夏のアンリアルライブフェス!
夏休み。ホラースポットに行き海へと行った7月が終わり8月を迎えようとしていた。
そんなある日、つむぎはUnreallyの自分の家で一人くつろぎ、動画を見ていた。
◆【告知】夏のアンリアルライブフェス開催だよ! │七色こころ
「あなたの心は何色? わたしは虹色! 七色こころです」
毎日のように更新されるこころの動画を見るつむぎ。画面には自分の色を書いている視聴者のコメントが流れてくる。
「はい、ということでこの季節がやってきたよ! 夏のアンリアルライブフェス! 今年で第三回目だね!」
こころは嬉しそうに笑顔を見せ喋る。
「アンリアルライブフェスってなに? って人も多いと思うから改めて紹介するね。アンリアルライブフェス、略してUフェスはUnreallyで行われる大規模なマーケットかつ音楽の祭典なんだ! 三日間に渡ってUフェスは開催されてそれぞれの日で開催される内容が違うの。
一日目はグッズなどの物販、展示物の出展。
二日目はそれ込みで一部はアンリアルドリーマーとファンが交流できる交流会があるよ!
そして三日目はライブ! わたしともふもふあにまるずの子達がそれぞれ複数ある会場から司会をして参加者の子達がライブを披露するの!
Unreallyに行ける人は是非会場へ!
この三日間の光景はわたしのチャンネルでそれぞれ複数生中継するからUnreallyにいけない人も是非みていってね!
それとまだまだUフェスへ出場したい人は募集してるからどしどしご応募ください!」
そう言ってこころの動画は終了した。
「アンリアルライブフェスかぁ! 今回は画面で見るだけじゃなくて実際にライブとかも見に行けるなんて夢のようだよ!」
つむぎは独り言のように言う。だがそれは独り言ではない。視界にはビデオチャットのモニターが四つ映っている。
「そうね、あたしも二日目は出るし、まぁ楽しみじゃないこともないわ」
「ねねこちゃん、Uフェス参加するの!?」
髪をなびくねねこをみて驚くつむぎ、そういった話は聞いてないので驚く。
「ウチもウチもー」
「ひそかも同じく」
元気に手をあげるしき、ワインのようにグラスにぶどうジュースを飲みながらしゃべるひそか。
「そんな……みんな参加するなんて……咲夜ちゃんは…!?」
「私も出るよ三日目のライブだけに」
「そ、そんな仲間はずれ……わたしだけ…」
一人だけ取り残されたような気分になるつむぎはがっくりとショックを受ける。そういった話は全然聞いていなかったため余計だった。
「まぁそんな落ち込まないでよ! ウチやひそかは展示したいもの販売したいものが元々あったから参加する予定だったしねぇ」
「あたしはファンの子と交流する機会として配信もするつもりよ」
「そっかぁ……みんな目的があってすごいなぁ」
Uドリーマーである彼女たちはいろんな考えがあって活動をしているのだと改めて実感する。
「まぁ無理にとは言わないけどUドリーマーなら参加してみるのもいいとひそかはいいと思うよ。受付け自体はまだしているしね」
それじゃあね会話が終わるとビデオチャットは終了した。
チャットが終わったつむぎは背伸びをするとベッドへと寝そべる。右手を頭に置き考えごとをする。
「わたしって本当はなにがしたいんだろ…」
ぽつりとつむぎは呟く。
思ってもいなかった。UドリーマーとしてUnreallyでの日々を動画にする。
それがつむぎの動画の傾向だ。
もちろんそれは楽しいがUフェスに参加するのなら別のなにかが必要だと思った。
つむぎは歌は得意じゃないし大勢の前で歌うのは緊張するので無理だ。だからなにかしら販売するというのが一番現実的だろう。
しかしなにかになにを販売すればいいのか……
ピンポーン
その時玄関からチャイムがなる。
つむぎは頬を両手で叩き気分を切り替える。
一階へと降りて玄関の扉を開けた。
開けた先にいたのは咲夜だった。
「つむぎ、ちょっといい?」
「咲夜ちゃん、Uフェスでライブするんだってね」
「うん、新曲ももうすぐ完成するんだ」
「そっか、だから海に行ってた時も作曲作りしてたんだね」
納得がいく。咲夜は海に行ってたとき作曲作りに専念したいとギターを持って海に来ていた。
それだけ気合いを入れていたのはUフェスのためだったのだろう。
「それでさ……」
すると咲夜はもじもじと体を動かし、なにかを言うのをためらっていた。だが一度呼吸を整え咲夜は言う。
「つむぎ……私のライブ見に来てくれるかな?」
咲夜の顔は少し赤くなっているように見えた。
つむぎは考える時間もなく答える。
「そんなの言われなくても絶対に行くよ! 咲夜ちゃんのライブすごい楽しみだよ」
「そっか……ありがと」
咲夜は安堵のような息をする。
「そのさ……つむぎには一番見てもらいたいから……ちゃんと聞くまで疑心暗鬼になっちゃってさ……」
「それって……」
「あーこの話はおしまい……どっか遊びに行こう」
つむぎの言葉を遮るように咲夜は背中を向け言う。つむぎはその言葉に流されるように咲夜の後をついて行った。




