【前書きにかえて】『インプットとしての本、アウトプットとしての感想』
「先生はなぜ、元のように書物に興味を有ち得ないんですか」
「なぜ、という訳もありませんが。……つまり幾ら本を読んでもそれほどえらくならないと思う所為でしょう──」
──夏目漱石『こころ』より
さて、9月某日から「とにかく本を読もう」と、トートツに思い立ったペイザンヌでございます。
実をいうと僕はそれほど本を読むのが速い方ではないのであります(当社比)。
その遅読な僕が──ふんばってみてハタシテどれくらいの量を読めるのか? と思い立ち、とにかく2ヶ月間、寝る間を惜しみ、空いた時間をすべて本にそそいでみたところ……
2ヶ月で50冊(上下刊も含めると56冊くらいか)という結果になりました。
逆に言うと「……ってことは己はどう頑張っても1年で300冊しか読めないのか」と、まだまだ読んでみたい本を書店で目のあたりにしながらガクゼンとなりましたね。
しかも読んだ本の内容といえば、時と共に覆い被さるようどんどん消えていくという──まるでシーシュポスの岩運びのごとき永久回帰。
ということで、少しでも忘れることのないよう、また、己の士気を高めるためにも、読み終えるたびにTwitterに書き込みをしていたわけであります。
そこで少し呟いたりもしたのですが、どうやら自分は「複数冊の本を同時平行して読む」というやりかたが非常に合ってることに気付いてみたりと、再発見もありましたね。
これも個人差があると思うのですが、なかなか本がうまく読めないという方、もしくは飽きっぽいという方など、試してみるとよいのではないかと。
漫画家の高橋留美子さんが──「うる星やつら」の気分転換に「めぞん一刻」を書いて、また逆も然りだった──というのをどこかで読んだのですが、つまり本の気分転換に別の本を読む──ということですやね。
しかも同時に読み終えることはないので「次は何を読もうか?」と書店で迷ってる時間が格段に省略されます(まあ、あの時間がいいんですけどね~♪ ホントをいえば)。なので優柔不断な方にもお薦めかと。僕といえば、その間に映画一本見れんじゃね? と思うくらいレンタル屋をウロウロする方なんで(笑)
また、俗にいう「積ん読」は一冊までにしました。つまり3冊平行して読んでるとすると、まだ読んでない本は手元に一冊だけ──にしておく。
これはあまり多くの「積ん読」を置いておくと、その量を改めて見て逆に萎えてしまう(現在はつい禁を破ってしまいそれに陥ってます……笑)──のを、防ぐため。また、「次はなにを読もうかしら?」の楽しみを常に持っておくため。
インプットとアウトプットは7:3くらいがよいと言われておりますが、今回はとにかくインプットだけに徹してみました。が、感想を書くことはアウトプットに入るということなので、まあ、丁度いいっちゃいい感じなのか、な?
しかも専門書というわけじゃないしね(笑)
そんな感じで個人的忘備録の気持ち多数、そして僅かでも皆様の読書の参考にでもなれば、と思っております──
※ちなみに現在は普通の読書スピードに戻しておりますが(睡眠はやはり大事です……はい)、いずれここに不定期ながら追加していこうと思っております。
【現在】──先日まで呟いていたTwitterに加筆修正したもの。
【過去】──それ以前に殴り書きしたものを補正したもの。
──と、なっております。