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てるてる坊主の生贄

「はぁ……はぁ……」



 幸い、あのお化けと思われる少女は走るのが遅かった。

 

 三人は思いっきり走り、距離を置いていた。たぶん逃げ切っただろう。



「まさか本当にいるとはね……」


 

 走ったことでぐしゃぐしゃになった髪を整える咲夜。



「で、でもよかったねーほらこれで動画になるし……」



 前向きに考えるつむぎ。Uドリーマーとしてはこの動画は成功だ。



 だが安心するのはまだ早い。

 まだ血の雨は降り続いている。



「どうして逃げるの……必要なのに……てるてる坊主……」


「……!」



 つむぎたちは凍りつく。あのお化けはつむぎたちの近くにいた。


 しかもつむぎたちが走ってきた方向に先回りしていたのだ!



「ど、どういうこと……」


「わっかんないよ……! ウチが聞きたいくらい!」


「一つだけ言えることはあるよ……。逃げても意味なんてない」


 

 焦る二人とは正反対に冷静に言葉を放つ咲夜。

 その手には銃が握られていた。



「逃げられないなら戦うのみ!」


 

 バン!


 そして銃弾がお化けに命中する。



「ぐぅぅ……」


 

 おばけは痛そうに銃弾が命中した胸の部分を触る。意外と物理攻撃が効くのかもしれない。



「ぐあぁぁぁぁぁ」



 お化けは叫んだ。その瞬間お化けは三人へと分裂した。三人になったお化けはそれぞれに近づいてくる。


 絶望でしかない。


「こうなったらわたしも!」



 つむぎはお化けへの対抗策がある。そのアイテムを手に取りあることばを唱えた。



「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」


 

 お祓い棒を振り回しつむぎは誠意を込めてお祓いの舞をした。しかし効果は微塵も出ない。



「つむぎ! 危ないっ!」


 

 すると咲夜はつむぎを突き飛ばした。

 見るとつむぎの方に一体近距離まで近づいていたのだ。



「くっ」



 咲夜は押し倒される。



「まずは一人……」



 お化けは笑い包帯を手に取っていた。

 そして一瞬にして咲夜は首から下を包帯で巻かれ木に吊るされた。



「咲夜ちゃん!」


 

 つむぎは叫ぶ。こうなったのも自分のせいだ。

 自分がちゃんとお祓いのやり方を学んでいればとつむぎはまだ徐霊できると考えていた。



『つーぎの生け贄だーれだ……?』



 三体のおばけが笑うように裂けた口で言う。


 

「こ、こうなったらあれをやるしかない!」


「しきちゃんなんか策があるの!?」


「うん! これは使いたくなかったけどこの状況で出し惜しみできないもんね!」


 

 策があるらしいしきは何かを決心した。

 そしてお化けたちの前に出た。



「これがウチの最終奥義!」


 

 そしてしきはジャンプする。

 そのまま空中で足をたたみ、手と頭を地面に付ける。



「お願いです吊るさないでください」



 それは見事にきれいな土下座だった。

 


 …………



「それつむぎとやってること変わらない!!」


 

 思わず咲夜がツッコミ叫んだ。

 吊るされても顔は自由で話すことはできるようだ。



「きゃっ!」


「つむぎ!?」


「これで二人目……」



 するといつの間にか一体がつむぎを捕らえていた。しきの土下座に夢中で気がついてなかった。



「ど、どうしよう! もうウチだけ!」



 お化けは三人ともしきの方へ向かってくる。

 しきは後退るが逃げようにも腰が抜けて動けないようだ。



「フフフフフ……フフフフフフ……」



 お化けは笑い声を上げる。

 一歩、また一歩と着実にしきに近づく。



「あぁもうダメだ……やっぱそうだよねウチなんかの土下座に意味ないよねせっかくプライド捨ててやったのになにしてんだろウチ……」



 ネガティブなワードをぽつりぽつりとしきは呟いていく。目は死んだようにハイライトがない。


 胸のコアがピコピコと光る。



「もういいや自爆しよ」



 その声後、まわりは光輝いた。



 ドカーーーーン!



 大きな爆発が起きた。その爆発と爆風は辺り一面を煙で蔓延させた。たくさんの木々が破壊されていく。



「げほっげほっ」


 痛みはしない。が視界が見えず煙い。


 

 しばらくして視界が見えるようになる。

 つむぎは地面へとついていた。



「あっ拘束が解けてる! 咲夜ちゃんそっちは!?」


「こっちもどうにか」



 つむぎは咲夜の方を確認する。

 咲夜の方もどうやら拘束が溶けたようだ。



「ふースッキリした……」



 自爆した本人、しきは気持ち良さそうな顔をしている。



「そういえばお化けは!?」



 つむぎはお化けがいないか周囲を確認する。

 すると一つの人影を確認した。



「げほっげほっ……痛いじゃあないかしき」


「あ! あなた動画の人!」



 それはこの森を紹介していた本人、鹿羽ひそかだった。



「どういうこと!?」


「バレちゃったものは仕方ないね。私は鹿羽ひそか。今回の噂の犯人さ」


「ホラースポットってもしやとおもったけどやっぱあんただったのねひそか!!」


「しきちゃんの友達?」


 

 なにかを知っているそぶりを見せるしき。



「まーウチの友達というか知り合い?」


「ひそかは普通に友人だと思ってたんだけどね。まぁいい、君たちはひそかたち組織の企みを阻止した功労者だ。君たちを秘密組織ブルローネへの招待状を送ろう。明日是非ここへ来てくれたまえ」


 ひそかは残念そうにしきをみるがそれは一瞬だけ。次には指をパチンとならしつむぎたちを見た。


 すると一通のメールとプレゼントが届く。



 宛先:秘密結社ブルローネ団長

 

 内容:指定した場所にフードを被って来てください。

 場所○○~


 プレゼント:秘密結社のフード



「ではまた会おう!」



 ひそかはそう言っては姿を消した。


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