ライバル登場!?
家を建ててから数日後土曜日の午後三時頃。
つむぎはいつものように咲夜とUnreallyにいた。
もうUnreallyをはじめて一ヶ月が経ち、6月になっていた。
何度か通っている喫茶店でお茶をしていた。
スイーツを食べ終えたばかりで、テーブルには食べ終えた皿が二つおいてあり、それぞれ飲み物だけが残っている。
食べ終えた後、つむぎはDreamtubeを立ち上げUドリーマーの動画を漁っていた。
一方咲夜はコーヒーを飲みながら、空を眺めてゆったりとした時間を過ごしている。
「麗白つむぎさん、小太刀咲夜さん。ちょっといいかしら?」
「ほえ?」
すると突然一人の少女が二人の前に現れた。
いきなり名前を呼ばれてきょとんとするつむぎ。
少女は綺麗な青い髪に、黄色と青の瞳をしたオッドアイ。
猫耳のようなカチューシャに本物の猫のように動く長い尻尾が特徴の、可愛らしく特徴的な少女だった。
彼女はつむぎたちを見つめた後、右手の人差し指を突き立てて一言言った。
「あなたたちあたしとと……勝負しなさい!!」
「え……? いきなり何?」
状況が追い付いてない咲夜。
「あたしは水無月ねねこよ! あなたたちは最近人気の新人Uドリーマー。いずれあたしのライバルn「本物のねねこちゃんだぁ!」にゃっ!? にゃに!?」
いきなり出てきた少女、水無月ねねこが話をしている途中につむぎが言葉を遮ってぐいぐい寄ってきた。
いつのまにか手には色紙とペンを持っている。
「わたしねねこちゃんの動画のファンなんだ! よかったらサインくれないかな?」
「えっ、ありがと/// 仕方ないわね、貸しなさい」
突然のつむぎの行動に驚くねねこだが、意外にも顔を少し赤くしながら対応に答えてくれてサインを書き始める。
つむぎはこの少女ねねこを知っていた。
いろんなUドリーマーを見るのが趣味のつむぎはねねこの動画も見ていて、ファンになっていた。
「はい、どうぞ」
「ありがとー!」
サインを書いたねねこはそれをつむぎに渡し、つむぎはそれを大事に抱き抱えるようにした後しまう。
「ってそうじゃなくて勝負よ勝負! あなたたち明日、あたしの配信の撮影に来なさい。場所はUDreamスタジオ。そこで対決よ!」
「なんで急に」
「そ、それは……ゆ、Uドリーマーとしてどちらが優れてるかの対決よ! い、いい? 来てちょうだいよね! 絶対よ?」
ねねこはそう告げた後、顔を赤くさせたまま走ってその場を去っていった。
「なんだったのあの子……」
「対決ってつまりコラボってことかなぁ?」
最初から最後まで困惑する咲夜。
それとは反対にねねこに会えたことを喜びわくわくしているつむぎ。
「つむぎはあの子のこと知ってるんだよね? どういう子なの」
「ねねこちゃんはね、アイドル志望のツンテレ猫耳娘Uドリーマーとして最近伸びてきてるUドリーマーだよ」
「ツンテレ? ツンデレじゃなくて?」
首を傾げる咲夜。
「まぁこの動画を見てみてよ」
つむぎは一つの動画を咲夜に送る。
そうして咲夜の方に動画の画面が現れ再生され始めた。
◆幼馴染みなあたしとあなた【シチュエーション劇場】 │水無月ねねこ
「起きなさい。起きなさいってば! もう学校行く時間よ!」
真っ暗な画面にねねこと思わしき声が聞こえる。
次第に画面はパチパチと動き、映像が見えるようになった。
誰かの部屋と思われる場所とねねこが映っている。
「おはよう。もう、いつもお寝坊さんなんだからあなたは。毎回起こしにくる幼馴染みの気持ちも考えなさいよね……まぁ嫌ではないけどっ//」
はじめは睨むように見てきたねねこだが、後半は自分の髪を撫でながら顔を赤めらせていた。
これは一人称視点で視聴者がねねこと幼馴染みのシチュエーションのようだ。
「へ? 今日は祝日……!? そんな……そういえばそうだったわ! 別に起こしに来なくても? いいじゃない別にっ!」
どうやら祝日なのに学校だと勘違いしていたらしい。
それを反論されると顔を真っ赤にして怒るねねこ。
「いいからほら、朝ごはんもできてるから早く食べにいきましょ!」
そう言って画面は切り替わる。
「どう? あたしが作った朝御飯は。あなたに喜んでもらえるように頑張ったり……してないわけじゃないのよ」
ねねこが朝食を食べている風景が映し出される。
素直じゃなさそうで遠回りに素直な言い方がどことなく可愛らしい。
「ねぇ、休みならどこか外へ出掛けない? その……そうあなたには今日一日荷物持ちをしてもらうわよ! これはあたしに恥をかかせた罰よ! 嫌なら無理にとは言わないけどっ……」
ちょっと不安そうに言うねねこ。
するとこくりと画面が頷くような仕草をした。
「そ、そう。付き合ってくれるのね。ありがとっ」
その後買い物という名の、ほぼデートのような展開が繰り広げられた。
時には怒ったり、照れたり顔を赤くしている状況がたくさんのねねこが映像には映し出された。
帰り道。夕暮れ時に空はなっていた。
「今日はありがとね。付き合ってくれて」
隣を歩くように画面はねねこを映す。
「あのね、あたし勘違いさせないように言うけどあなたのこと嫌いじゃないからね……時々きつく当たることもあるけど。むしろその……好きというか」
顔を真っ赤に後半はほぼ聞こえないような
声で言うねねこ。
字幕がなければ聞き取れなかったかもしれない。
「だからその……これからもあなたの大切な幼馴染みとして一緒にいてちょうだいよね!」
その台詞と共に動画は終了した。
◇
「これは確かに……ツンデレというかほぼデレデレだね」
「そうでしょそうでしょ。ツンデレっぽいのに言ってることはほとんどデレデレ。そんなところがねねこちゃんは可愛いんだぁ」
咲夜の反応につむぎはうんうんと頷く。
ねねこはツンデレと言うにはツンツンしてなくデレデレだったでもそのデレの部分が照れながら言うことが多く、付けられた異名が『ツンテレ姫』だった。
「でもどうしてそんな子が私たちに勝負を挑んできたって言うの?」
「それはわたしにもわからないけど、ねねこちゃんがデビューしたのはわたしたちとそう変わらない時期みたいだよ」
つむぎたちがデビューしたのが5月
同じ時期にデビューしたのがねねこだった。
その月の中でもねねこは特に人気が高いUドリーマーであった。
「とりあえず明日ねねこちゃんところに行ってみようよ」
「まぁ、つむぎがそう言うなら……」
咲夜は仕方ないと言った感じで同意した。
対してつむぎはわくわくしていた。
ファンだったねねことコラボができるのだ。
勝負についてはよく分かってなかったが明日へ期待に胸を踊らしていた。




