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出会えるファン

「それで交流会どうする咲夜ちゃん?」



 放課後、現実世界で夕御飯を食べた後Unreallyにいたつむぎは、咲夜の家に来ていた。



「私は別に……どっちでもいいよ。つむぎは行きたいの?」



 咲夜はベッドに座りながらつむぎに尋ねる。



「うん! だって同期のアンリアルドリーマーと交流できるんだよ! こんな機会をもらえたんだし行きたいよ!」



 つむぎの目は輝かせていた。

 同時期のアンリアルドリーマーだけでも数百人以上いるだろう。

 

 そのすべてをつむぎは追えているわけではない。むしろ最近は自身の活動であまり新しいUドリーマーを追えていなく、どんな人がいるのかわからなかった。



「まぁつむぎがそう言うなら私も行くよ」



 やれやれと呟きながら咲夜は言う。




 予定の時間が近づいてきてから、つむぎたちは交流会が開催される所に一番近い転移ポイントにワープした。



 転移した場所、ワンダーランドプラネットの空は紫色の夜空だった。ルビーに輝く月がキラキラ輝いている。


 開催される場所は野外の広場で行われるらしい。マップを見ながらつむぎたちは移動する。



「あのっ、つむぎちゃんと咲夜ちゃんですよね!?」


「うん? そうだけど」



 一人の少女がつむぎに声をかけてきた。

 少女はつむぎたちをみて顔を赤くしている。なにやら緊張している様子だ。

 


「つ、つむぎちゃんと咲夜ちゃんのファンです!! その、よかったら二人の写真とっていいですか!?」


「わたしのファン!?」



 突然の告白につむぎは驚いた。

 Uドリーマーであるが故にUnreallyで偶然ファンに会うなんてことはありえる話だ。


 だがつむぎに会いに来てくれるファンに出会ったことはなかった。



「はいっ! つむぎちゃんの頑張ってる姿、いつも見せてもらってます! こんなところで会えるなんて……かわいくて大好きです!」


「そ、そうかなっ?/// うん、もちろん撮ってくれてOKだよっ」


「私もいいよ」


「ありがとうございます!」



 少女は丸いレンズに翼の生えたカメラを出す。そしてつむぎと咲夜が隣合わせになりポーズを撮ると、カシャっと撮影する音がした。



「ほんと感謝です! 咲夜ちゃんと一緒のところにあたしは邪魔だと思うんでこれで失礼します! ではこれからも応援してますね!」


「あっ、ちょっと待って……!?」



 名前を聞こうと思ったが少女は早口で別れを告げ、姿を消してしまった。メニュー画面で確認しようにも、もう遅かった。



「ファンかぁ……」


「よかったね、応援してくれる子が会いに来てくれて」



 咲夜が言う。

 つむぎはえへへと照れる。


 はじめてファンの子に会って、応援の言葉をもらえた。コメントとはまた違った気持ちが込み上げてくる。


 ここでならファンの子の声援が直接聞けて、今までネット越しだったのがリアルのように感じてくる。ファンの子もこの世界でまた生きているのだ。


 


 ◇



 徒歩数分。会場へとやってきた。

 ゲートの看板に新人アンリアルドリーマー交流会と書いてある。

 問題なくここで合っているようだ。


 奥へと入っていくと人だかりができている。広場のステージだ。


 中央に大画面のディスプレイがあり、開始までお待ちくださいという文字が表示されている。


 ここにいる人たちがみなアンリアルドリーマーなのだろうか。可愛らしいアイドルのような女の子からマスコットのようなキャラクターまで多種多様で愛らしい子らがいた。


 そこに一人、見知った顔があった。



「あっ、ねねこちゃん!」


「にゃっ!? あ、あなたたちも来たのねっ!」



 少女は声をかけれると猫が驚いたかのように尻尾を立たせた。

 少女はつむぎたちと激闘の対決?をした水無月ねねこだ。



「ねねこちゃんも来てたんだねぇ」


 嬉しそうに言うつむぎ。

 ねねこに再び会え喜んでいる。



「べ、別にここに来たら友達ができるかも……とかそんなんじゃなくて……そう! 暇だったから! 暇だったからちょうど暇を潰せるイベントに参加しただけよ!」



 誤魔化すように、ふん! と言うねねこ。

 本心は友達が欲しいのだろう。それが彼女の素直じゃない性格の特徴だ。



「えへへまた会えて嬉しいよぉ」



 にこにこ笑うつむぎ。

 


「そ、そうね。これもなんかの縁だしと『ピンポンパンポーン』



 ねねこの言葉を遮るようにアナウンスが聞こえる。


 するとディスプレイの映像がかわる。

 新人アンリアルドリーマー交流会とかわいいロゴが表示された。

 

 ディスプレイにはぴょこんと少女が映る。


「あなたの心は何色? 七色こころだよ! わたしの大切な後輩ちゃんたちこんにちは!」


 七色こころが画面から、そこにいた新人Uドリーマーたちに挨拶をしてきた。


「今日は集まってくれてありがとね! みんなデビューして数ヵ月。色々大変だったり楽しかったりする時期だよね。だから今日はそんなみんなで意見交換や交流をして仲良くなっちゃおうと大先輩のこころちゃんは考えたのです!」



 えっへんといった風に人指し指を鼻元に当てるこころ。



「交流会、パーティーって事で今日はわたしがみんなにごちそうしちゃうよ! 今そっちに行くね!」



 そしてこころは画面から出てきた。

 言った通りに。

 こころの実体が画面から物理的に出てきたのだ。アンリアルだからできる芸当だ。



「ごちそーよ、出てこーい!」



 パチンとこころは指を鳴らす。 

 

 すると広場の床が開き、そこから食べ物が上へと上がってきた。



「アンリアルだから食べ放題飲み放題。体重を気にしなくてもよし。それではジュースを片手に~」



 こころはコップを取り出した。中にはオレンジジュースが入っている。


 それらはつむぎたち方へも現れ空中にオレンジジュースが入ったコップが浮いている。

 皆こころの合図に従い、コップを手に取る。



「では乾~杯!! 後ろのディスプレイではここにいる参加者の動画を流すよー」


 

 乾杯の合図でパーティーは開催された。

 同時にディスプレイでは動画が流れる。

 

 最初に流れてきたのは咲夜のMVだった。



「いきなり私の動画か……照れるな」


「ふん、いいじゃない。素敵な曲なんだから……まぁ客観的にみてだけどっ」



 相変わらず後付けで素直じゃないねねこ。

 本音は駄々漏れである。



「そうだよ! 咲夜ちゃんの曲はかっこよくて素敵なんだぁ! あっそうそう、ねねこちゃんのティンクルスターの曲歌ってみたも可愛くて好きだよ」


「えっ、見てくれたのっ?// 昨日出したばかりなのに……ありがとっ」



 顔を赤くしてお礼をするねねこ。そんな姿が愛らしい。

 ねねこはもじもじと尻尾をハートにしている。



「その……さっきいい逃したけど……と、友達になっ「すみませーーーーん! 遅刻しましたーーーー!」



 またねねこの言葉を遮るように大きな声がした。



「も、もうなんなのよさっきから!! って!? なにあれ!?」



 怒ったねねこが声の方を見て驚く。

 つむぎも声がする上の方を見る。



「そ、空に女の子が!?」



 なんと空中に、空高く飛行している一人の少女がいた。


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