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修学旅行二日目後編

 お昼ご飯を食べた後つむぎたちはまたバスへ乗り海へと行った。


 沖縄といったらやはり海だ。

 そしてつむぎたちの目的は海の中、シュノーケリングをやることが目的だ。


 シュノーケリングはダイビングほど深くは潜らないが最新の注意が必要だ。事故に合わないよう講習を受けボートに乗った。



 魚が見れるスポットに来るとボートは止まった。

 そしてウェットスーツとシュノーケルをつけたつむぎたちは海へと入っていく。



「つべちゃっ!」



 海の中に入った瞬間。プールに入るような冷たさが襲ってくる。

 まだ今年はプールの授業はない。その久しぶりの冷たさにつむぎは驚いた。

 続くようにさやが海に入ってくる。


 つむぎは次第に海水の冷たさにはなれ、海の中を潜った。


 するとそこには綺麗な景色が広がっていた。

 美しい色の珊瑚礁に色とりどりの魚が群がっている。その光景に一目惚れしそうだ。



 つむぎは一度息継ぎのため顔を海面から出す。

 さやも同じタイミングで顔を海から出していた。



「海の中、思った以上に綺麗だね!」


「うん」


「ウミガメとかに会えたらいいなぁ」


「私も……見たいかな」



 つむぎたちが楽しんでる中、ひびきとかなでは



「は、離さないでよひびっち」



 かなではひびきの手を必死でつかみ顔を海面に上げたまま浮いていた。



「あんた泳げないのになんでシュノーケリング選んだのよ」


「ごぼっぼごぼっぼごぼごぼごぼ!」


「海に出て言いなさい!」



 呆れるひびきに対し海中に潜ったひびきはそのまま会話をしようとしていた。

 


 それからつむぎとさやはまた一緒に海に潜る。

 見れる魚は色とりどりで同じ種類の魚が群れのようにしてやってくる。

 

 観光客になれているのかこちらが泳ぐとそっちについてきた。まるで自分が群れのリーダーだ。


 そんな感じで魚を見ていると……



 なんと奥にはウミガメがいた。

 つむぎはこのチャンスを逃すわけにはいかない。そう思い泳いでいく。



「ふにゃっ!?」



 だがしかしつむぎの視界は突然何者かによって暗くなり奪われていった。

 それは星形の生物。ヒトデだ。

 つむぎはいきなりのことに状況をよくわからず混乱した。



「つむぎ!?」



 さやがつむぎのことを呼ぶと急いでヒトデを引き剥がす。そしてつむぎはさやに肩を押されるように海面に上がっていく。



「ぶはっ!助かったよ……さやちゃん」



 つむぎは大きく呼吸をする。先ほどの混乱で呼吸が乱れ息継ぎができなくなりそうになっていた。さやが助けてくれなきゃどうなっていたかわからない。



「うん、つむぎが無事ならよかった。でも無理しないで……」


「あはは……ごめんね」



 結局ウミガメをちゃんと見ることはできなかったがそれよりも命の方が大事なためつむぎはさやに素直に感謝し謝る。


 リアルでの命は有限だ。ちゃんと体を大事にしなくてはいけない。



 ◇



 シュノーケリングを体験しホテルに戻ったつむぎたちは部屋でひなたたちにかなでとひびきも混ざりとカードゲームをしたりして遊んでいた。

 カードゲームはさやとひなたが毎回上位争いをしていた。

 つむぎは最下位になることが多かった。

 だが楽しかったので順位は気にしていない。



 そうしてホテルでも遊びつくし二日目の就寝へとつむぎたちはついた。


 

 つむぎはふと目が覚めた。スマホを手に取る。時間は午前3時だ。


 一度目が覚めたら少しだけ外の空気を吸いたくなりつむぎはベランダにへと来た。

 

 するとそこにはすでに先着がいた。



「さやちゃん眠れないの?」


「目が覚めた……」


「わたしも……えへへ」



 そこには椅子に座り寝巻きを着たさやがいた。

 つむぎはさやを見ると笑いかけ隣に座る。


 二人で外を見る。

 このホテルは海に近く綺麗な夜空と海が一緒に見れた。



「いいよね……ふとしたときに見る夜の景色って」


「うん……旅行先のホテルの外は特別に感じる……自然と落ち着く風景……」



 カシャ



 さやが微笑みながら海を見て言うと写真を撮られる音がした。



「なにしてるの?」



 つむぎを見て言うさや。つむぎはさやをスマホで撮ったのだ。



「さやちゃんの綺麗な顔を撮ろうと思ってね。せっかくの旅行だしいろいろ撮っているんだ」



 嬉しそうにつむぎは言う。

 つむぎは旅行に来ていろいろな風景をスマホに納めていた。



「この瞬間は一度きりしかない……けれど写真に残せばそのときの思い出が一生残る。だから素敵だよね写真って」



 つむぎはスマホを胸に抱き言う。

 つむぎはあまり旅行に行ったことがない。

 学校の行事くらいだ。

 だから余計に思い出をつくりたいと思ったのだ。それをずっと覚えていたい。



 それに対し、さやは微笑む。



「私はつむぎの思い出の一部になったんだね」


「そ、そうかもねっ」



 つむぎはすこし噛みそうになりながら言う。

 さやとの思い出。それはもちろん大事だ。

 しかし思い出で終わらせたくはない。

 ずっとこれからもほんとうは……



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