新しいフレンド
その後交流会が続く。
ごちそうを食べておしゃべりをする者。
おすすめの動画を紹介しあう者。
様々な者がいた。
「みんなはさー、どうしてUドリーマーになったの?」
しきがチキンを片手につむぎたちに聞いた。
「あたしはティンクルスターのようなアイドルになりたくてなったのよ」
髪を撫でて言うねねこ。
ねねこは確かに自己紹介動画でそのようなことをいってたのをつむぎは知っている。
最近は歌も練習しているらしい。
昨日投稿された歌ってみた動画はその証だ。
「へぇー、ちなみにウチはウチの作ったマシンをたくさん見て貰いたいんだ! そんでもって人気者になっていっぱい再生数とスマイルをもらいたい!」
後半はうへへといいながら欲望を駄々漏れにさせるしき。
「どんなマシンを作ってるの?」
つむぎが問う。
「いろいろあるよー。バイクに掃除ロボ、他にどっきりマシンや今も絶賛いろいろ作ってる~。」
今度見せるよーとしきは言った。実際彼女の作ったものは見てみたいと思う。
「次は私の番かな」
咲夜はジュースを片手に言う。
「私は自分の音楽を残したいから、かな。ただそれだけの理由ではじめたよ」
「咲夜作曲できるのー!? すっごーい!」
「まぁそれメインで活動しているからね」
「そっかーじゃあ最後につむぎはー?」
視線がつむぎに向けられる。
それを見て最後と言うことにちょっと緊張するつむぎ。だがふと咲夜と目があった。
それで少しだけ気が緩む。
「わたしはね……」
ゆっくりと話はじめたつむぎ。
「わたしは……咲夜ちゃんがいたからはじめたんだ」
「咲夜がー?」
「うん、咲夜ちゃんに出会ってなければきっとわたしは……アンリアルドリーマーになってなかったから」
事実だ。
咲夜があのとき、手を差しのべてくれなければきっと自分はただの視聴者で終わっていたかもしれない。
あのとき咲夜に会えてほんとうによかった。
「私も同じだよ……」
咲夜が言った。
「つむぎに出会えてなければ今の私がいないのは事実だから……きっと殻にこもったままの自分で居続けた。だからありがとうつむぎ」
真剣な目でつむぎを見て言った咲夜。
それに少し照れそうになるつむぎ。
「へー二人とも仲良いねー」
「うん、だって……」
つむぎは間を開けて言う。
「咲夜ちゃんは大切な″親友″だから!」
親友。それはつむぎにとって友達と呼ぶには物足りない相手への愛称だった。
「ふーん、いいわね……やっぱさ……つ……さ……こ……」
ねねこはなにかをボソボソと言っていた。
ピンポーンパンポーン。
アナウンスの音がする。
「はいみんな今日はどうだったかな? 楽しかったかな?」
ステージの中心にこころがいた。
「今回は時間も時間なのでこれで交流会は終了です。これからもみんなアンリアルドリーマーとして頑張っていこうね!」
そう言ってディスプレイはイベントは終了しましたと文字を流していた。気付けば食べ物と飲み物も無くなっている。
約1時間から2時間に及ぶ交流会が終わりを告げようとしていた。
「もーおわりかぁ」
つむぎは物寂しそうに言う。
参加者は次々に外へと出ていく。
楽しい交流会も時間がたつのが早かった。
「そ、それじゃあねあなたたち……こんどいつ会うかわからないけど……」
ねねこは寂しそうに、震えた声で立ち去ろうとする。
その背後はもう二度と会うことの無さそうな切なさを漂わせている。
なにかを忘れているような……
「あ!? まってねねこちゃん!」
つむぎはねねこを呼び止める。ねねこはふりむく。ねねこは不安そうな顔で尻尾をしならせていた。
「フレンド! フレンドになろうよ!」
「あ、あたしとフレンドに!?」
ねねこは尻尾を立たせる。
「フレンドになればまたすぐ場所が分かって簡単に会えるし……なにより本当は、前の配信でなりたかったんだよね。もうすっかり友達になったと思ってて忘れちゃってた」
これが忘れていたことだ。
ねねこはずっと待ってたのかもしれない。こう言われることを。
素直じゃないが今回。彼女の本当の目的は友達を作ることだ。だったら自分がなってあげたい。
悲しそうにしてる彼女を友達になって支えてあげたい。
ねねこは頬を赤くした。その自分の顔に気づいたのかねねこは顔をそらす。
だがなにかを決めたのか、顔を赤くしたまま彼女はつむぎを見つめる。
「ふ、ふん……仕方ないからなってあげるわよ。……ありがと//」
ねねこからフレンド申請がくる。
もちろんつむぎはそれにはいと選択をする。
「私も送るよ。せっかくの機会だからね」
「ウチもウチもーー。ていうかみんなに申請送るーる!」
それぞれが指でメニューボタンをいじりフレンド申請を送り合う。
つむぎも申請されたしきのフレンドをはいと選択した。
「これでみんな友達だねっ!」
にこりとつむぎは笑った。




