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ことねUnreallyデビュー

 数日後、ことねは休みの日にUnreallyを買った。もともと貯金はあったそうですぐ買えたようだ。



「ことねちゃん今日Unreallyにはじめて来るらしいけど大丈夫かな?」



 そしてつむぎたちはことねがUnreallyに来る日にある場所で待機していた。



「ここが初期リスポーン地点だからここで待ってれば来ると思う……」


 

 咲夜が冷静に言う。

 そこはつむぎも最初に来た場所、ワンダーランドプラネットの中央区。

 そこはいつも人だかりが出来ており広いUnreallyの中でも人口密度が比較的高かった。



「つむ」



 すると聞き慣れた声がした。それはこの世界で聞くのははじめての声であった。

 つむぎは振り向く。



「ことねちゃん?」



 一人の女の子がいた緑色の髪に毛先が薄い黄色をした女の子だ。アホ毛が二本ピンと立っている。

 ネームプレートには蒼樹ことと書いてあった。



「そうだよ。こっちだと蒼樹こと。Unreallyでのことの姿だよ」



 ことね、もといことはくるりんと一回転してから自分の名前を名乗った。



「そっか、よろしくねことちゃん」


 

 つむぎが笑顔で挨拶をすることもそれににっこり笑う。

 その後ことは咲夜の方を見てそれから回りを見渡した。



「たしかさやが咲夜でひなは……」


「ミーだ」



 ひなたのUnreallyの姿を探していたことはミーシェルがひなたであることに気がつくと驚いていた。



「ミーシェル? あのひながあの?」


「そ、そうなのだ!」


「やっぱり意外すぎて最初は戸惑うよねあはは……」



 つむぎは案の定といった感じで苦笑いをする。ミーシェルとひなたはあまりにも違いすぎて性格だけみると同一人物だとは思えない。



「まぁそういうことだからミーちゃんのことはミーちゃんって呼ぶといいよ」


「なんで貴様が言うのだ! ミーのことは好きに呼ぶがよい!」



 咲夜がミーシェルのことを弄るように言う。

 ミーシェルは咲夜に突っ込みをいれてから目をそらしながらもことに対して言った。



「ふふっ……わかった、咲夜のことはさく、ミーシェルのことはミーって呼ぶよ」



 そんな二人のやりとりを見てくすりと笑ったことねはいつものようにあだ名をつけて呼ぶ。ことねは基本相手の名前の頭文字を二つとって呼ぶことが多い。

 それも合間ってことねの一人称はことなのかもしれない。



「ことはぷちモンをやるためにUnreallyを買ったんだよね?」


 

 咲夜がことに問う。



「うん、Unreallyにはもともとつむたちの動画見て興味もあったからね。でもなにをすればいいんだろう?」



 ことはUnreallyがなにをする場所なのかよくわかってないようだ。

 それは最初の頃のつむぎと一緒だった。


 つむぎも最初はなにをする場所か知らずにUnreallyを始めた。それをひなたや咲夜がサポートしてくれて楽しめるようになった。


 今度はつむぎがサポートする番だ。



「そうだねまずは……」



 と、そこでつむぎはことの服装を見てあることをひらめく。



「あそこへいってみよう!」



 ◇



 つむぎがまず案内したのは洋服屋だった。



「ことちゃんの衣装ってデフォルト衣装のままだよね今。どうせならおしゃれしようよ!」



 つむぎはことの衣装がデフォルトのままだったのが気がかりだった。


 最初のキャラクリでイラストから3Dを出力すれば自由に服装をはじめの段階で着ることができるが通常のキャラクリでやると衣装は限られ質素なものだった。

 

 そのためつむぎは衣装を買うことをまず提案した。



「うん、そだね。どうせならつむがコーディネートしてよ」


「えっ!? わたしが!?」



 つむぎはことが言った事に驚く。



「シッシッシッ……それはいいアイデアなのだ。未来のファッションデザイナーの実力がどんなものかミーも見てみたい」


「ちょっとハードルあげないでよミーちゃん!? でもわかったよ! わたしことちゃんの衣装コーディネートしてあげる!」



 ひなたらしさがあるミーシェルの発言につむぎはちょっと怒るがせっかくの機会だ。

 やってみようとつむぎは思った。



「えーと……ことちゃんに似合いそうな服は……うーん」



 つむぎは周りを見渡しなにが似合うか悩んでいた。そうして悩むこと十分ちょっと。



「これとかどうかな?」



 つむぎは一つよさげな服を手に取った。


 ことはそれを手に取ると一瞬で身に纏った。

 Unreallyはすぐに服の装着切り替えができるため試着室にいく必要がなかった。


 その衣装は抹茶をベースにクリーム色がついたワンピースだ。リボンはチョコレート色をしている。

 ことはそれを着ると服をヒラヒラ揺らし全体を確認してからつむぎに対し笑顔を向けた。



「うん、いい感じだね。こと、これを着ることにするよ」


「良かったぁ」



 つむぎは安堵する。自分の選んだ服が気に入ってもらえて満足だ。ことに似合う色合いの服を探した結果こうなった。



「それじゃあ次はどこへ行こう?」


「アミューズメント施設に行くのはどうなのだ? あそこはいろいろなゲームが揃ってる。現実では出来ないようなものがな」



 つむぎが次の場所で悩んでいるとミーシェルが笑うように提案をしてきた。


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