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かけがえのないもの

 そうして迎えた修学旅行三日目。

 今日で修学旅行も最終日だ。


 つむぎたちは最後に水族館に来ていた。



「水族館自由に行動していいしウチら四人で行きますか」



 つむぎ、さや、ことねを見てひなたが言う。


 水族館では時間内まで自由に行動していいそうだ。つむぎたちは四人で一緒に回ることにした。



 水槽には様々な魚が泳いでいる。

 シュノーケリングのときに見かけた魚や、綺麗で珍しい魚まで様々な種類がいる。


 野外ではペンギンがよちよちあるいてるかわいらしい姿が見られた。

 


「水族館なだけあっていろんな魚がいるね。みんな何の魚が好き?」


 

 ことねは水槽の魚を見た後につむぎたちの方へ向き質問するように言った。



「わたしは魚じゃないけどペンギンとイルカかな」


「エンゼルフィッシュ」


「あたしは大とろかな。サーモンもいいね」


「ひな、お寿司のネタは聞いてないよ」



 冗談を言うひなたを見てつむぎたちは笑う。

 あまり笑わないさやもくすりと笑っていた。



「水族館じゃないけど前にUnreallyで竜宮城のアトラクションいったっけ。あのときといろんな魚がいて楽しかったなぁ」



 つむぎはUnreallyに初日に来た時のことを思い出す。



「あったあった、あのときのつむぎほんと笑えるよねー」


「ちょっひなたちゃん!?」



 あのとき一緒にいたひなたがあの時のことを思い出して笑っていた。



「なにがあったの?」


「いやさつむぎがたむぐぐぐ」



 さやがひなたに詳細を聞こうとするとつむぎがひなたの口をふさいだ。竜宮城に行ったらタコにあって顔に墨をかけられたことをひなたは言おうとしたのだろう。


 それを言われるのは恥ずかしかったのでなんとか誤魔化した。



 その後お土産を買うとつむぎたちは空港へと向かった。



 ◇



 飛行機の中。時刻は午後3時。

 飛行機での旅も終わりを迎えようとしていた。


 ことねは読書をしており、ひなたは眠っている。

 


「楽しかったね修学旅行」


「うん」



 つむぎはスマホで今日までに撮った写真をアルバムにして別のフォルダにいれる整理をしていた。さやはそのつむぎの話に頷いた。



「楽しい時間はあっという間。これはリアルもアンリアルも同じだね」


「うん……帰ったらUnreallyやりたい」


「あはは……そうだよね。もう数日やってないもんね」



 Unreallyに行くのは毎日の日課だった。

 しかしこの数日それが出来ていないことがさやは不満だったのだろう。

 つむぎもその気持ちは分かった。

 DreamtubeやUnitterで周りが今どうしてるかを見てるのが今できることだ。

 

 UnitterはともかくUドリーマーとしての活動は制限されている。



「わたしもUnreallyでいっぱい遊びたいなぁ……」



 つむぎはしみじみ思う。

 Unreallyでの日常もリアルでの日常もかけがえのない大切な存在だと。


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