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箱庭のピアニスト  作者: テトラ・カノン
3 私の国
9/12

5 竜の国

 真っ逆さまの私。スーさんに抱きかかえられ、冷たい風だけが私の頬をかすめる。

 スーさんからはなんだか懐かしいにおいがする。


「メイドちゃん出口だよ」


 まぶしい日の光に包まれ目は開かなかった。

 慣れてきたその景色は一面の青。広大な空の中に放り投げられたのだ。


「え? え? どうするの? どうやって降りるの?!」

「あたしに聞かれてもわからんよ」

「ちょっとーーー!」


 再び沈黙が走る。

 そのときだ、私たちの前方から巨体な黒い影が迫って来てるのが見えた。


「スーさん! 前!」

「あぶな!」


 寸でのところで体をひねって避けられた。

 すれ違いざまに見えたのはドラゴンだった。

 そう御伽噺によく出てくるあのドラゴン。

 私の心は感動と恐怖でいっぱいいっぱいだ。


「あれ?あのドラゴン戻っててない?」

「まじか。もう避けられないぞ」


 灰色のドラゴンは大口を開け私たちの方へ突っ込んできた。

 あぁ、私たちの冒険はここで終わり。そんなことが頭によぎった。


「……あれ? 生きてる」

「助けられたみたいだな


 二人はさっきより小さめのドラゴンの上にいた。


「大丈夫? 君たち随分と度胸あるね。テイルドラゴンの巣に真っ逆さまに突っ込む人なんか初めて見たよ」


 声のする方には私と同じくらいの年の少年がドラゴンに繋がれた手綱をもっていた。

 この子が私たちの事を助けてくれたのか。


「ありがとう」

「いいよお礼は(ほんとは見張りサボって見落としてただけだから)とりあえず俺らの街においでよ。君たちも別世界の子たちだろ?」

「うん、じゃあおねがいするね」

「よっしゃ! しっかりつかまってな!」


 私達は少年の街に行くことになった。

 その間スーさんは顎に手をあてて何やら考え事をしていたのを私は見逃さなかった。

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