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夢と期待

「もうすぐUフェスかぁ」



 7月が終わりを迎えようとしている中、つむぎは次の8月に行われる夏のアンリアルライブフェスに向けて衣装を家でデザインしていた。



「あ、ビデオ通話だ。誰だろ?」



 すると視界にビデオ通話のアイコンが表示され鳴った。つむぎはそれを確認し表示する。

 そこに出た相手の名前は……



「シマリちゃん!?」



 それはトップアンリアルドリーマーもふもふあにまるずの一人、シマリだった。

 つむぎは急いでビデオ通話を繋いだ。


 そしてリスの耳がある少女シマリがモニターに表示される。



「やっほーつむぎちゃん。元気しとるー?」


「あっ、はい! お久しぶりです!」



 画面越しに手を振るシマリにつむぎはお辞儀をした。



「そんなかしこまらなくてええとよー。つむぎちゃん、最近衣装のデザインはやっとると?」


「はい、今ちょうどUフェスに向けてデザインをしてます!」



 つむぎは少し気を緩めようとしたがどうしても相手が相手のためかしこまってしまう。

 大物相手に久しぶりに会話をするのは緊張した。


 シマリは自分がデザイナーになろうとする夢を後押ししてくれるきっかけをくれた人物だ。かしこまってしまうのも当然かもしれない。



「がんばっとるねー。なら今度のUフェスデザインコンテストに応募するとよかばい」


「デザインコンテスト?」



 つむぎは首を傾げて言った。



「今回のUフェスの衣装展示、希望者にはデザインコンテストが開催されるとよ。そのデザインコンテストで最優秀賞を取ると、なんと現実世界でその衣装が製作されて販売されるばい」


「現実世界でっ!?」



 それは思ってもいないことだ。

 現実世界で衣装を作り販売するのは簡単なことではない。なのにコンテストで最優秀賞を取るとそれが可能だと言う。

 大規模な企画だ。



「どう? 興味あると?」



 シマリが微笑みながら言う。

 つむぎの答えは決まっていた。

 つむぎの夢はデザイナーだ。

 いつか自分の衣装を実際にリアルで着てくれる人がいたらそれは嬉しいに決まってる。

 夢に一歩近づくんだ。



「はい! もちろんやります!」



 つむぎはしっかりとした表情でシマリに答えた。



「いい表情ばい。うちは応援してるとよー」



 それを見たシマリが笑顔を見せて言った。



「おーいシマリ、そろそろ撮影だぞー」


「ちょっと待ってとってウル」



 画面外からウルと思わしき人物の声がしシマリはその方向を向いた。

 声をかけたあとまたこちらに振り向く。



「それじゃあうちはもう時間だから通話切るけんね。衣装デザインがんばってねー」



 シマリは最後にまた笑顔で手を振って通話を切った。



「デザインコンテストかぁ……楽しみだなぁ」



 ベッドに座り言うつむぎ。

 つむぎはデザインコンテストの内容を知り、そしてシマリに応援の電話をもらって気分が高揚していた。

 胸が希望に道溢れ創作意欲をより引き出していった。


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