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明かされる真実

 そして当日の水曜の祝日。卯京都民の日。


 つむぎは家で身支度をしていた。

 衣服の確認をしっかりし、髪止めの位置を鏡で見たあとによし、と呟く。

 服は数日前から考えていて、お気に入りの服を着ることにした。


 上が黄色で下が黒いワンピースだ。


 身支度が終わった後、つむぎは午前9時20分に家を出る。


 待ち合わせは午前10時だ。


 待ち合わせの場所は意外にも近く姫乃市にある一番大きな公園。姫乃公園だ。


 つむぎの学校から近い場所にあるため、今から歩いて行っても間に合う距離だった。


 家から出たつむぎは期待に胸を踊らせていた。

 現実の咲夜はどんな子だろう?

 一緒にどこへ行って遊ぼう?

 

 なんてことを思いながら歩道を歩いていった。




 そして歩いて30分後。


 午前9時50分。


 待ち合わせの10分前につむぎは姫乃公園へ着いた。


 少し歩き疲れた。

 やはりリアルで動いてる時間が減ってるのもあり、この距離を歩くのはちょっときつい。

 

 無限に近い体力のあるUnreallyとは全然違うことを体感し、ここが現実であることを再確認する。


 公園では元気に遊ぶ子供の声が聞こえる。

 待ち合わせの姫乃公園は市で一番大きいというだけあって広い。


 なので姫乃公園の中でも噴水の前で待ち合わせることになっていた。


 姫乃公園の噴水は待ち合わせとして使う人がときどきいたりする。


 その何割かは告白のために待ち合わせとして使っているなど人気だ。

 


「あっ……」



 つむぎは噴水の場所である人物に出会った。

 


「こ、こんにちは黒葛さん……」


「……」



 隣の席の黒葛さやだ。偶然にも彼女も公園に来ていた。


 さやは声を掛けられこっちを見るが挨拶もせず黙り、そのあとすぐに自分のスマホに顔をむける。


 やはり彼女は話しかけづらい。それとも自分の会話力がないのか。


 リアルではやはり引っ込み思案な性格は治っていないのかもしれない。

 気まずいのでつむぎはさやに背中を向ける。


 このままで咲夜に会って大丈夫だろうか。

 不安ながらもつむぎはスマホを取り出した。

 Ucordというアプリを立ち上げる。

 そこから咲夜の名前を選択する。

 Ucordはチャットと通話が無料できるアプリで、ネットの人とゲームをしたり会話をするのに重宝されているアプリだ。


 咲夜とはそのアプリでUnreallyをやってないときに通話するのに使っていた。

 

 咲夜の画面を開いたつむぎは通話を開始する。


「もしもし、咲夜ちゃん待ち合わせの場所ついたよ」

 

 通話はすぐに繋がった。


「そっか……私ももういるんだけどどこかな? 着てる服教えて?」


 咲夜の声を聞きつむぎは安心する。

 しかしおかしい、来ているならそれらしき人がいるはずだ。

 噴水の近くにはつむぎ以外にさやしかいない。

 大きい噴水のため反対側にいてみえないのだろうか?


「わたしは上が黄色くて下が黒いワンピースを着てるよ。咲夜ちゃんのも教えて?」

「私は紺のカーディガンに白いワンピースを着て…………っ!?」


 咲夜は言葉にならない驚きをしていた。


「どうしたの咲夜ちゃ……ん……!?」


 つむぎも言われた通りの姿の咲夜を探そうとまわりを見渡し、言葉を詰まらせる。 

 

 つむぎの目線は黒葛さやを見て止まっていた。

 彼女は紺のカーディガンに白いワンピースを着ていてスマホで電話をしていた。


『嘘……』


 その言葉がスマホとリアルで実際につむぎの声に聞こえる。


「黒葛さん……」

 

 声を震わせてつむぎはさやの方を見て言う。


 小太刀咲夜の正体は黒葛さやだったのだ。


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