


 

 咲夜はいたずらっぽく微笑み言い、二人は二人三脚を再開した。



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