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息の合わない二人

 夏休みが終わり二学期がはじまった。

 つむぎは学校では相変わらず親友のひなたとことねと仲良く会話をしたりさやと二人で一緒にいることが多かった。


 そんな日々を過ごす中で一つの行事にむけてある練習をしていた。この時期の恒例行事、体育祭だ。


 姫乃女学園の体育祭は数ある競技の中から何個か選び参加することになっていた。

 炎天下の中。体操着姿の少女たちが選ばれた種目からそれぞれが練習していた時、ある問題が発生する。



「1、2、1、に……うおっ!?」


 

 その声と共にドサッ! と転倒する音が聞こえる。転倒していたのは二人同時だった。



「あちゃーごめん黒葛さん。あたしちょい速く走りすぎたかな?」


 

 その二人はひなたとさや。二人は二人三脚で一緒のペアになり練習をしていたようだ。

 幸い怪我はなく先に立ち上がったひなたがさやに手を差しのべた。



「別に……」



 だがさやはその手を借りることはなく自分の力で立ち上がる。



「そっかぁ、なんかあたし図々しかったら言ってよ」


「……」



 二人は転倒こそしなかったがその後ぎこちなく気まずい雰囲気が続きながら練習をしていた。



「大丈夫かなぁ二人とも……」



 つむぎはそんな二人を遠くから見守っていた。




 放課後、つむぎはひなたと一緒に家へと帰っている途中だった。



「いやー、なかなか黒葛さんと二人三脚で息が合わなくてさ~困ってるんだよね。人に合わせるのは得意な方だと思ってたんだけどなぁ」


 

 ひなたが前を歩きながら愚痴をこぼすように言う。



「さやちゃんとは一年の時同じクラスだったんだよね?」


「まぁねぇ、話しかけようとか仲良くしようと思ったりしたけど上手くいかなくてねぇ」



「誰とでも仲良くなれるひなたちゃんでもさやちゃんは手強いんだね」



 ひなたは運動神経がよく、周りから頼られ好かれる存在だ。中学の頃はいろいろな部活の助っ人をしていたくらいである。

 

 だからひなたは人との付き合い方などつむぎなんかよりよっぽど上手い。



「そうだよ。そんな黒葛さんの心を開いたつむぎってすごいんだぞこのこの!」


「ちょっ、やめてよひなたちゃん!」



 いつものようにじゃれあうようにつむぎの頭を思いっきり撫でてくるひなた。



「なぁつむぎさんや、どうしたら黒葛さんとあたしは仲良く出来るかな?」



 ふざけているようで、でも言ってることや視線は真剣な顔でひなたは言う。



「そうだねぇ……」



 つむぎは考える。お互いが打ち解け合い二人が仲良くなる方法を。


 さやはつむぎに対しては心を開くようになっていた。しかしそれ以外の人間には全然といっていいほどに距離をおいたままで、二人でいる時以外話すのを極力嫌っていた。


 とくにひなたのような人物がさやは苦手と言っていた。ひなたは明るい性格だがクールで静かなさやとは正反対なのが原因だろうか。


 どうすればいいか考えていたときつむぎはあることを思い出す。



『今は無理だけど……自分の気持ちに素直になれるUnreallyでなら……きっといつかは仲良くなれるかもしれない……たぶん』



「そうだ! Unreallyで仲を深めようよ!」


 

 つむぎはさやが言っていたことを思いだし提案をした。


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