【過去】『ハサミ男』(殊能 将之)
2002年発行。
「ナントカ男」ってタイトルには弱い。
「狼男」はもちろん、「ハエ男」「象男」(『エレファント・マン』──いや、実際、象ではないんだけど)などなど……
これは少年の頃に見た、仮面ライダーが敵対するショッカーたちの「ナントカ男」のワクワク感が潜在的に残ってるからなのだろーか?
「好色一代男」だって、嫌いではないぞ。
そもそも「ハサミ男」といえばティム・バートンの『シザー・ハンズ』だが、あれも大好きだし。
本書の「ハサミ男」は連続殺人鬼である。
ハサミ男は、ある時自分がやってもいない事件が新聞に取り上げられて驚く。自分の名を語った偽者がいる──
サイコ犯が偽犯人を追うという一風変わった設定が目を引く一冊。 殺人鬼が探偵役になるのは当時ではまだ斬新だったのだと思う。
「羊たちの沈黙」なんかともまたカラーが違ってて面白い。
ホラーチックなタイトルとは裏腹に意外とブラックユーモアな雰囲気を見せる主人公。
殺人鬼のくせに自殺願望があり、そのくせいつも失敗しては《もう一つの人格》に笑われている……って、こんなヤツがいたら、やっぱ充分怖いか。
やはり、最後に「あっ!」と言わせてくれた作品。「表紙」からしてすでトリックの一部になっておりますやね。
結構厚いんだけど、よく最後まで読者を騙し通せたもんだなと感心しました。
映画にもなったはずだけど、そちらは観ておりません。ってか、これ、映画にできんのか?
本作でメフィスト賞を獲ってデビューの著者。
最近では書店で新刊をあまり見かけなくなっちゃったけど、どうなんだろ?
僕が気付かにゃいだけなのか?
(※【現在】の私から一言──作者の殊能 将之さんは2013年にお亡くなりましたね。もう新作が読めないのは残念です──合唱)




