【現在】『昨日がなければ明日もない』(宮部みゆき)
2018年発行
探偵杉村三郎シリーズ第5弾。
やっぱり唸るほど面白い──ほんわか日常の冒頭から後半突如ズドンと落とされるギャップがまたたまらない。
主人公のキャラ設定といい、杉田比呂美サンのカバー装画といい、昔大好きだったマイクル・Z・リューインの《アルバート・サムスンシリーズ》とめっちゃかぶります。てか、自分の中での脳内イメージはほぼ一緒。あっちはもう新作出ないだろーなぁ。
今回は『絶対零度』『華燭』『昨日がなければ明日もない』の掌編三本が収録されております。
シリーズは何から読んでも面白く読めるのですが発行順でいえば、
・『誰か』──長編
・『名もなき毒』──長編
・『ペテロの葬列』──長編
・『希望荘』──掌編集
・『昨日がなければ明日もない』──掌編集
と、なってますね。主人公が「私立探偵」業をスタートさせるのは『希望荘』から。それ以前の「いかにして探偵をすることになったか」というのがまた面白い。
甲乙つけがたいですが特に二作目の『名もなき毒』は大傑作だと思っております。
ちなみにシリーズ外では『ソロモンの偽証』の文庫版、6巻末尾に杉村三郎がゲスト出演する短編『負の方程式』が「その後」として掲載されてますね。単行本にはなかったボーナストラックなので、ついつい僕は文庫の「6巻」だけ購入してしまいました(笑)