表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

第四回・文章×絵企画

世界

作者: 尚文産商堂

この作品は牧田紗矢乃さん主催、第四回・文章×絵企画の投稿作品です。

この作品は、桧野 陽一さんのイラストを元に執筆しました。この場を借りて、御礼申し上げます。

桧野 陽一さん:https://10819.mitemin.net/

挿絵(By みてみん)

手野公園、そこには様々な人が、時を置かずして集まっている。

走る人、歩く人、話す人、黙る人。

そして、趣味の人もたくさんいる。


公園の通路は石畳でできている。

煉瓦のようなものがずっと続いていて、左右は少し段になっていて通路と区別されていた。

通路は電車が通れるようになっているが、これは公園が広いから、そのための交通機関となっていた。

そこで、私は絵を描いている。

イーゼルを立て、いつものように椅子を持ってきて、画板をかけると、あとはキャンバスを広げる。

「何を描いているのですか?」

ふとしばらく経ってから、女性に聞かれる。

「世界を描いているのですよ」

私は彼女に絵を見せる。

「わぁ、きれいですね」

とてもうれしそうに彼女は言ってくれる。

「まだ描きかけなんですけどね」

「描きあがったら、いただけますか?」

「え、まあ。これでよろしければ」

「ありがとうございますっ」

彼女はそう言うと、近くの段差に腰かけてじっと私を見てくる。

筆致や何を描いているのか、どんな気持ちなのか。

それを細かく知ろうとしているようだ。


描き始めたのが午前8時。

描きあがったのは午後も3時へさしかかろうとしていた。

「できあがりましたよ」

ふう、と私は一息入れ、ペットボトルの水を飲む。

クーラーボックスの中に入れていたおかげで、まだ冷たくておいしい。

「ありがとうございます。いただいていきます」

絵を入れる袋は、何かのアニメキャラがかかれたバッグだ。

内側をビニール袋で覆っていて、他に色移りしないようになっている。

「また、来てもいいですか」

「ええ。絵を描いていない時もありますが、それでも見つけてくださったら声をかけてください」

握手を交わして、彼女は元気に去った。

私はというと、少しペットボトルを続けてのんでから、片づけて家路へ就いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ