第5回 男性は何で好きな女性とエロい事したいのか。
え? 男性のすべてがすべて、好きな女性とシたいものなんです?
というか、少年マンガによくあるのが「好きな女の子相手だから、エロいこと考えたくない!」っていう描写だと思っているのです。とはいえ「……けど、イケナイと思ってるのに、この気持ちは一体何なんだ!」っていうところが甘酸っぱくって良いんじゃないです?
ただ、そういうマンガって「これが……恋なんだ。」みたいな方向付けをするから、「好意=性欲」みたいな等価の意識を、読者に植え付けられるんじゃないです?
これはマンガに留まらず大抵の少年向け(=男子向けの意味)作品に当てはまるので、教育の賜物なんじゃないでしょうか?
はい。第5回目なので、さすがに今回が初見の方はいないと踏んで、ご挨拶いたします。
毎度お世話になっております。朝倉 ぷらすです。
えっと、まず初めに断っておかないといけないことなのですが、昨日、私こと朝倉 ぷらすは恋人とずっっっとイチャラブするという行為に耽っておりまして、お店を冷かしたり、何気ないことで笑ったり、自販機と出会うごとに商品のレア度を確認したり、知らない街で迷子になったり、行きつけのティールームでまったり過ごすなどしていたため、毒気がほぼほぼ浄化されました。
聖人のような気分です。とはいえ、まだもうちょっと頬を寄せ合って、誰にも見られていないのに何かを囁き合う予定なのです。受験生の皆さま、これが睦言ですよ。
そんなひと時から次のひと時の間の、ぼんやりしたブランチを終えてまったり過ごしている真っ最中にポチポチ書いているのが、今回なのです。
さて、暴露話は置いといて。きのこさんのご質問を一番わかりやすく分解いたしますと「男女にも友情は成り立つの? あと、その中にセフレは含まれる?」ということなんじゃないか、と考えます。
それと、私ひとつ気付いたのですが、きのこさんが考える男性ファンタジーに「男性は相手を好きになるとセックスしたくなるし、逆にセックスすると好きになる。」というものがあるのではないか? ということでしょうか。だとすれば恋愛感情と性欲が、明確に分断されているっぽいので、どうも性行為の内容で相手の評価が下がってしまうことを避けているのかな? と思いました。まる。
本筋から離れてしまったので、まずは、異性愛者が同性同士で過ごすときのことを考えましょう。
つまり、普通の友だちと遊ぶときのお話ですね。
友達と遊んでいると、どんな欲が満たされるのですかね? 何に満足するのでしょうか。楽しくなりたい欲ですかね? あとは安心したい欲とかですか? 独占欲とかも少しあるのかもしれないですが、それは友達に寄せる感情にしては仄暗いですね。
じゃあ、恋人は? 色々端折りますと「独占欲、顕示欲、充足欲、好意と性欲」ですかね? 足りないかもですが。主なものだとその辺でしょうか。この中で、男性は独占欲は強いものの、顕示欲は低そうに感じますね。ですから、「男性はセックスと恋愛を繋げて考えてる。」というような誤解になるのかなあ、ということです。
あれですよ。ハーレム物とかで、主人公の男の子がいつの間にかハーレムができていて、やれやれだ、みたいな設定になっているときに思うのですが、主人公が気付いていない間はさておき、気付いたならキッパリとハーレムを解散させて、メインヒロインひとりに絞りなさいよ! っていうことなんですよね。
最初から全員まとめて好きで、最終的にハーレムを目指しているとかなら、いっそ清々しいので応援するのですが、流れに身を任せてたらハーレムが大きくなってる、みたいな優柔不断系主人公は見ててイライラしますね。「お前がキープ要員に、『キープ要員だから。』って言わない言い訳に『やれやれ。』を使うんじゃないよ!」って思います。
そして少女向けのハーレムを見ますと、これとは逆に、思いっきり顕示欲が前面に出ているのですよね。つまり、「私ってこんなにも愛されているの!」という欲求を隠しもしないですね。ここ6年くらいは、そのアンチテーゼなのか「悪役令嬢による『ざまぁ物』」が流行っていますね。とはいえ、初期の作品はどれも、「また反対の顕示欲」とでもいうべき内容だったので、きょとん顔であまり笑えない黒い感情のぶつけ合い系の大変美味しい物語でした。最近は(といっても数年単位ですが)、悪役令嬢がただ一人に愛されて、正ヒロインが勝手に自滅する系なのですかね? ちょっと変わってきているような気がします。
えーっと、話をもう一回戻しましょう。
男性向け18禁って、状況のシチュエーションだけなら本当に何でもありで、それこそ好きでもない相手とシちゃうものから何でもかんでもありますね。でも、女性向けでも色んなシチュエーションはありますよね。肉食系的に色んな男性を食っていく作品は少ないですが、そこそこありますし。
とはいえ、男性向けにしろ女性向けにしろ、パートナーでもない相手と肉体関係だけあるような作品は、どっちにしろ「裏切り系」作品に分類されてしまうので、主流派じゃないのは当然のような気もします。
本当の愛はどこにあるのか、みたいな。
ああ、そういうことですか?
愛、なのですか?
愛って、何ですかね。あれですよ。田中角栄元首相とかですよ。愛人がいっぱいいて、秘書の筆頭にもしちゃった彼ですが、結局、正妻の子供しか家を継承してないですよね。外でどれだけ派手なことをやっていても、心が正妻以外の女性に分散していても、締めるところは締めていた、ということじゃないですか?
その場合、本当の愛とやらは、正妻の方に向けられていたのですかね?
それともケジメの付け方を知っていただけ、という判断でしょうか?
もうなんかあれですよ。第3回のエッセイでも書いてますが、私って根本的にウジウジするのが好きじゃないようなのですよね。「どうぞお幸せに。」というだけのお話が、この世の大部分を占めているかのような気がするのです。
キチンとケジメの付け方も考えないで始めちゃうことが悪いんじゃないですかね?
私自身としては、作品としてはアリですが、現実問題として今の恋人以外の誰かとイチャイチャする気がないのは、きっと満足しているからだと思うのですよね。
それこそ、満足できない部分が出てきてしまったときに、「他は、、、まあ。」と納得させてしまうから、色んな欲を他の何かで埋めようとするんじゃないでしょうか? その穴埋め先が18禁作品、というのもアリだと思うのです。作品の向こう側にしか、ドキドキ出来ないとか、アリだと思うのですよね。
と、つらつら書いてきた辺りで、私を見詰める視線が近づいてきたので、そろそろ筆を置きましょう。
ところで人って、何かの欲求が欠落した場合って、他の何かで埋め合わせようとする生き物なのですが、性欲って枯れるいうじゃないですか。なのできのこさんにお訊ねしたいのは、「性欲が枯れたらどうなると思いますか? 何かで埋め合わせるとするなら、それは何だと思いますか?」ということですね。
前回学んだことですが、エッセイって、書いている内にどんどん頭が醒めて行ってしまうのですね。