エピローグ 君と紡いでいく物語
高校を卒業して数ヵ月後。
それぞれその後どうなったかの話をしよう。
つむぎはデザインの専門学校に行き夢のデザイナーに向けて勉強中。いろいろ覚えることが多い毎日だが楽しくやっている。
咲夜は無事レーベルデビューを果たし4月にCDを出した。
CD名は『Monochrome』
すみれとの対決の時に歌ったMonochromeが曲に収録されておりその名前からCD名をつけたようだ。
つむぎにとってもモノクロームは大事な言葉であり曲だ。だからそれがCD名として使われることがとても嬉しい。
ひなたはゲームの専門学校に行きゲームクリエイターとして理想のゲーム作りに向け勉強中。近いうちに自作したゲームを配布するだとか。
ことねは文系の大学に入り大学生活を満喫している。そしてなんと大学に入ってからUドリーマーとして蒼樹ことがデビュー。
ぷちモンの世界をおとものライルーとともに旅しながらそれを配信しているようだ。
かなでとひびきはUnreallyにはいないため詳しくは知らないが、同じ大学に入りまだまだ腐れ縁が続くとか。
そまりは声優養成所に入り本格的に声優を目指すことに。あがり症は完全に克服したわけではないがリアルでも徐々に人と話すのが苦手でなくなってきたらしい。
しきは無事高校を卒業することができたが志望校にはなかなか受からず第三志望でようやく受かったようだ。
相変わらずホックがいないと不幸だったりするが元気そうにやっている。
エレオノーラは喫茶雪月花の二号店をオープン。はじめて会ったときとは変わるように店は大繁盛を見せているようだ。
ひそかは相変わらずいたずらをしたり映画を撮っている。しかもなんと撮影した映画がUnreallyで受賞されたそう。
そして咲夜と対決をし和解したほむらすみれはUnreallyでつむぎたちと一緒に動画に出るようになる仲になった。
そんなこんなで皆それぞれ充実した日々を送っているようだ。
つむぎはそんなことを考えながらUnreallyで咲夜がよく演奏をしていた駅前に一人でいた。
咲夜がよく立っていた場所に目をやる。
「ここでなにしているの?」
懐かしんでいるとつむぎに声をかけてくる少女がいた。
「こころちゃん」
それはトップアンリアルドリーマーの七色こころ。彼女は当たり前かのように平気でつむぎの前に現れる。
AIだからそこまで不思議なことではなかった。
「うーんUnreallyに来て咲夜ちゃんに会って二年経ったんだなぁって思ってさ」
「そうだねつむぎちゃんはここに来るのが目的でわたしと出会ったもんね」
咲夜に会いたくて迷っていたときその後押しをしてくれたのがこころだ。
だからこころには感謝するしかない。
「うん、咲夜ちゃんに出会えたのはこころちゃんのおかげだよ」
「えっへん! こころちゃんは運命の相手と出会わせることだって可能なのです!」
「運命の相手とか言われると恥ずかしいな///」
つむぎは運命の相手と言われると少し照れてしまう。確かに運命だと思うところはあるが。
「そうだこころちゃん! 二年ぶりに色占いしてくれない? 今のわたしの色が知りたいの」
つむぎはふと思ったことを言った。
真っ白だったつむぎの色はいったい今何色に変わっているのか。
「いいよまってね。あなたの色を計測中」
するとこころは快く受け入れてくれて髪のメッシュをいろんな色に光らせながらつむぎの色を占ってくれた。
その結果。
「真っ白なままだね」
こころのメッシュは白く染まった。
色は変わっていなかった。
「そっかよかった」
だがつむぎは笑顔で言った。
「いいの? 自分の色を探してたんじゃないの?」
きょとんとするこころ、しかしつむぎは言う。
「いいんだ。わたしの色は真っ白な白。まるでいろんな色をそこに塗るキャンバスみたいに大切な色。それが自分の色だってようやく知ることができたんだ」
つむぎは語る。
白はつむぎにとって大切な色なのだ。
他の色ではないその色こそがつむぎがつむぎである理由。
「そっか。答えをみつけることができたんだね」
こころが笑顔で言いメッシュの色を元にもどした。
「うん、ありがとうこころちゃん。それじゃわたしこのあと予定があるからログアウトするね」
つむぎは手を振りログアウトを押し消滅する。
「つむぎちゃん……これからも真っ白なままでいてね」
消えたつむぎを見てからこころは微笑み呟いた。
◇
Unreallyからログアウトしたつむぎはリアルでお出かけ用の服に着替え外に出た。
今日は大事な約束があった。
目的の場所はとても大切な場所。
時刻は午前11時。
つむぎは姫乃公園にやってきた。
公園の中にある噴水が待ち合わせの場所。
そこにいくと既に先着がいた。
それは目的の相手。彼女は早く来ていたからかスマホをいじっている。
つむぎはその相手を見つけて笑顔で言った。
「久しぶりさやちゃん!」
さやが気付いて振り向く。
数ヵ月しか経ってないが彼女は私服だからか少し大人びた雰囲気を見せていた。
しかし彼女は首を傾ける。
「昨日もあってたよ?」
「咲夜ちゃんとはね。でもさやちゃんとは数ヵ月ぶりでしょ?」
「まぁ確かに……」
つむぎの言ったことに納得したさや。
咲夜とは昨日も会って遊んでいた。
しかしさやと会うのは実に卒業式以来だった。
「元気な顔しててよかったよ。音大の方はどう?」
「まぁぼちぼち……人と話すのも苦手じゃなくなったから……かすみとも一緒だし」
「そっか。わたしは大変だよー服の流行とか勉強したり覚えるのが多くてさー」
「そう……」
大学生活の愚痴を言うつむぎ。
さやは偶然にもかすみと同じ音大に入学したようだ。
さやは昔と違って人と関わることを避けなくなり人として成長していた。
つむぎの後をついてきていたさやはもういないのだ。
そんな彼女を寂しくも思い嬉しくも思う。
それからつむぎは噴水を見ながらあることを言う。
「ねぇさやちゃん知ってた? ここって実は告白スポットとして有名なんだって。そう考えるとさ! ここで親友になってっていったのまるで告白みたいだよね! えへへ……」
「ふふっ……」
さやはつむぎの言ったことに対してくすりと笑った。
彼女はよく笑うようになった。
そしてつむぎは意を決する。
ここへきた本当の目的を果たすために。
「さやちゃん……あのさ……わたしと……」
その後も彼女たちの物語は続いていく。
これから先の物語は君と一緒に紡いでいく。
ここまで読んでいただきありがとうございます
【重大告知】
漫画動画化製作中
ニコニコ静画にて先行して漫画を公開してます
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つむぎ(CV紲星あかり)
咲夜(CV東北きりたん)
ミーシェル(CVついなちゃん)
ねねこ(CV琴葉葵)
他
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