きっといつかは
次の朝のHR。
つむぎは席でことねと会話をしていた。
さやとひなたはまだ教室に来ていない。
「おっはよー! つむぎーことねー」
「あっ、おはようひなたちゃん!」
「おはよ、ひな」
するとひなたが教室に来た。
相変わらず元気な声で叫ぶひなた。
「ひなたちゃん……」
つむぎはちょっと気まずくなるのではないかと危惧していた。ひなたが隠していた秘密をしってしまったのだ。
いつもの関係でいられるか心配したが──
ひなたはつむぎの肩に手を回した。
「昨日はいろいろあったねぇ。ま、そんなの関係なくいつも通り行こうぜ! うちら幼馴染みなんだからさ!」
「……うん!」
ひなたはにこにこと笑顔で言った。
特になにも気にしてなかったようだ。
いつも通りの日常がこれからも続く、それに安堵する。
「あ、さやちゃん! おはよう!」
「おはよ……」
咲夜が教室に入ってくるのを見てつむぎは挨拶をする。もう挨拶をしてくれるのも自然になっていた。
「つ、黒葛さん……おは──」
昨日の件で気まずくも持ち前の明るさでひなたがさやに挨拶をしようとしたとき、遮るようにさやはさっさと席についてしまった。
避けているように見えた。
「あれれ、やっぱり避けられてるなぁ……」
「黒葛さん、つむには気を許してるみたいだけど他の子にはまだそっけないよね」
「ちょっとは仲良くなれると思ったんだけどなぁ…」
しょんぼりとするひなた。
つむぎもそれに関しては疑問があった。
◇
「どうしてひなたちゃんを避けたの? Unreallyでは弄ったりしてて仲良くなれそうだったのに」
お昼。つむぎは屋上でシートを引いて咲夜とお弁当を食べていた。
疑問なのは昨日の咲夜のミーシェルに対する言動だ。
あのときの咲夜は面白そうにミーシェルをいじってた。
しかしリアルのひなたにはそっけない。
「リアルの雨宮さんは苦手。単純にテンションが高くてうるさくて無理。ミーシェルは面白いから嫌いじゃないけど」
「あはは、確かにリアルのひなたちゃんはさやちゃんにはちょっと苦手かもね」
大人しいさやとテンションの高いひなたは相性が悪いようだ。
「それじゃあ二人が仲良くなることは無理かな……?」
せっかくさやにリアルの新しい友達ができるチャンスができると思った。
でも本人は否定的に感じる。
「今は無理……だけど……」
さやはゆっくりと言葉を話す。
「自分の気持ちに素直になれるUnreallyでなら……きっといつかは仲良くなれるかもしれない……たぶん」
そう言ってさやは紙パックのジュースを飲む。
きっといつかは……
その日が来てくれたらいいなとつむぎは切に願った。




